飛んで火に入る火取蟲

白樫 猫

文字の大きさ
5 / 50
火を恋う青蛾は焔に焼かれ

5話

しおりを挟む
決して華奢ではない工藤の身体を引き寄せると、自分の膝の上に跨ぐように乗せ、掛けている眼鏡を外しテーブルに置く。
自分の手中に収めた工藤の身体を感じ、獅道の胸の奥から沸々と湧き上がる欲情が、自分の躰を熱くさせていた。
そして、その手で工藤の頬に触れ、ゆっくりと目を閉じた工藤の唇に自分の唇が触れるや否や、まるで堰き止めたダムが決壊するように、奥深くまで激しく口内を貪る。
獅道の舌が荒々しく侵入し、それを受け入れていく工藤には、もう止める事は出来なかった。

「‥‥んっ‥ぁ‥‥」

乱暴にシャツを剥ぎ取られ、ツンと尖った胸に触れ、何度も摘まみ上げられ弾かれる。
忘れていた欲情が工藤の中にも湧き上がり、縋る様に背に回した手が獅道のシャツを握り締める。
そして獅道の手が工藤のベルトをカチャカチャと外し、スラックスの前を開くと熱を持ち始めている工藤の中心を布越しにゆっくりと扱き始める。

「‥ああっ‥あっ‥」

性急すぎて頭がおかしくなりそうだった。
獅道の舌が工藤の耳朶を舐めまわし、仰け反り露になった白い首を舌で舐め上げる。
工藤の中心と同時に責め立てられ、無意識に腰がゆらゆらと動いてしまう。
その様子に気が付いた獅道が、工藤の身体を抱えたまま立ち上がり、ゆっくりとソファに座らせると、素早くスラックスと下着を剥ぎ取った。
ブルンと弾むように立ち上がるそれが出てくると、今度はスラリとした足を大きく広げた。

「‥綺麗だ‥‥お前は‥全然変わってない」

工藤の下肢を広げ、他人には絶対に晒さないであろう場所までが露になり、工藤は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆う。
その様子に工藤はクスッと笑うと、用意していたジェルを露になった小さな窄まりにダラリと垂らす。
冷たいジェルが敏感な部分に落ち、ヒッと工藤の口から声が漏れると、口角を上げた獅道の指が固く閉じられている部分に優しく触れていく。
周りから優しく触れ、徐々に中心へと指を這わし、柔らかくなったところでプスリと指を侵入させた。

「‥‥んっぁ‥‥はぁ‥‥」

痛みがあるのか分からないが、嫌がっていない事は獅道にも分かっていた。
急ぐことなく優しく中まで柔らかくした蕾は、獅道の指を受け入れクチュクチュと卑猥な音を立て始める。
工藤は荒い息を殺すように自分の顔を腕で隠している。
指が2本に増やされたところで、獅道の指が奥の最も敏感な部分に触れたのか、白い体がビクンと震え撓りを作る。

「‥ああっ‥‥そこっ‥‥いっ‥や‥ぁ‥」

何度も執拗に触れられ、腰が揺れる。
工藤の中心からは、蜜が滴り筋を通り窄まりの方へと流れ落ちる。

「‥はぁっ‥いい‥もう、いれて‥ぁ‥」

完全に立ち上がった中心は刺激を求めプルプルと震え、指を入れている場所はヒクヒクと物欲しそうにひくついている。
獅道は指を抜くと、自分のベルトを外しスラックスの前を開き、そこから自分の雄々しく立ち上がったモノを取り出した。
その時、工藤の視線もそれを捉え、血管が浮きはち切れそうなその大きさに息を呑んだ。
ゆっくりと工藤を起き上がらせると、ソファに座った自分の上に再び工藤を跨がせるように乗せた。
そして自身の固く大きな肉棒を工藤のグズグズに熟している入り口に宛がう。

「‥直樹‥腰を落とせ」

抱き寄せられ耳元で囁かれる熱情を含んだ声に、背筋がゾワッとする。
ゴクリと喉を鳴らした工藤の腰を、獅道の手が支えるように抑えている。
まるで自滅しろと言わんばかりのその光景に、工藤は観念したようにゆっくと腰を落としていく。
ブスブスと音がして、ピンと張りつめたあそこに獅道の雄が入り込んでいく。

「‥‥んぁっ‥む‥り‥はぁ‥‥」

獅道のせり出す先端の部分を入れただけで、これ以上、腰を落とすと自分が壊れてしまうとの恐怖に、口から弱音が吐かれる。

「力を抜け」

獅道の手が工藤の雄を扱き上げ、唇で胸の立ち上がった突起をザラリと舐め上げる。
ゾクゾクと腰から来る熱で、工藤は無意識に腰を動かしていた。

「ああっ‥っ‥あああっ‥‥」

獅道の手に力が入り、グンと腰を抑え込まれた。
勢いがつき内壁を抉る様に獅道の熱が中までビッシリと埋まる。

「ほら‥入ったぞ」

呼吸も荒く嬉しそうな獅道に、工藤が唇を奪う。
クチュリと唾液の音がして、絡み合った舌が互いの唇から覗き、上顎に獅道の厚みのある舌がザワリと触れると、頭の奥に快楽が走る。
ゆるゆると腰を動かし暫く馴染ませると、獅道はいきなりズンと腰を打ち付けてきた。

「ああっ‥はんぁ‥あっ‥」

何度も突き上げられ、快楽を追う事で頭がいっぱいになる。

「‥直樹‥‥愛してる」
「‥ああっ‥あああっ‥‥んぁ‥‥あっ‥」

耳元で囁かれた言葉が、工藤に届いた時、その中心から精を放った。
全身に快楽が走り抜けビクビクと躰が震える。
それでもなお、獅道は律動を止める事無く、互いの触れている部分がグチャグチャと大きく音を出し、一度絶頂に達した工藤の躰は敏感に反応し、魂が抜けてしまいそうな感覚に、己が怖くなり獅道にしがみ付く。

「だめ‥あっ‥いいっ‥ああっ‥」

まだ獅道は達しておらず、工藤の中に入れたままの状態で、おもむろに律動を止めると、獅道は携帯を手に持つと、電話を掛ける。
相手がすぐに出たようで、話し始めた。

「俺だ‥今、出て行った。‥ああ、後は頼む」

それだけ伝えると、獅道は電話を切りソファに放り投げた。
工藤は耳元でその言葉を聞き、熱を持った頭が一気に冷静に戻ってきた。
ああ、この自分の醜い姿を、響が見たのだと胸が苦しくなり、工藤は未だに中に入っているままの獅道の雄を抜こうと、躰を捩った。
だが、工藤を掴んだ腕は力を込めても剥がれなかった。

「‥もう、終わりでいいでしょ?」

冷静になった工藤が冷たい声で促すように話すと、視界がグワッと反転する。
獅道が雄を入れたまま、工藤をソファに押し付けた。

「‥んぁ‥あっ‥抜いて、下さい」

ちょうど角度が、工藤の前立腺に当たり、中心が再び熱を持ち始めている。
それでも今は自分の欲を吐き出すことを考える事など出来なかった。

「ダメだ‥直樹、お前は‥俺の傍に居ろ」

この男の傍に10年以上も一緒にいるが、そんな言葉は初めて聞く。
工藤は自分の耳を疑うが、それでも嬉しいという気持ちの方が勝ってしまう。

「‥‥響さんが‥」
「‥あいつの事は、もう考えなくていいから‥俺の事だけを見ろ」

その言葉を聞いた時、工藤の目から涙が零れ落ちた。
その涙に自分自身が気が付いて、それが何年も自分が待ち焦がれていた言葉だと、ようやく気が付いた。

「‥泣くな、直樹」

優しく瞳に口づけされ微笑んだ工藤に、獅道の雄はグンと重量を増した。

「‥‥ぁっ‥獅道‥‥ああっ‥‥んぁっ‥」

再び始まった律動が奥深くまで届き、互いに求め合った二人が達するのはあまりにも早かった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鬼の愛人

のらねことすていぬ
BL
ヤクザの組長の息子である俺は、ずっと護衛かつ教育係だった逆原に恋をしていた。だが男である俺に彼は見向きもしようとしない。しかも彼は近々出世して教育係から外れてしまうらしい。叶わない恋心に苦しくなった俺は、ある日計画を企てて……。ヤクザ若頭×跡取り

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

久しぶりの発情期に大好きな番と一緒にいるΩ

いち
BL
Ωの丞(たすく)は、自分の番であるαの かじとのことが大好き。 いつものように晩御飯を作りながら、かじとを待っていたある日、丞にヒートの症状が…周期をかじとに把握されているため、万全の用意をされるが恥ずかしさから否定的にな。しかし丞の症状は止まらなくなってしまう。Ωがよしよしされる短編です。 ※pixivにも同様の作品を掲載しています

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...