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1章
13話 学園長室へ
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僕は本を読み始めてから、どこに行っても本を持って行くようになった。
授業中は開くのを我慢したけれど、休憩時間になればすぐに開き、食事が終わっても直ぐに開くようにした。
そんな授業を受けて本を読み、食事をして本を読みというずっと本を読んでいる生活をし始めて3日目。
回復魔法の先生である、ピュリー先生に話しかけられた。
「クトー君。この後って授業入っているかしら?」
「この後ですか? 特にないですけど……」
本を読みたいという言葉は飲み込んだ。
「学園長が呼んでいるわ。すぐにでも行って頂戴?」
「あ……分かりました」
そういえば昨日は約束していたスキル検証の日だったはずだ。
完全にすっぽかしてしまっていた。
これは大分叱られるかもしれない。
僕はとぼとぼと歩きながら学園長室まで向かう。
どうせ怒られるのだ、その前に少しくらいは知識を入れておきたい。
他にも不治の病についての共通点や、気になる点をまとめておこうと思ったのだ。
「『赤石病』とか『青渦病』もなんとなくだけど黒蛇病に似ている気がするんだよねぇ……」
本には詳しくは書いていないけれど、これらの病は聖女や歴代の高位神官でも治すことが出来なかったらしい。
「うーん。聖女が治せない病っていうことは何かあるのかな……。そもそも、これって病気だったりするのだろうか……」
筋肉痛の様に、成長することで起きる痛みもあるくらいなのだ。
実は人の体にとっていいもの……の可能性もあるったり……はない。
「これらにかかった人は全員が死ぬ……と書いてあるしな……」
しかも、上で挙げた病を患った人はかなり若い年齢で死ぬと書いてある。
ということは、もしかしたらサナも早い段階で……。
そう考えた所で、僕は首を振る。
「今は考える時じゃない。少しでも勉強して記憶しないと……」
もう一度本に集中する為に食い入るように本を読み始めると、
「ちょっと! 前見て歩きなさいよ!」
前からは数人の女生徒とその護衛なのか少女の騎士が数人僕を睨みつけていた。
その中にライトグリーンの髪を持つ少女は……。
「え……あ……すいません」
謝って直ぐに横に逸れると、彼らは僕のことは気にしないように歩き去ってしまう。
僕は気持ちを切り替えて歩き、直ぐに学園長の部屋に辿り着いた。
コンコン
「開いておるよ」
「失礼します」
僕は本を小脇に抱えながら部屋に入った。
そして、すかさず謝罪する。
「昨日はすいませんでした」
僕はすぐに頭を下げた。
「気にせんでいい。ワシも少し忙しかったからのう……」
「忙しかった……ですか?」
僕は顔を上げて学園長の顔を見ると、かなり困った顔をしているようだった。
「ああ、それと……ワシからも君に話さねばいかんことが出来た」
「話……ですか?」
「まぁ……少し長くなる。座りなさい」
「はぁ……」
以前座ったソファに僕は腰かけ、学園長は最初にいた位置で仕事を続けながら話す。
「率直に言おう。グレーデンが逃げた……若しくは連れ去られた」
「はぁ!?」
あのグレーデンが逃げた!?
折角あそこまでやって捕まえたのに!?
一体何の為にあそこまで頑張ってやったと。
やっぱり何が何でも殺しておくべきだったのだろうか。
「落ち着くのじゃ。それで、少し厄介なのは、逃げたのか連れ去られたのか断定出来ないことじゃ」
「断定出来ない……?」
「そうじゃ、ワシ等も騎士を完全に信用していたわけではない。それに、奴には手駒の元Bランク冒険者もいる。国の騎士が強いとはいえ、完全に奇襲されたらどうなるか分からんじゃろう」
「なるほど」
「じゃから少し離れた所から監視兼護衛を付けていたんじゃが、数日前に連絡を断ってしまった」
「それは……」
学園長は苦い顔をして頷く。
「確認の斥候を放った所、護衛の騎士は全滅。それだけでなく、監視の部隊も物理的にバラバラにされておったそうじゃ」
「そんな……」
「問題はここからで、それをやったのがグレーデンの手駒であるなら問題はない」
「違ったんですか?」
「手駒すらバラバラにされていたそうじゃ」
「どうやって……」
「分からん。分からんが気を付ける以上にすることがない。グレーデンは気まぐれじゃ、そんな実力者をもしも、万が一部下にしていたら危険すぎる」
「そう……ですね……」
元Bランク冒険者を簡単にバラバラに出来る者の相手など僕に出来る気がしない。
「じゃから、少しの間身を隠さんか」
「え……それって……」
「君はグレーデンとの騒動でダンジョン攻略をやっていない。そして、その攻略の補講……まぁ、突破できなかった者同士で協力して突破する試験があるんじゃが、それに参加せんか」
「安全なのでしょうか?」
「君が参加することを知る者は少数じゃ。問題ない」
「……分かりました。緊急事態であれば行くことにします」
ダンジョンの試験はどの道やらなければいけないのだ。
最近はずっと本を読んでばかりでちっとも運動することがなかったので丁度いい様にも思える。
本音を言うともっと『不治の病について』の本を読みたい所ではあるのだけれど……。
黒蛇病のページにもまだ辿り着いていないからだ。
ただ大事なのはそこではない。
「サナは……安全なのでしょうか?」
「安心しておくが良い。そっちにはしっかりとした護衛を派遣しておく」
「ありがとうございます……お話はそれだけですか?」
そうと決まったら今日は出来る限り部屋に戻って本を読んでおきたい。
明日に備えて読み貯めをしておくのだ。
授業中は開くのを我慢したけれど、休憩時間になればすぐに開き、食事が終わっても直ぐに開くようにした。
そんな授業を受けて本を読み、食事をして本を読みというずっと本を読んでいる生活をし始めて3日目。
回復魔法の先生である、ピュリー先生に話しかけられた。
「クトー君。この後って授業入っているかしら?」
「この後ですか? 特にないですけど……」
本を読みたいという言葉は飲み込んだ。
「学園長が呼んでいるわ。すぐにでも行って頂戴?」
「あ……分かりました」
そういえば昨日は約束していたスキル検証の日だったはずだ。
完全にすっぽかしてしまっていた。
これは大分叱られるかもしれない。
僕はとぼとぼと歩きながら学園長室まで向かう。
どうせ怒られるのだ、その前に少しくらいは知識を入れておきたい。
他にも不治の病についての共通点や、気になる点をまとめておこうと思ったのだ。
「『赤石病』とか『青渦病』もなんとなくだけど黒蛇病に似ている気がするんだよねぇ……」
本には詳しくは書いていないけれど、これらの病は聖女や歴代の高位神官でも治すことが出来なかったらしい。
「うーん。聖女が治せない病っていうことは何かあるのかな……。そもそも、これって病気だったりするのだろうか……」
筋肉痛の様に、成長することで起きる痛みもあるくらいなのだ。
実は人の体にとっていいもの……の可能性もあるったり……はない。
「これらにかかった人は全員が死ぬ……と書いてあるしな……」
しかも、上で挙げた病を患った人はかなり若い年齢で死ぬと書いてある。
ということは、もしかしたらサナも早い段階で……。
そう考えた所で、僕は首を振る。
「今は考える時じゃない。少しでも勉強して記憶しないと……」
もう一度本に集中する為に食い入るように本を読み始めると、
「ちょっと! 前見て歩きなさいよ!」
前からは数人の女生徒とその護衛なのか少女の騎士が数人僕を睨みつけていた。
その中にライトグリーンの髪を持つ少女は……。
「え……あ……すいません」
謝って直ぐに横に逸れると、彼らは僕のことは気にしないように歩き去ってしまう。
僕は気持ちを切り替えて歩き、直ぐに学園長の部屋に辿り着いた。
コンコン
「開いておるよ」
「失礼します」
僕は本を小脇に抱えながら部屋に入った。
そして、すかさず謝罪する。
「昨日はすいませんでした」
僕はすぐに頭を下げた。
「気にせんでいい。ワシも少し忙しかったからのう……」
「忙しかった……ですか?」
僕は顔を上げて学園長の顔を見ると、かなり困った顔をしているようだった。
「ああ、それと……ワシからも君に話さねばいかんことが出来た」
「話……ですか?」
「まぁ……少し長くなる。座りなさい」
「はぁ……」
以前座ったソファに僕は腰かけ、学園長は最初にいた位置で仕事を続けながら話す。
「率直に言おう。グレーデンが逃げた……若しくは連れ去られた」
「はぁ!?」
あのグレーデンが逃げた!?
折角あそこまでやって捕まえたのに!?
一体何の為にあそこまで頑張ってやったと。
やっぱり何が何でも殺しておくべきだったのだろうか。
「落ち着くのじゃ。それで、少し厄介なのは、逃げたのか連れ去られたのか断定出来ないことじゃ」
「断定出来ない……?」
「そうじゃ、ワシ等も騎士を完全に信用していたわけではない。それに、奴には手駒の元Bランク冒険者もいる。国の騎士が強いとはいえ、完全に奇襲されたらどうなるか分からんじゃろう」
「なるほど」
「じゃから少し離れた所から監視兼護衛を付けていたんじゃが、数日前に連絡を断ってしまった」
「それは……」
学園長は苦い顔をして頷く。
「確認の斥候を放った所、護衛の騎士は全滅。それだけでなく、監視の部隊も物理的にバラバラにされておったそうじゃ」
「そんな……」
「問題はここからで、それをやったのがグレーデンの手駒であるなら問題はない」
「違ったんですか?」
「手駒すらバラバラにされていたそうじゃ」
「どうやって……」
「分からん。分からんが気を付ける以上にすることがない。グレーデンは気まぐれじゃ、そんな実力者をもしも、万が一部下にしていたら危険すぎる」
「そう……ですね……」
元Bランク冒険者を簡単にバラバラに出来る者の相手など僕に出来る気がしない。
「じゃから、少しの間身を隠さんか」
「え……それって……」
「君はグレーデンとの騒動でダンジョン攻略をやっていない。そして、その攻略の補講……まぁ、突破できなかった者同士で協力して突破する試験があるんじゃが、それに参加せんか」
「安全なのでしょうか?」
「君が参加することを知る者は少数じゃ。問題ない」
「……分かりました。緊急事態であれば行くことにします」
ダンジョンの試験はどの道やらなければいけないのだ。
最近はずっと本を読んでばかりでちっとも運動することがなかったので丁度いい様にも思える。
本音を言うともっと『不治の病について』の本を読みたい所ではあるのだけれど……。
黒蛇病のページにもまだ辿り着いていないからだ。
ただ大事なのはそこではない。
「サナは……安全なのでしょうか?」
「安心しておくが良い。そっちにはしっかりとした護衛を派遣しておく」
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