DNAにセーブ&ロード 【前世は散々でしたが、他人のDNAからスキルを集めて、今度こそ女の子を幸せにしてみせます】

緋色優希

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第一章 渡り人

1-20 最強の男

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 フラウのお姉ちゃんの胸は、さすがに諦めた。絶対にバレそうだ。まあ十分な収穫はあったさ。アラビムめ、できる男だとは思っていたが、ここまでだったとはな。

 アラビムは魔法剣士。冒険者として最強の職業の一つだった。このパーティでも最強の男だろう。次点は魔法使い二名かな。

『神々の黄昏』
 圧倒的な耐えがたいまでの魔法の直撃。属性を持たないため、駄目な相性が存在しない。

 純粋に威力だけで勝負できる。無属性魔法といってもいいだろう。相手がサラマンダーだろうが氷のドラゴンだろうが、とてつもないダメージを与えられる。

 唯一無属性には効かないらしいが、今まで無属性の魔物など確認されていないらしい。つまりは今のところは最強のアルティミット魔法と呼ばれるもののうちの一つだ。

 こいつはすげえ魔法が手に入った。使い道は無いけどね。まあゴブリンキングはアラビムのおっさんに任せますわ。

 しかし、ご領主様ってよくこんな男を呼んでくれたなあ。料金は馬鹿高いはずだ。相変わらず領民思いだねえ。もしかしたら15年前の話がトラウマになっているのかもしれないが。

『魔法剣 火・風・氷・光・無』
 うわあ、すげえな。ここでも無属性ですか。やるなあ。

 あー、これ他の人間からの支援魔法まで受け付けるのか。ありえねえな。切れない物はないんじゃないのか。

 剣もいいのを持っているみたいだし。凄い派手な装飾を付けている。高そうな剣だぜ。俺なんか武器は弓矢以外のサブウエポンは子供用の山刀だけだぜ。あとはせいぜいおうちの包丁を借りてくるくらいか。

 う、包丁か。鮮やかにトラウマが甦る。今度、鍛冶屋の親父に相談するかな。古くて捨てるゴミみたいな短剣とかあったら貰おうっと。

 魔法剣でなんとか戦えるかも。究極の使い捨てウエポンだぜ。なんたって費用ゼロ円だもんね。コスパだけなら最高だぜ。ヒノキの棒で魔法剣って使えるんだろうか。そのうちに試してみようっと。

 俺が無事にスキルのかっぱらいを終えて、その中身についてチェックし終わった時分には、会議は終了した。

 本日はいろいろと、おっぱいも堪能した事だし。あとはサクっとゴブリンを退治したら終了なんだが、肝心の奴らがいねえ。まさかと思うが、奴らにしっかり偵察されていて、冒険者が帰るまで隠れているとかなんじゃあ。

 いや、違うな。優秀なシーフの冒険者が二名もいて、地理に詳しいうちの叔父がレクチャーしているのだ。

 それに俺だって森なんてただの遊び場だというのに、気配が掴めない。もちろん奴らの偵察部隊などいない。という事は、おそらくどこかに隠れていやがるのだ。だが、一体どうやって。

 アラビムは真剣な表情で考え込んでいたが、ついに決断した。

「チームを二つに分ける。我々はフランコ氏のガイドの元、森を探索する。チーム・アネッサは村へ戻り哨戒を続けてくれ。何かあったら信号を打ち上げろ。襲撃があれば赤を。それ以外のなんらかの異常があれば黄色を。こちらを呼び戻したい事情があれば、青を。いいな」

「了解。そっちも無茶をしないでくださいね。しかし不気味だ。なんだろうな、この感じ」
「ああ、まったくだ。ありえない」
「本当ですよねえ!」

 そして俺はアリエス以外のチーム・アラビムのメンバーから思いっきり睨まれた。
「くそチビ、お前も村へ戻るんだ。ここからは何があるかわからん」

「へいへーい」
 もう、お前らに用はねーよーだ。とっくにスキルはいただいちまったんだ。

「アリエスー、怖い顔のおじちゃんが虐める~」
「はいはい。アンソニーはいい子ねえ。もうアラビムったら。よしよし」

 俺はムギュっとされながら、ふかふかを堪能しまくった。最後にしっかりと、ふかふか巨乳を攻めにいくところが俺だね。

 今生でも、終いに刺されて死ぬ羽目にならないならいいんだが。前世でも、ちゃんと冷静に落ち着いていられれば、俺にはなんとかできたはずなのだ。

「まったく、餓鬼はいい身分だぜ」
 毒づくエバンス。へっ、お前も気張れや。本日は、お前が仕事の要なんだぜ。

「そうだよ、畜生。くそ、餓鬼はいいなあ」
「あんたねえ……」

 ぐすぐすと涙目で指を咥えていて、しっかりとフラウに呆れられている、でか戦士ミドー。女よりも仕事しな。金は払ったんだからよ(領主様が)。

 こうして俺は、ふかふか巨乳と、しばしの別れを告げ、村へ護送されることになった。冒険者チームによる護衛付きとはVIP待遇だね。俺はマリアと手を繋ぎ、会話しながらの旅路だ。

「ねえ、マリア。ゴブリン達は一体どうしちゃったのかな」

「さあ、ただあちこちで精霊がざわめいている。よくない事が起こるかもしれないね。お前も心しておくといいよ」

「えー、やだなあ。荒事は冒険者さんにお任せしたいですね。命あっての物種ですわ。ぼかあ、ただの二歳の子供なんで」

「よく言うよ。今のところ、この村でゴブリンをぶっ殺したのは、お前だけなんだからな」
「そういや、そうだった!」

 だってあれはトイレを覗かれたんだから仕方がないよな。俺は手に入れたシーフのスキルでゴブリンの気配を探ってみたが、何も感じないので首を捻っていた。

 叔父さんと彼ら冒険者チームの気配はよくわかるのだが。マリアだけは、俺が何をやっているのかよくわかっているのでニコニコして見ている。

「おや、どうしたんだい」
 すごすごと帰ってくる俺達を村長が見咎めた。

「いや、様子がおかしいんで帰されちゃった。ゴブリンのゴの字もないんだ。叔父さんは向こうのチームと一緒に森を回っているよ」

「そうかね。じゃあ仕方がないな」
 そう言って、彼はまた村の巡回に戻っていった。リーダーのアネッサもそれについていった。

「アイサ、引き続き警戒を頼むわ。私はこの可愛い森の番人と少しお話を」
 アイサは頷いた。

「ストーガはアイサの護衛を。アイリーンは万が一の際の反撃に備えていてちょうだい。アンソニー。もしゴブリンが森以外から攻めてくるなら、どこから?」

 俺はニヤリと笑って、言ってやった。
「そこの畑が並んでいるあたりをずっと行くと、断崖絶壁になっている。春になると美味しい野草が生えるし、いろんな薬草もよく生える。迂回してきたゴブリンがいれば、そこを登ってくる可能性が高い。

 だが、それは多分あのエバンスもアイサも見逃さないとは思うんだけど。だいたい、アイリーンがいるんだ。魔法で全部撃ち落とせるはずだしね」

「だそうだから、みんな、よろしくね」
「アイマム」
「へーい」
「頑張ります」
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