DNAにセーブ&ロード 【前世は散々でしたが、他人のDNAからスキルを集めて、今度こそ女の子を幸せにしてみせます】

緋色優希

文字の大きさ
61 / 66
第二章 王都へ

2-8 まずは朝飯から

しおりを挟む
 伯爵の家の高級ベッドと布団のお蔭で、素晴らしい熟睡を得た。できれば、このベッドを持って帰りたいくらいのものだ。

 街で買ってくれないか、強請ってみてもいいが、さすがに無理かな。同衾していたのが、寝相の悪いミョンデ姉なので寝相が二人とも大変な事になっていたのだが。

 まあ俺の方が寝相は悪いんだけどね。こればっかりは歳なりのものなので仕方がないのさ。年を取ると、寝返りなんて打つ元気もなくなるから。

 朝の目覚めにミョンデ姉の足が顔の上にあったのが最悪だったが!
 もっとも夜中に何度も布団をかけ直されていたようで、うっすらと記憶の端にあった。

 ミョンデ姉なんか気がついてもいないだろう。ゴブリンが攻めてきていても起きないくらい、我が家の爆睡女王だからな。

 やはり、貴族のお屋敷なのでお風呂がしっかりと完備だったのも熟睡の原因の一つだが、まあ幼児があれだけたらふく食えばなあ。

 やっぱりメイドさんに2人ともしっかりと洗われてしまった。なんといっても、今日は王様に会いに行く日だからな。

 そして朝御飯の時間だ。
「おはようございます」

「おはよう。一番乗りだな、アンソニー。呼びにやるまで待っていてもよいのだが」
「いやあ、朝御飯が待ちきれなくって」

「まったく。夕べ、あれだけ食べておきながら、よく入るものだな」
「ふふ、おかげで一センチほど背が伸びましたよ」

「本当か⁉」
「あはは、嘘ですよ。さすがにそこまでは。人間というものは、朝になると身長が少し伸びているものなのですよ。夕方には縮むのです。体の重みがかかりますからね。嘘だと思ったら、朝晩毎日測ってごらんなさい」

「またよく、そんな事を知っているものだな。あまり妙な言動で国王陛下を驚かせんでくれよ」
「その辺は、努力目標といたしましょう」

 伯爵家の人達は皆、非常に早起きで、俺達が待ち切れなそうだったので早めの朝御飯となった。

「皆さん、お早いですね」
「お前らこそ、子供のくせに早いな」

「農民の子にございますれば」
「そういや、そうだったな。いや、お前があまりに大人びているので時々忘れそうになるのだが」

 嫌だな、伯爵。朝御飯が楽しみなのでなかったら二度寝するに決まっているじゃないか。特にミョンデ姉が。

 ミョンデ姉の方が待ち切れないご様子だが。これで家に帰ったら、食事に我慢できるのかね。俺も自分が美味い物を食いたいので頑張るつもりなのだが。

 普通はお姉さまが御飯を作ってくれるものだぜ。ばあやに料理を躾けさせるか。あ、料理をばあやに頼む手もあるな。ここで手に入れたスキルもさっそく渡しておこう。

 あるいは、料理専門のメイジを設定するのもありか。彼らも荒事なんかが専門っていうわけじゃあないのだ。特にスキル交換の能力を持つ主と組んでいる奴らはね。俺の力は単なるスキルコピーとは異なる能力なのさ。

 そして朝御飯は、しっかりと堪能した。
 サラダにスープに朝も前菜が出る。料理も軽めだが、しっかりとした物が出る。そのあたりの量の少なさは、お替りの回数でカバーしておいた。

「お前は、本当に朝からよく食うな」
「恐縮です」

「本当に気持ちのいい食べっぷりねえ」
 俺の食べっぷりに、お嬢さんのカタリナさんが感心してくれる。

「これだけ食べられるのは子供の特権ですから」
 いや、これも嘘。俺の消化吸収力は、組み込んだDNAデータに基づいているのだ。そう簡単には食欲は収まらない。

 全ては肉体構成と体力に変換されていく。燃費が悪いのが玉に瑕だ。まあ、一番美味しいのは、食う物全てが肉になっていくような、今のうちなのは知っているのだが。

 だから、余計に食う事には執着しているのだ。丼飯なら何倍いけるだろうか。おっぱいとの別れは悲しかった。今回は思いっきりいかせてもらおう。

 まあ、おっぱいも人の四倍は飲んだのだがな。妹の分がちゃんと残っているかしら。後の子の事は考えていなかったわあ。

 母親の乳の出が悪いようだったら、責任持って乳母さんを探してこよう!
 お金も稼がなくっちゃあな。この王都で何か伝手が見つけられるといいんだが。

 前世の知識とか何か切り売りできるものがないかねえ。何かビジネスをするのは、いろいろ無理があるからな。たたき売りが一番賢そうだ。

 そんな事を考えていたら、メイドさんがやってきて言った。
「さあ、僕達。お着替えの時間ですよ。王宮へ行くのですから、しっかりおめかししないとね!」

 おー、ちょっと洒落込むとしようかな。ウサギコーデ以外では初めてのお洒落だ。何せ、農村だからねえ。町へもこの前初めて行ったばかりだし。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!

克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。 アルファポリスオンリー

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...