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第一章 幸せの青い鳥?
1-54 死闘決着
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『凄いもん見ちゃったなあ』
チュールは楽しそうに、そのような事を言っている。
「あ、そろそろドアの前が空きそうだ!」
攻撃組の最後尾の騎士がそれを見て取ると叫ぶ。
だが、まだ奴の触手がぎりぎりドアを抑え込んでいる。
彼はその触手を切りつけているが、相当丈夫なようで斬り落とせない。
「みんな、あと数センチ奴を押し込んでください。
そうしたら、俺が体を張ってドアを強引に開けますから」
「ようし、そっちは任せたぞおお。
野郎ども、吶喊!」
そして団長は、自らも奴に体当たりをするかの如くに激しく押す。
体当たりもへったくれもない。
まるで二人、いや一人と一体を結ぶ運命の絆であるかのように、団長を繋ぎ止める触手は十三本にまで増量されていた。
「どがあああ」
「ぐまん!」
「ふがあああむ」
もう、何の掛け声なのかもわからないが、とにかく数センチは稼げたようだ。
ドアをかろうじて抑え込んでいた触手は虚しく外れ、しかしなおも無理やりに伸ばし留めようとした。
だが、その騎士はそれを両手で抑え込んで、その動きを封印するために丁度己の腹に開いていた穴に自ら突き刺し、滝のような脂汗を浮かべながらも、なんと振り返って私を見てニヤリと凄惨な笑みを浮かべた。
ひええええ。まるで昔の腹切り武士みたいだー。
「さあ、副団長。
行って片をつけてきてくださいな」
「すまん、アシューム」
そしてその激烈な闘志を発揮する漢、騎士アシュームは、片手でリュールさんにサムズアップしながら自分の自由な上半身を仰け反らせた事による反動を持って、裂帛などとっくに通り越した雄叫びを上げた。
それから押し鞍饅頭方面の最後尾の集団に、まるで自殺行為ないし麻薬中毒患者の自傷行為で目の前の壁に向かって駆け込む人であるかのようにして、自らの体を思いっきり叩きつけた。
その衝撃が、触手の刺さったままというか、更に抉り込まれてかき回された内臓に超激痛をもたらした。
その後で勇猛苛烈なる彼をもってしても、両膝が砕けてしまって踏ん張りも効かずに、触手に体を持ち上げられてしまったほどのものだった。
だが、その体重がそちら方面にかかったのも幸いした。
アシュームにとっては不幸でしかないのだが、その決死のアシストによる勢いを持って、集団は一気に命の一メートルを一気果敢に稼いだ。
そして本来の任務に向かったリュールさん達が奴に背後から挟撃されぬよう、死〔ねない〕地にて押し続けていなければならない。
まだまだ地獄のアメフトは続くのだった。
どれだけ進んでも、このアメフトにタッチダウンはない。
部屋の中の決着が着かない限りは。
死んでも止められないアメフト、いや死ねないから当分続く予定なんだな、これが。
私は安全な距離を保ちながら、念のために自らも光の聖女と化して付き添った。
もちろん、チュールも。
『ねえ、サヤ。これいつまで続くの?』
「もうちょっと頑張ってね。
中がさっさと片付いてくれればいいんだけどなあ」
そして、一方部屋の中では。
数メートルの距離を挟み、互いに射殺さんばかりに睨み合う第二王子とリュール。
向こうの手勢は僅か五名。
対するこちらは騎士団服団長を含む精鋭王国騎士が十二名。
さすが王子の部屋だけあって広い。
この人数での戦闘には十分なほどの空間が開いている。
騎士達は全員、対魔物用の強力な魔法金属製の魔法の付与付き兵装で武装している。
対して第二王子に与する男達のうち、三名は軽装のテイマーで、うち一人はまだ魔物を操っている最中で動けない。
残りの二人も蒼ざめた顔で小ぶりな剣を手にしているが、専門の近接戦闘員ではないので腕に覚えがあるほどではないし、装備も革製の軽鎧すら付けてはいない。
他にいるのは、王子の護衛らしき男が一人だけ。
もっと仲間はいたはずだが、後の者は王子を見捨てて逃げたか、先に外でやられてしまったものか。
私はもうドアのところまで前進して、部屋の中の様子と廊下でずっと開催されているアメフトの試合とを天秤にかけていた。
連中は猛然とアタックをかけていき、五メートルほど先まで進んでおり、私がそこまで出られるようにしてくれた。
いざとなったらチュールが私を護ってくれるはずだが、そうなると前線が崩壊してしまうかもしれない。
やりたくはないが、万が一の際には私も大人しく奴にぶっ刺されて回収されるしかあるまい。
一応リジェネは自分にも使ってあるので死ぬ事はない。
アメリさんは角で隠れて様子を見ながら待機しており、私がヤバそうなら駆けつけて回収する体勢にいる。
彼女が瞬発力を秘めて『その時に備えて』集中している様子に思わず体が震える。
その時は仕方がないから、アメリさんかマリエールに聖水を使ってもらって、また角からアメフトを支援するしかない。
もう早いところ試合を終わらせないと、前線のアメリカンフットボーラーどもの精神が、そろそろヤバイかもしれない。
いやもうとっくに限界を超えているのは知っているんだけどね。
リュールさん、早くそこのテイマーを仕留めて~。
「ち、野に下ったお前が俺を討ちに来たか。
あんな聖女を拾ってきやがって。
余計な真似を」
「その言葉、そっくりお前に返すぞ、フランク。
お前は少々やり過ぎた。
何をそう焦る。
もっと時期を見る事も出来たろうに。
兄上の即位など、まだまだ先の話」
「ほざけ、あの国はもうマグマのように内圧が滾っているのだ。
それは今に始まった事ではなく、その時が今だというだけに過ぎない。
俺なんかを殺したとて、それは何も変わらん。
いや、却ってこれがその爆発の引き金になるくらいのものだぞ。
それでいいのか?」
「たとえそうだとしても、お前はやり過ぎた。
少なくとも、あの温厚な父を怒らせるほどにはな」
「へ、どうせ俺は向こうの人間の血を色濃く持っている。
父から信用もされぬし、重用もされぬ。
お前だって野に下り、またこうやって捨て駒のように使われるだけじゃないか。
リュール、こっちにつけ。
いい待遇を約束してやろう」
だが次の瞬間に溜めさえ感じさせずに、護衛の男がリュールさんに切りかかってきたが、目にも止まらぬ速さでリュールさんの剣が一閃し、男は斃れた。
それを見たテイマーの男達は即座に武器をこちら側に投げ捨て降伏し、両膝を付き両手を頭の後ろに回した。
もう一切の望みは無くなった。
気力だけで外の魔物を遠隔で操っていた最後のテイマーも、がっくりと膝を付いた。
すかさず騎士二人が飛びかかってそいつを拘束する。
同時に他の二人も同様の扱いを受けた。
最後の魔物はとうとう活動を停止し、すべての触手を引っ込めた。
騎士の一人が外へ飛び出しながら叫ぶ。
「サヤ殿、テイマー制圧。
魔物は?」
「あ、ようやく動きが止まったみたいよ」
そして、アメフトメンバー全員が王宮の通路に糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちていた。
もう既に、体に刺さっていた触手というか、それが持っていた刀擬きを支えにして体を立たせていたせいだ。
それが引き抜かれていったので立っていられなくなったのだ。
まああの団長だけはなんとか膝立ちレベルで踏みとどまり、汗まみれの笑顔でニヤリと笑う余力、というか気力のみで団長としての気概を見せていた。
彼とて、もう真っ青な顔で死にそうに見えるほどだったけど。
まあ死ねない魔法はかかっていたんだけどね。
私は全力で各種回復魔法を放ち、収納に入れておいた食糧や飲み物を広げてから回復魔法士達に後を任せた。
「チュール、来て」
『あれ、終わったんじゃないの?
僕もシュークリーム食べたい』
「もう少し待ってね」
私には少しお目当てがあったのだ。
チュールは楽しそうに、そのような事を言っている。
「あ、そろそろドアの前が空きそうだ!」
攻撃組の最後尾の騎士がそれを見て取ると叫ぶ。
だが、まだ奴の触手がぎりぎりドアを抑え込んでいる。
彼はその触手を切りつけているが、相当丈夫なようで斬り落とせない。
「みんな、あと数センチ奴を押し込んでください。
そうしたら、俺が体を張ってドアを強引に開けますから」
「ようし、そっちは任せたぞおお。
野郎ども、吶喊!」
そして団長は、自らも奴に体当たりをするかの如くに激しく押す。
体当たりもへったくれもない。
まるで二人、いや一人と一体を結ぶ運命の絆であるかのように、団長を繋ぎ止める触手は十三本にまで増量されていた。
「どがあああ」
「ぐまん!」
「ふがあああむ」
もう、何の掛け声なのかもわからないが、とにかく数センチは稼げたようだ。
ドアをかろうじて抑え込んでいた触手は虚しく外れ、しかしなおも無理やりに伸ばし留めようとした。
だが、その騎士はそれを両手で抑え込んで、その動きを封印するために丁度己の腹に開いていた穴に自ら突き刺し、滝のような脂汗を浮かべながらも、なんと振り返って私を見てニヤリと凄惨な笑みを浮かべた。
ひええええ。まるで昔の腹切り武士みたいだー。
「さあ、副団長。
行って片をつけてきてくださいな」
「すまん、アシューム」
そしてその激烈な闘志を発揮する漢、騎士アシュームは、片手でリュールさんにサムズアップしながら自分の自由な上半身を仰け反らせた事による反動を持って、裂帛などとっくに通り越した雄叫びを上げた。
それから押し鞍饅頭方面の最後尾の集団に、まるで自殺行為ないし麻薬中毒患者の自傷行為で目の前の壁に向かって駆け込む人であるかのようにして、自らの体を思いっきり叩きつけた。
その衝撃が、触手の刺さったままというか、更に抉り込まれてかき回された内臓に超激痛をもたらした。
その後で勇猛苛烈なる彼をもってしても、両膝が砕けてしまって踏ん張りも効かずに、触手に体を持ち上げられてしまったほどのものだった。
だが、その体重がそちら方面にかかったのも幸いした。
アシュームにとっては不幸でしかないのだが、その決死のアシストによる勢いを持って、集団は一気に命の一メートルを一気果敢に稼いだ。
そして本来の任務に向かったリュールさん達が奴に背後から挟撃されぬよう、死〔ねない〕地にて押し続けていなければならない。
まだまだ地獄のアメフトは続くのだった。
どれだけ進んでも、このアメフトにタッチダウンはない。
部屋の中の決着が着かない限りは。
死んでも止められないアメフト、いや死ねないから当分続く予定なんだな、これが。
私は安全な距離を保ちながら、念のために自らも光の聖女と化して付き添った。
もちろん、チュールも。
『ねえ、サヤ。これいつまで続くの?』
「もうちょっと頑張ってね。
中がさっさと片付いてくれればいいんだけどなあ」
そして、一方部屋の中では。
数メートルの距離を挟み、互いに射殺さんばかりに睨み合う第二王子とリュール。
向こうの手勢は僅か五名。
対するこちらは騎士団服団長を含む精鋭王国騎士が十二名。
さすが王子の部屋だけあって広い。
この人数での戦闘には十分なほどの空間が開いている。
騎士達は全員、対魔物用の強力な魔法金属製の魔法の付与付き兵装で武装している。
対して第二王子に与する男達のうち、三名は軽装のテイマーで、うち一人はまだ魔物を操っている最中で動けない。
残りの二人も蒼ざめた顔で小ぶりな剣を手にしているが、専門の近接戦闘員ではないので腕に覚えがあるほどではないし、装備も革製の軽鎧すら付けてはいない。
他にいるのは、王子の護衛らしき男が一人だけ。
もっと仲間はいたはずだが、後の者は王子を見捨てて逃げたか、先に外でやられてしまったものか。
私はもうドアのところまで前進して、部屋の中の様子と廊下でずっと開催されているアメフトの試合とを天秤にかけていた。
連中は猛然とアタックをかけていき、五メートルほど先まで進んでおり、私がそこまで出られるようにしてくれた。
いざとなったらチュールが私を護ってくれるはずだが、そうなると前線が崩壊してしまうかもしれない。
やりたくはないが、万が一の際には私も大人しく奴にぶっ刺されて回収されるしかあるまい。
一応リジェネは自分にも使ってあるので死ぬ事はない。
アメリさんは角で隠れて様子を見ながら待機しており、私がヤバそうなら駆けつけて回収する体勢にいる。
彼女が瞬発力を秘めて『その時に備えて』集中している様子に思わず体が震える。
その時は仕方がないから、アメリさんかマリエールに聖水を使ってもらって、また角からアメフトを支援するしかない。
もう早いところ試合を終わらせないと、前線のアメリカンフットボーラーどもの精神が、そろそろヤバイかもしれない。
いやもうとっくに限界を超えているのは知っているんだけどね。
リュールさん、早くそこのテイマーを仕留めて~。
「ち、野に下ったお前が俺を討ちに来たか。
あんな聖女を拾ってきやがって。
余計な真似を」
「その言葉、そっくりお前に返すぞ、フランク。
お前は少々やり過ぎた。
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もっと時期を見る事も出来たろうに。
兄上の即位など、まだまだ先の話」
「ほざけ、あの国はもうマグマのように内圧が滾っているのだ。
それは今に始まった事ではなく、その時が今だというだけに過ぎない。
俺なんかを殺したとて、それは何も変わらん。
いや、却ってこれがその爆発の引き金になるくらいのものだぞ。
それでいいのか?」
「たとえそうだとしても、お前はやり過ぎた。
少なくとも、あの温厚な父を怒らせるほどにはな」
「へ、どうせ俺は向こうの人間の血を色濃く持っている。
父から信用もされぬし、重用もされぬ。
お前だって野に下り、またこうやって捨て駒のように使われるだけじゃないか。
リュール、こっちにつけ。
いい待遇を約束してやろう」
だが次の瞬間に溜めさえ感じさせずに、護衛の男がリュールさんに切りかかってきたが、目にも止まらぬ速さでリュールさんの剣が一閃し、男は斃れた。
それを見たテイマーの男達は即座に武器をこちら側に投げ捨て降伏し、両膝を付き両手を頭の後ろに回した。
もう一切の望みは無くなった。
気力だけで外の魔物を遠隔で操っていた最後のテイマーも、がっくりと膝を付いた。
すかさず騎士二人が飛びかかってそいつを拘束する。
同時に他の二人も同様の扱いを受けた。
最後の魔物はとうとう活動を停止し、すべての触手を引っ込めた。
騎士の一人が外へ飛び出しながら叫ぶ。
「サヤ殿、テイマー制圧。
魔物は?」
「あ、ようやく動きが止まったみたいよ」
そして、アメフトメンバー全員が王宮の通路に糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちていた。
もう既に、体に刺さっていた触手というか、それが持っていた刀擬きを支えにして体を立たせていたせいだ。
それが引き抜かれていったので立っていられなくなったのだ。
まああの団長だけはなんとか膝立ちレベルで踏みとどまり、汗まみれの笑顔でニヤリと笑う余力、というか気力のみで団長としての気概を見せていた。
彼とて、もう真っ青な顔で死にそうに見えるほどだったけど。
まあ死ねない魔法はかかっていたんだけどね。
私は全力で各種回復魔法を放ち、収納に入れておいた食糧や飲み物を広げてから回復魔法士達に後を任せた。
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