「タコ野郎!」と学園のダンジョンの底に突き落とされた僕のスキルが覚醒し、《クラーケン》の力が使える様に ~突き落としてきた奴は許さない~

土偶の友

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1章

17話 白い装備のゴブリン

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 僕とレイラはダンジョンの最奥に向かって進んでいた。

「ゲギャギャギャ!」
「やっぱりゴブリンが多い気がするよね……」

 僕は腕だけタコの形態で、4本の触手でゴブリンの全身を握り潰す。

 ゴブリンは直ぐに灰となって零れ落ちて行った。

「本当。他に魔物のレパートリーないの? あたしも魔法使いたいんだけど?」
「あれ? 手伝ってくれるの?」
「まぁ……昨日は……1人でずっと寝ちゃってたし……」
「大丈夫だよ。ゴブリンが沢山出ているって言っても所詮しょせんゴブリンだから」

 確かに少し寝不足でボーっとしている所があるかもしれないけれど、ゴブリン相手だったら寝ていても勝てる。
 ……流石に言い過ぎかもしれない。

「でも……」
「待って、次が来たよ」

 そろそろダンジョンの最後。
 そんな所でまた足音が聞こえる。

「うん? ちょっと音が重たい?」
「何々? 違う魔物が出たってこと?」
「それか……ゴブリンナイトみたいなゴブリンの上位種かも。ここでは出ないって聞いたんだけど……」

 そう思いながら待っていると、前の方から真っ白な鎧に身を包んだゴブリンが1体現れる。

「何あれ……」
「ふざけたゴブリンね。白い装備を使うなんて白の神に喧嘩を売っているのかしら?」
「レイラ?」
「あいつはあたしがもらうわ。せっかくだし、攻撃魔法も見せておくわね」
「ゲギャギャギャ!!」

 レイラが前に出ると同時に、ゴブリンナイトもダッシュをしてレイラに詰め寄る。

「レイラ!」
「『聖なる光で浄化せよホーリー』」

 レイラはゴブリンのダッシュを予想していたのか、すぐさま魔法を放つ。

 ゴブリンナイトの足元が真っ白い魔法陣が光り、そのまま真上に天井に当たるまで伸びる。

「ゲギャギャギャ!!!???」

 真っ白な光の中からゴブリンナイトの悲鳴だけが聞こえ、数秒もすると光が消え失せる。

 その中には、ゴブリンナイトの物と思われる。
 少し大きな魔石が残っているだけだった。

「どう? 私の神聖魔法は?」
「すごいよ。しかも、神聖魔法ってゴブリンとかにも効くんだねレイスとかスケルトンとかにしか効かないと思ってた」
「まぁ、間違っていないと言えば間違っていないけどね」

 レイラが得意げに語ってくれる。

「あたしの神聖魔法は邪悪だと思った敵を浄化させる。つまり、ゴブリンが邪悪だと思い込めば浄化できるのよ」
「すごい……それじゃあ邪悪じゃない相手には?」
「当然ノーダメージよ。当たり前じゃない」
「それじゃあ僕が抑えている間にまとめてやっちゃえばどんな敵でも……?」
「……これって……イメージの問題なのよね……。だから……もしかしたら……貴方ごと消しちゃうかもしれないわ」
「あー」

 昨日散々悪役っぽいと言われていたから確かに……。

「ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「!?」
「?」

 このまま進んだ先。
 そこから何か悲鳴のような声が聞こえた気がした。

「今のって聞えた?」
「なんとなく……」

 彼女は自信が持てないのか、少し首を傾げている。

「急ごう。他にも補習で来ている生徒もいるだろうし、もしかしたら助けが必要かもしれない」
「仕方ないわね。急ぎましょう」

 僕が走り出すと、レイラも小走りで付いてくる。

 彼女はあんまり体力が無くって、息も切れているようだ。
 けれど、誰かが困っているなら助けるつもりなのか、何とか走っている。

「先に行くよ!」
「はぁはぁ……(こくん)」

 彼女は息を切らしながら頷き、僕は先行する。
 もしも危険があるなら僕が先に排除しておかないといけないからだ。

 僕はそのままダンジョンの最奥に到着した。

「大丈夫ですか!?」

 最奥は10mもあるかなり広い場所で、手前側には僕と同じ生徒なのか3人が地面に倒れ伏している。

「ぅ……ぅ……」

 僕はその中の一人の男の子に駆け寄った。
 彼は真っ青になるくらいに顔色が悪く、今にも息絶えそうな程だ。
 上体を起こして回復魔法を使う。

「『癒やせヒール』」
「うぅ……逃げ……ろ……」

 彼はそれだけ言うと意識を失ったように力がなくなる。

「おい! しっかりしろ! 大丈夫か!?」
「ちょっと! 揺すらないで! そのままじっとしていて!」
「レイラ!」

 後ろから追いついていたレイラに叱られ、僕はじっとする。

「『聖なる祈りよ届けハイヒール』」

 彼のからだが光り、顔色も赤みがさしてくる。
 呼吸も安定しだし、心地よい眠りに入ったようだ。

「良かった……流石レイラ」
「これくらい当然よ。他の人は……」

 僕は首を横に振る。

 他の2人は首のない死体になっている。
 飛ばされたのか右と左の少し離れた所で死体になっていて、近くには剣と杖も落ちていた。

「誰がこんなことを……」
「分かんない……。けど、普通のことじゃない事が起きているのは確かだ。彼を連れて一度戻ろう」
「そうね。流石にこれは想定外でしょうし」
「【タコ化】」

 僕はスキルを発動して、目の前の彼を持ち上げて出口に向かう。

 レイラが先に行こうとした所で、後ろから圧力を感じた。

「危ない!」
「きゃ!」

 僕はレイラの腕をつかんで出口から引き離す。

 彼女はいきなり引かれて尻もちをつく。

 ドガアアアアアアアン!!!

 次の瞬間、僕たちが戻ろうとしていた出入り口に、その入り口を塞ぐような大きな岩が突き刺さった。

「な……なに……今の?」
「分かんない……けど、この人達をこんな風にした奴で間違いないと思うよ」

 僕が後ろを向くと、レイラも釣られて後ろを見る。

 そこには、真っ白い装備を着けた大柄なゴブリンがそこにはいた。

「こいつは……?」
「多分……ゴブリンジェネラル……。Cランクの魔物だよ」

 Cランクの魔物は、種類に寄っては村が滅びる程の存在だ。
 そんな相手に学園の冒険者でもない生徒が勝てるわけがない。

 しかも、真っ白い装備をつけているゴブリンジェネラル等聞いたこともない。
 特異固体の可能性が高い。

 もしもそうだとしたら、Cランク所かBランクの実力があるかもしれない。

 レイラもその力の恐ろしさを知っているのか、恐怖に顔を引きらせている。

「Cランク……。そんな……そんなの……勝てるの?」
「大丈夫。僕達なら勝てるよ」

 僕は、そういうので精一杯だった。
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