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ピッティ

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「おう、拓斗!」
恐らく同い年であろう(年を聞くのはなぜか違う気がした)この少年は中村拓斗、俺は拓斗と読んでいる。ここに来るまでのあの過酷な山道で必然的に並んで歩くことになり、少し話してそのまま名前で呼ぶまでの仲になった、俺にとって貴重な友達だ。
「一輝!お前もか!」
そして今さらだが俺の名前は神崎一輝、今年で15歳だ。ここに来てる子供たちも同じくらいのように見えるが実際一歳違いなども多いのだろう。

拓斗という話ができるやつがいることが緊張していた俺の心を少し軽くしてくれた。

「おいお前ら、今から寮に行くぞ。ついてこい。」
この山道を毎日行き来出るわけ無く全寮制であり、主に隣の校舎に詰め込まれている。それでも他のものも考えて二人で一部屋、もちろん男女別だ。
──誰と同じ部屋になるんだろうか。


ドキドキしてドアを開けた俺の第一声はこれだった。
「またお前か。」
まるで自分だけの部屋かのように床に寝転がり俺を待ち構えていたのは拓斗だった。
「こっちの台詞だ、縁強すぎるだろ!」
大きな肩透かしを食らったような感じだったがヤバいやつではないので良しとしよう。
「改めてよろしく。」
「ああ、仲良くしようぜ。」
悪いことではないし気まずくなることはないからいい方なのだろう。
「そんなことより、ちょっと隣の部屋見に行こうぜ!!」
拓斗が楽しそうに言った。
──あー、そうきたかー
「普通に嫌なんだけど。一人で行っ…」
「まあそう言うなよ!!行くぞ!」
ガシッと俺の他より少し細い手首を握り無理矢理に部屋から連れ出した。
──話できる子のはずだったのになー。


「ちょっと待て。隣の部屋って女子だったよう…」
「まあ行ってみようぜ。」
まるで聞く耳を持たない。
──あとでどうなっても知らないからな
コンコンコン。
まずノック。すると
「は~い。」
女子だった。普通に女子だった。
明らかにさっき俺の話を聞いてなかった拓斗が急に慌て出した。
「おい!女子だ!おい」
──今更慌てるんじゃないよ、俺は言ったぞ。
なんて声はかるーく無視された。
拓斗はやけに爽やかな笑顔を作り振り向いて、
「一輝、俺はお前を信じてるぜ。任せた!!」
と言った。
──は…
「待て待て待て!!。何丸投げしてんだよ!。ふざけるなお前の仕事だ」
「一輝、後ろを見てみろ、な。」
──後ろってただのドアだろ…
ゆっくり後ろを振り向くと 
ガチャリ…
──ヤバイ出てきた!
「お前逃げ…」
──るなよ!
そう思って振り向いて言うが拓斗は既に自分の部屋さえも通りすぎ廊下の角からこっちを覗いていた。
──…、あいつはもういい
(お前なら出来る!お前なら出来るぞ!!)
興味津々な視線と全く役に立たない念送ってくる。
「ちょっと、なにか用ですか?」
完全に開いたドアから少し不機嫌そうな声が響いた。
──あー、逃げたい。
「あ、あのですね。、これはその、隣の部屋の神崎とえー、あれが中村です。よ、よろしくお願いします。」
どもる、超どもる。これまでの女子との会話の少なさを暴露してしまった俺は惨めな気分でいっぱいになった。
いや、こればかりは避けられないことなのだ。自慢ではないが女子となんて数えるほどしか会話していない。
「あっああ、どうも、青木と谷岡です。」
──ああ、ひかれたな…
顔を見せないのはあまりに失礼なので急いで振り向くとそこには美人がいた。見たことが無いような…
――いやまてよ、この美人はどっかで見たような…。
「あっ!!」
「あっ!!あのときの!」
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