1 / 8
記録 01
あゆま
しおりを挟む
この世界は、あゆまにとって残酷でとても冷たかった。
生まれた瞬間から、その存在を許されない世界だったからだ。
悪魔と契約した人間は、力を得たことに酔い、何をしても許されると天狗になる。
その最たる存在が、死龍天魔という男だった。
彼は「奴僕の魔」と呼ばれる人間や悪魔たちを集め、奴隷として人間と契約させる。
まるでこの世の魔王にでもなったかのように振る舞い、世界に君臨していた。
そんな世界で、神と悪魔の間に子が生まれたという。
悪魔と神…いわゆるハーフだ。
「どうしましょう…このままだと差別を受けてしまうわ…あぁ愛しい我が子…」
母は、そっと我が子の指を握った。
「神三、悪魔七…いっその事分離させるのはどうだ」
「…そうね。でも、名前はひとつしか決めてないの…」
あゆま
そう呼ばれた2人の赤子はケタケタと無邪気に笑っていた。
天より降りた視線が、ひとりの少女を捉えた。
「ほう…こやつが例の…」
少女の前に、一人の男が姿を表した。
死龍天魔だ。
「見るからに弱そうだ。却下」
「で、ですが天魔様…こいつは悪魔七割の割合でかなり腕がたちます…年齢は確かに幼いですが役に立つかと…」
「ふーん」
少女をしばし見定めると男は立ち去った。
その夜、リビングから両親の言い争う声が響き、あゆまは目を覚ました。
「もう限界なのよ!分離したおかげであの子がイタズラばかりして言うことも聞かない…!天使のあゆまがどれだけ可愛いか…私はあの子をこれ以上愛せない…!見捨てるわ!」
「何言ってるんだ!見捨てたらそのまま奴隷にされるぞ!あいつになに言われたか知らんが考えを改めてくれ!」
何を言い争っているのか、少女には分からなかった。
それでも、胸の奥がひどく痛んだ。
その日からあゆまという名を呼ばれなくなってしまった。
「よく来たな。五十番」
生まれた瞬間から、その存在を許されない世界だったからだ。
悪魔と契約した人間は、力を得たことに酔い、何をしても許されると天狗になる。
その最たる存在が、死龍天魔という男だった。
彼は「奴僕の魔」と呼ばれる人間や悪魔たちを集め、奴隷として人間と契約させる。
まるでこの世の魔王にでもなったかのように振る舞い、世界に君臨していた。
そんな世界で、神と悪魔の間に子が生まれたという。
悪魔と神…いわゆるハーフだ。
「どうしましょう…このままだと差別を受けてしまうわ…あぁ愛しい我が子…」
母は、そっと我が子の指を握った。
「神三、悪魔七…いっその事分離させるのはどうだ」
「…そうね。でも、名前はひとつしか決めてないの…」
あゆま
そう呼ばれた2人の赤子はケタケタと無邪気に笑っていた。
天より降りた視線が、ひとりの少女を捉えた。
「ほう…こやつが例の…」
少女の前に、一人の男が姿を表した。
死龍天魔だ。
「見るからに弱そうだ。却下」
「で、ですが天魔様…こいつは悪魔七割の割合でかなり腕がたちます…年齢は確かに幼いですが役に立つかと…」
「ふーん」
少女をしばし見定めると男は立ち去った。
その夜、リビングから両親の言い争う声が響き、あゆまは目を覚ました。
「もう限界なのよ!分離したおかげであの子がイタズラばかりして言うことも聞かない…!天使のあゆまがどれだけ可愛いか…私はあの子をこれ以上愛せない…!見捨てるわ!」
「何言ってるんだ!見捨てたらそのまま奴隷にされるぞ!あいつになに言われたか知らんが考えを改めてくれ!」
何を言い争っているのか、少女には分からなかった。
それでも、胸の奥がひどく痛んだ。
その日からあゆまという名を呼ばれなくなってしまった。
「よく来たな。五十番」
0
あなたにおすすめの小説
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
乙女ゲームは始まらない
まる
ファンタジー
きっとターゲットが王族、高位貴族なら物語ははじまらないのではないのかなと。
基本的にヒロインの子が心の中の独り言を垂れ流してるかんじで言葉使いは乱れていますのでご注意ください。
世界観もなにもふんわりふわふわですのである程度はそういうものとして軽く流しながら読んでいただければ良いなと。
ちょっとだめだなと感じたらそっと閉じてくださいませm(_ _)m
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる