異世界ボタンのその先に・・小話 スローライフ編

2 養蜂と熊吉

養蜂の巣箱が出来たので、森の蜂にお願いに行く。蜂の巣の前に行くと、女王蜂と兵隊蜂が前に出てきた。兵隊蜂は、槍を持ってその穂先が、凄くとがってる。鑑定をかけると、『毒　麻痺　幻惑』とそれぞれの槍の先で、効果が違うみたいです。

花を見せ、畑のために来て欲しい旨をお願いする。年中ドームで守られているから、そこまで生活は厳しくないと思う。など一生懸命話す。すると女王が、兵に命じ私と一緒に畑　家の周りを案内する。

花々のことを説明して回る。
時々　花の蜜を吸いながら、あちらこちらフラフラしているので、気長に待つと、一匹の兵が森に消えていった。
そして　巣箱を槍で差し果物の畑の近くでクルクル回ったのでそこに巣箱を置いておく。

引っ越ししてくれるみたいで、これで蜂蜜ただで食べられる。と喜んだが、その後女王は容赦なかった。此所にこの木と言われて、あちらこちらに木を植えさせられ。

さらには4本の木の真ん中に、巣箱を置かせて貰い。木の下には花々が植えさせられた。花も雑草のごとく強い品種を植えておく。

女王を見ると、そのまま巣箱に帰っていった。兵達はまだまだと言わんばかりに、槍をこちらに向けてくる。

木の柵を用意して、木と花の周りを囲む。ここから入れば刺す。と言われたので、蜂蜜を貰うときはどうすれば良いのかと思ったが、瓶を置いておくとその中に蜜を入れてくれるそうなので、頭を下げてお願いしておく。巣箱の周りは、蜂の兵が、飛び回ってるので、家の物達には手出ししないようお願いしてその場を去る。

翌日は蜂蜜を貰いに行く。ついでに水を撒き、瓶の取り替えをして、女王蜂に頭を下げ。いかにこの蜂蜜が素晴らしいか　大切にいただいて感謝してますと、話してやっと蜂蜜をいただける。面倒くさいです。でもこの感謝が無ければ、機嫌が悪くなり蜂蜜も貰えないので、毎日感謝を伝えに行く。

雨の日も風の日も、一日でも休めば1週間ほど、蜂蜜もいただけなくなり、土下座でお願いするはめになる。私の努力の結晶です。

蜂蜜がだいぶんたまったので、念願の蜂蜜料理を作る。パウンドケーキ　カップケーキ　蒸しパン　リンゴ　シフォン　クッキー　チーズケーキを沢山焼いておく。豆の家の前にケーキを置くと、豆が散歩から帰ったらケーキも無かった。ケーキと蜂蜜も貯蔵庫において。冬に備えます。

米は安く手に入るのでそれほど心配しなくって良いから、楽だった。米を大量に買ったら、町の人に「何の動物を買ったらその量になるんだ？」と聞かれたが。

「冬の貯蓄用と非常用」と話した。不思議な顔をされたが、米さえあれば、何とかしのげます。熊吉はあれから来なくなった・・・・あの体調のまま大丈夫なのか心配だが、熊吉をもっと触れば良かった。

夜になり外で、鉄板をだし。焼きそばとお好み焼き　焼きおにぎりを焼いていると、家の前に熊吉が現れた。口に何かぶら下げてるので、駆けつけると、皮の袋からお金が出てきた。

「熊吉？体　良くなったんだね。これは飼い主さんに言われたの？もう良いんだよ。蛇のお肉をいただいてるから。あれで十分なの。ありがとう」と熊吉を抱きしめる。ああー。お腹の毛や首　胸毛はなんて、柔らかいのでしょう。

夢中になり触ってると「ヴァアアア」と怒りの声が出た。仕方ないので、名残惜しいが熊吉から離れる。お好み焼きと焼きそば　焼きおにぎりとそして　今日できたばかりのクッキーとパウンドケーキを持たしてあげる。それと熊吉が刈った蛇の牙と皮も入れて「ご主人様によろしくね。」と話すとカゴを加えて森に消えて行った。

久しぶりに見た熊吉は、毛艶も良さそうでよく手入れされてたのでよかった。私も残りのご飯を食べ、後片付けをし眠りにつく。

ーーーーーーーーーディグルドーーーーーー

あの　坊主。やっぱり俺を獣人では無く、獣として見ていやがった。

何が飼い主だ。俺に飼い主なんて居るわけあるか。あの坊主しかも、俺の腹　胸　首などをなで回しやがって、今までの女でもさせなかった。何も言わず当たり前のように触りに来やがる。腹が立つ。

坊主がくれたドグド茸はレア級だ。金を払いに行ったら、要らないだと・・・金に困ってそうだから、払いに行ったのに・・何が、無事で良かっただ。むかつくガキだ。カゴの中身を見ると、見たことも無い料理が入っていた。宿に帰り。獣化を解く。

宿の酒場に酒を買いに行く。すると女どもが群がって来やがった。女どもを適当にあしらい、部屋に帰る。坊主がくれた料理を食べながら一杯。

すると　何だこの味？今まで食べたことの無い味だ。あっという間に食い尽くした。

坊主のケーキも甘さがしつこくないが、この蜂蜜　戦闘蜂の蜜じゃ無いか？数で襲ってくるから、危険で人数が居る採取の依頼だ。

この戦闘蜂の蜂蜜を余り取りに行く者が居ない。あの坊主。わざわざ取りに行ったのか？弱いんだか、何だかわからねえ。ガキだ。

いつしか　俺は、坊主の料理を目当てに、坊主の家に行く事になる。

その時はうれしそうに、俺に駆けつけ目一杯俺を抱きしめる坊主。いつしか　この町にいる間は、坊主を膝に乗せ。坊主の家の小屋で一緒に寝るようになった。俺をうれしそうに抱きしめて、眠る坊主にほだされ始める。