優しさの雫

Simon

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バイト先を探して

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僕はケータイを買うために
バイト先を探そうとした。

しかし、働いたことのない僕にとっては
何をすればいいのかわからない。

そこで母に聞くことにした。

「飲食店はどう?
皿洗いとか料理の手伝いとか裏方の仕事もあるし」

確かに初めから接客なんて無理だし
裏方ならと思った。

その時、僕はあの喫茶店が頭に浮かんだ!

人も少なそうだし
そんなに忙しくないはず。

「ちょっと心当たりがあるから出かけてくる!」

僕が急に立ち上がると
母は一瞬目を丸くして驚いたが

「いってらっしゃい」

と優しく送り出してくれた。


僕はあの喫茶店目掛けて
勢いよく自転車を漕ぎ出した!

喫茶店が近づくにつれ
少しずつ緊張も高まっていった。

しかし、その緊張は
だんだんと不安へと変わっていった。

なぜなら、喫茶店が見つからないのだ。

探しても探して無い。

間違えてしまったのか
いや、そんなことはない!

僕は道を覚えるのが得意で
1度行ったことがあるところは
だいたい覚えている。

なのに見つからない。

その日は諦めて帰ることにした。


帰ると母が

「どうだった?」

不安そうに尋ねてきた。

「お店見つからなかった」

母は不思議そうな顔をした。

「他にもいろいろ見てみたら?
他にもたくさんあるんだし」

確かにそうだ!
見つからないのはしょうがない!

早くケータイも欲しいし
僕は他を探すことにした。
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