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1 ドワーフ畑開拓編

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パメラさんから、小屋と養蜂を持ってきて貰った。鶏は リヤカーで運んできてくれた。小屋の二つも設置してくれた。パメラさんが庭の畑を見て、「緑魔法 土魔法をお持ちですか?」と聞いてきたのでうなずいておく。

庭の畑はやはり異常な成長だそうだ。一生懸命育てていると、収穫も何度も出来たので、面白いほど収穫していく。

森に行くと、木の実 薬草を取っていく。すると、熊がいた。

腕から血を流しているが、熊が今まさに腕にかみついている蛇を殺そうとしていた。蛇がその場で、首を引きちぎられ血しぶきを上げて死んでいく。熊を見るとヨロヨロしてその場にへたり込んだ。

鑑定をすると、『毒 麻痺 命の危険あり ドクド茸で異常を回復出来る』とあったので。

熊に「何もしない?」と聞くと「ヴァアア」と唸られた。仕方ないので転がって引きちぎられている蛇を回収して鞄にしまっていく。

熊を支えながら、出来たばかりの小屋に寝かせる。熊にドクド茸を渡すと、茸を見て考えこんでいる。その間に洗浄魔法で体を綺麗にし、腕の傷には軟膏を塗っておく。


まだ眺めているので、ドクド茸を丸ごと口に入れてあげる。熊も驚いているが、そのまま租借してくれたので、頭を撫でてあげる。鶏用の藁を熊のために引いてあげて、そこに寝るように話す。

すると熊も疲れていたのか、そのままわらのベットに寝転んで寝始めた。熊を鑑定すると『解毒中 命に別状無し』と出たので、そのまま小屋を後にする。

くまが戦闘していた、蛇を鞄からだし。鑑定をかける。『肉 最上級の肉 疲労回復 牙 皮ともに高級材料』と書かれていた。肉を見てみると家事魔法が発動し、捌くのがあっという間になった。


肉と牙 皮に分けておく、肉は保存食 燻製などにして臭みを取っていく。このまま置いておくと、腐ってしまうので地下の貯蔵庫に置きに行く。その時に、手作り味噌を壺に少し入れ、お肉を豚汁風味にしてあげる。


豚汁では無く 蛇汁だが。熊の様子を見に行くと、体が熱いので、額にタオルを置き冷やしてあげる。


家の中から、ブランケットを取りだし、熊の横で寝る。何かあればすぐに起き上がれるから、一緒に寝てあげる。熊の背中にくっついて寝てると、毛が固いがモフモフしてるので幸せな気分だ。


朝起きると、熊はまだ寝ていた。雄か雌か気になったので、少しだけ除いてみる。うん。雄だ。なら熊吉だな。熊吉も ボーッとしているが、何があったか考えていた。今のは夢だよと話し。お布団を掛けておく。

私の朝は水やり 保存食作り 時々森に採取で、一日が終わる。今は熊吉のお世話もはいる。


熊の手当てをしたりして、5日経ったとき、熊が起きてきた。


慌てて小屋に行くと、ボーッとしてる熊がいるので「熊吉。よく寝てたね。蛇の戦いから、5日経ったんだよ。」ぐーーーーーーーーーと凄いお腹の音がしたので、熊吉が取ってきていた。蛇肉のスープをだす。

「お腹が空いてると思うけど、いきなりはお腹壊すからスープからね。この蛇肉は、熊吉のだよ。皮と牙は返しとくね。」と渡しておく。スープを飲み干すとまだ欲しそうなので、お皿にスープを盛ろうとすると、鍋を抱えて食べてしまった。この食べっぷり、どこかの誰かさんを思い出す。


熊吉が頭を下げて、家から出て行くので、またおいでと話す。熊吉の後ろ姿が見えなくなるまで、森を見つめていた。寂しくなるな・・・・・

ーーーーーーーーーディグルドーーーーーーーー

怪しい探査魔法を使う坊主の家周りを調べていると、坊主を食べようとするサーペントがいた。


向こうも俺に気がついたのか、襲ってきた。獣化し2匹は倒したが、とんだ伏兵がいた。腕を噛まれ毒を流し込まれる。この毒は猛毒で、速めに処理をしないと死だ。

蛇を殺したまでは良いが、毒の回りが早く、もう駄目だと思った瞬間、坊主が俺に近づいてきた。俺に何もしないか聞いてきたので、抗議の声を上げようとするが、動物みたいに唸ることしか出来なかった。

坊主に支えられながら、小屋に連れて行かれ。もう、毒が回ってきてる。そう思い死を感じると、口にドグド茸を放り込まれた。驚く。


この茸ならばサーペントの毒にも打ち勝つが、この色 大きさ形は高価で手に入らない程の品だ。手に持ち考えていると、再度口に放り込まれた。租借していくと、体の毒が徐々に消えていく感じがした。


その毒を打ち消すように、体中の熱が上がる。藁のベットを作ってくれたので、礼を言いそこに寝転ぶ。すると頭をなでて、どこかに坊主が消えていった。熱にうなされていると、頭を何度もなでられて、背中を優しくさすられてる夢を見た。ゆっくり後ろを向くと、優しく俺をなでてる坊主がいた。


頭のタオルも 何度も取り替えてくれていたのだろう。微笑まれた、その顔がとてもいとおしく感じた。だが、坊主だ。男に興味は無い。女ならただの性欲処理に出来る。


坊主が女でも、そんな感じはしない。ずっと、夢うつつだったのが、4日の晩にやっと頭も体も動き出した。俺の背中にくっついて眠る坊主が、時々泣いている。寝言でごめんなさい。・・・様と言ってるのが分かるが、その先は聞こえない。


その坊主を抱きしめて眠るのが、ここ最近の俺だ。坊主も抱きしめてやると落ち着くのか、抱きついてくる。そのまま眠る。

5日目になり。目が覚め、体も動くようになった。坊主に礼を言おうとすると、うれしそうに駆けつけてきて名前を呼ばれた。「熊吉」?????熊吉って俺のことか、言葉を出そうとすると、俺のことを獣人と思っていないのか?坊主の行動に不思議に思うが、ぐーっと腹が鳴る。うれしそうに肉のスープを皿に盛ってくれたが、フォークもスプーンもねえ。ああ。こいつ 勘違いしてる。名を名乗ろりスプーンを貰おうとすると、熊吉熊吉となでてくれるので、黙ってる。すると。

「熊吉って 雄だよね。」ハッこいつ何言ってんだと当たり前だろと思っていたら、「雄か雌か分からなくって。除いちゃった。雄だから熊吉にしたの。でね裏の森に雌がいるの。お嫁さんにどうかな?」と紹介までしてきた。


いやいや首を振ると、がっかりしている。子供が出来たら抱っこしたかったとか話された。

そういえば夢で寝てる俺の股ぐらを除いてたな。あれって夢じゃ無かったのか?あまりの行動に絶句している。嫌々お前、寝てる間に何除いてんだ。そこまで無防備になった俺も悪いが、ショックで固まった。


腹が立ち坊主のスープの鍋を取り上げ、全て飲み干す。笑ってやがるが、助けて貰った坊主じゃなかったら、ぶっ殺してる。普通 男が男の股を除くか?もう、呆れて物が言えず。

今さら 獣人です。なんて言えない。熊の格好のまま立ち上がる。リアムが心配しているだろう。それに坊主のことを調べていたのに消えたら、坊主に矛先が向かう。「グウウウウ」唸って家から出て行く。坊主が心配してくるが、頭を下げて門から出て行く。

獣化を解いて、坊主に礼を言う勇気が無い。すると坊主が「またおいで。ご飯用意しておくね。お家にも入れるようにして置くから。熊吉またね。家族によろしくね」と頭をなでてきた。


そのまま、振り返らずに、森に行き。

坊主の気配が無いのを見て、森で叫びそうになる(はーーーーーー。股除くって。何だよ。雄か雌かなんか股除かなくても分かるだろう。アホか。股除くって。獣人て分からないのかよ。

雌の獣を紹介するなんて、種族 しかも動物と一緒にするなんて・・・獣化のまま町に疲労困憊で帰ったが、誰一人として、獣人と分からない奴がいない。あの坊主、どんな教育を受けてるんだ。

部屋に入り獣化を解き、服に着替えていると、リアムの奴が「娼館に行って来たのですか?全く仕事は?」と説教してきた。

「坊主が探査魔法を使っていた。お前に会いたくない為だけにな。商業で登録してる。白だな。5日いたが動きは無かった」と話すと眉間にしわを寄せた。「それだけのためですか?」と呆れてる。

そのまま冒険者ギルドに報告し。坊主の話は終わった。その夜は、強いドワーフ産の酒を飲み。坊主の股発言を忘れたかった。






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