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5章
最終話 それから
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それから数十年後。
王都の街では人間と魔族の子供たちが仲良く走り回っている。
俺はそんな姿を城の部屋からのんびりとみた。
空は澄んでいて、世界はどこに居ても同じ空の下かもしれない。
「シュタルさん。どうしたんですか?」
「リュミエール……」
俺の後ろには、美しく成長したリュミエールが微笑んで立っている。
「子供たち……ですか?」
「ああ、ここまで来るのに……長かったなと思ってな」
「シュタルさんがいてくれたから……ここまでできたんですよ」
「お前のお陰でもある。【最強】だけでは……できない事が多かった気がする」
「それでも、全てのきっかけはシュタルさんが最強だったからです。本当に……最初はどうなるかと思いました。ドラゴンを倒して蘇らせるんですから」
「懐かしいことを覚えているな」
「忘れませんよ……。あなたとの記憶は」
「そうだな……」
そうやって話していると、後ろからあまり変わっていないアストリアが現れた。
「あー! 2人だけはずるいよ! ボクも混ぜてよね!」
「別に仲間外れにしてはいませんよ」
「じゃあ何を話していたの?」
「長いこと来ましたね……という事を話していただけです」
「そう……だね。最初はあんなに他の国から反対されて……戦争になりかけた。でも、そう言ったことを乗り越えて……ここまで来た」
「これからも続けていく。あたし達がやることだろう?」
アストリアの後ろから現れたのは妖艶な姿のヴァニラだ。
「まだまだ人間と魔族の仲は問題ないとは言えない。この国でやっと芽吹き始めただけ。そんな風に語るのはまだまだ早い」
「そう……だな。では……これからも手伝ってもらうぞ?」
「当然だ。魔王であるあたしを屈服させたんだからな? それくらい当然してもらわねば」
「いつまでそのネタは引っ張る積もりなんだ?」
「一生に決まっておろう? もちろん、他の2人には負けんがな?」
「ふふ、シュタルさんの隣は譲りませんよ?」
「ボクだって負けないからね?」
そんな事を話しながら、俺はこれからのことを考える。
まだまだ俺はやらなければならないことがある。
でも、少しくらいは……こうやってゆっくりと……4人でくつろぐことがあってもいいんじゃないのだろうか。
そう思える。
それが終わったら……また、俺は最強だと証明し、他の国にも、魔族との……いや、他にも虐げられている者達を助けていく。
最強の俺がまず動き、それに後の者が付いてくる。
そうやって、世界をより良くしていく。
最強である、俺がそう望むのだから。
FIN
王都の街では人間と魔族の子供たちが仲良く走り回っている。
俺はそんな姿を城の部屋からのんびりとみた。
空は澄んでいて、世界はどこに居ても同じ空の下かもしれない。
「シュタルさん。どうしたんですか?」
「リュミエール……」
俺の後ろには、美しく成長したリュミエールが微笑んで立っている。
「子供たち……ですか?」
「ああ、ここまで来るのに……長かったなと思ってな」
「シュタルさんがいてくれたから……ここまでできたんですよ」
「お前のお陰でもある。【最強】だけでは……できない事が多かった気がする」
「それでも、全てのきっかけはシュタルさんが最強だったからです。本当に……最初はどうなるかと思いました。ドラゴンを倒して蘇らせるんですから」
「懐かしいことを覚えているな」
「忘れませんよ……。あなたとの記憶は」
「そうだな……」
そうやって話していると、後ろからあまり変わっていないアストリアが現れた。
「あー! 2人だけはずるいよ! ボクも混ぜてよね!」
「別に仲間外れにしてはいませんよ」
「じゃあ何を話していたの?」
「長いこと来ましたね……という事を話していただけです」
「そう……だね。最初はあんなに他の国から反対されて……戦争になりかけた。でも、そう言ったことを乗り越えて……ここまで来た」
「これからも続けていく。あたし達がやることだろう?」
アストリアの後ろから現れたのは妖艶な姿のヴァニラだ。
「まだまだ人間と魔族の仲は問題ないとは言えない。この国でやっと芽吹き始めただけ。そんな風に語るのはまだまだ早い」
「そう……だな。では……これからも手伝ってもらうぞ?」
「当然だ。魔王であるあたしを屈服させたんだからな? それくらい当然してもらわねば」
「いつまでそのネタは引っ張る積もりなんだ?」
「一生に決まっておろう? もちろん、他の2人には負けんがな?」
「ふふ、シュタルさんの隣は譲りませんよ?」
「ボクだって負けないからね?」
そんな事を話しながら、俺はこれからのことを考える。
まだまだ俺はやらなければならないことがある。
でも、少しくらいは……こうやってゆっくりと……4人でくつろぐことがあってもいいんじゃないのだろうか。
そう思える。
それが終わったら……また、俺は最強だと証明し、他の国にも、魔族との……いや、他にも虐げられている者達を助けていく。
最強の俺がまず動き、それに後の者が付いてくる。
そうやって、世界をより良くしていく。
最強である、俺がそう望むのだから。
FIN
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