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9章 ウィザリア
166話 新たな場所は……
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「はぁはぁはぁはぁ」
わたしは森の中を走っていた。
どうして……どうやったら逃げられるのか。
息を整えながらも、すぐ後ろから声が聞こえてくる。
「ビャアアアア!!!」
「ひぃ」
低いうなり声がいっそう恐怖心を掻き立てる。
見つかってしまったら……。
そう思うと身が竦む。
スンスン。
しかし、大きな鳴き声の持ち主は、鼻を鳴らすとわたしがいる方にギュンと視線を向けた。
「あ」
わたしが声を上げる間もなくその白く、大きな獣はわたしの前に立つ。
見上げる程に大きく、ウィンとは比べ物にならない。
獣は大きな手を上げて、わたしを押しつぶそうとゆっくりと下ろしてきた。
わたしはどうしてこんなことになったのかを思い出す。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「それじゃあ一度観光をしてみようか」
「はい……でも、いいんですか? 転移魔法を覚えるために来たと思うんですけど……」
場所はわたしが泊まっている部屋。
クロノさんとリオンさんが迎えにきてくれて、このような話になっていた。
「うん。学園に行く必要があるし、仮入学をするにしても多少時間がかかるからね。数日……は観光していられると思うよ」
「わかりました」
「それじゃあ僕は学園に行ってくるから、観光の護衛は兄さんに任せるよ」
リオンさんがそう言ってクロノさんをみる。
「ああ、任せてくれ」
「うん。それじゃあ」
ということで、リオンさんは別行動ということになった。
「サクヤはどんな魔法を体験してみたい?」
「そうですね……。そもそも、どんな魔法があるんでしょうか?」
「知らん!」
「……」
とても自信満々に言われるとなんとも言い難い。
「だから一緒に見て回ろう。サクヤが行きたい所があったら言ってくれ」
「はい」
ということで、いつものようにウィンに乗せてもらって街中を行く。
街中は朝ということもあって、人通りはそこそこといった所。
そんな中、色々な魔法の話を聞いていく。
ただ、あんまり……わたしに合いそうなのはなかった。
身体を強化して、ジャンプで5階くらいまで跳べるようになったり、剣の切れ味を上げて試し切りをするとか、望む形の物を作るとか。
そういう形のものにはあんまり興味がなかった。
クロノさんにはどうかと聞いたのだけれど。
「自分の身体で鍛え上げてこそ意味がある」
と言われたので、行くことはなかった。
「うーん。あんまりわたしが興味が引きそうなのはないですかね」
「まだまだ奥まである。色々と見てみよう」
「そうですね」
そんなことを話しながら歩いていると、女の子達が集まっている店があった。
「あれは……」
「なんだろうな。見に行くか?」
「そうですね。気になります」
ということで、わたし達は後ろからそっと覗く。
女の子達はガラス張りの中を覗き込んでいた。
そこにはミニチュアサイズの城や街、森等が広がっている。
しかも、その中では何か小さい何かが動いていた。
「これは……」
わたしが首を傾げていると、近くの女の子達の声が聞こえる。
「いいなぁ、あたしも入ってみたい……」
「ねー、でもお高いんだよねぇ……毎回は出来ないよ」
「本当にね……」
そう話す女の子は、学生服のような物を着た子もいる。
もしかしてこの子達は学園に通う子達だったりするのだろうか。
年齢的には10~15歳くらいの間だ。
そんなことを思っていると、委員長的な見た目をした子が現れる。
「あなた達、遅刻しますよ」
「もうそんな時間か~」
「いかないとね……」
等々後ろ髪を引かれつつもゾロゾロと離れていく。
「行くか」
「いいんですか?」
「行ってみたそうな顔をしていただろう? 入るぞ」
クロノさんはそう言ってズンズンと店の中に入っていく。
「いらっしゃいませ」
わたし達が店の中に入ると、綺麗な身なりの男性が出迎えてくれる。
制服も整っていて、仕事が出来そうな雰囲気。
知的な眼鏡がキラリと光っている。
「ここも魔法を受けられるのか?」
「ええ、ご説明させていただきます」
彼はこの店の魔法を説明してくれる。
簡単に言うと、ミニチュア人形に憑依させる……ということらしい。
そして、それで何が出来るのかというと、先ほど見た城や街など、ミニチュアサイズのそれらに入って遊べるということだ。
これの何がすごいかと言うと……。
今まで家で遊んでいた思い入れのあるミニチュアに入ることができるのだ!
他にも人形サイズの服を持参したらそれを着ることも出来る。
そしてなにより、ミニチュアサイズにすることで、お姫様のような扱いをしてもらえるコースがあるらしいのだ!
というのも、人形を操作する魔法なら、一度に何十体も扱えるらしく、それで姫になったように振舞えるとのこと。
どの国でもお姫様には憧れがあるという物。
ちょっとやってみたい気持ちはある。
あるけれど……。
本当に姫に祭り上げられたらたまらないので、ここは普通のコースを選ぼう。
クロノさんとかね。
「普通のコースでいいですか?」
「いいのか? お姫様コースからウチのコースに派生してもいいんだぞ?」
「いえ、普通のでお願いします」
クロノさんが言外にガチの姫様コースをおすすめしてくる。
やはり普通のコースで良かったようだ。
「ではこちらへ。憑依したい人形はお持ちですか?」
「持っていません」
「では、サクヤ様の見た目をトレースした人形に憑依という形でよろしいでしょうか」
「はい。問題ありません」
「ではこちらへ」
そうして、わたしは店の奥に行き、ベッドに寝転がる。
「この魔法を使っている間は本体の方は動けなくなります。長時間でなければ健康に問題はありませんので、ご安心ください」
「はい」
「それでは早速やらせていただきますね」
「はい」
「かの者をいざない仮初の肉体を与えたまえ、〈魂の写し身〉」
わたしは身体から抜けるような感覚になり、慌てて目を開ける。
そこはベッドの隣にある机の上だった。
周囲の人や物全てが大きく、店員さんが木の板をわたしの前に差し出してくる。
「上手くいったようですね。こちらへどうぞ」
「あ、はい」
わたしが木の板に乗ると、店員さんがそれを持ち上げる。
そして、わたしはさきほどのミニチュアの街に下ろされた。
わたし自身の大きさは5センチくらいだろうか。
他にいる人達も同じくらいのように感じる。
たった1人で街の中を歩く。
金銀色とりどりの、宝石で作られたようなとても精緻な細工が施された家もある。
ちょっと目がまぶしくなるけれど、こんな家に住んだらさぞすごいだろうと思えるような家。
そんな家に入ると、家の中の家具も全てが金銀で作られた素晴らしいものだった。
「すごい……これは……やばい」
やばいしか言えなくなるような雰囲気すら感じる。
それほどにやばい。
ソファに腰を下ろすと、とても柔らかい。
窓の細工もとても綺麗で、じっと見ていたくなるほどにすごい。
窓の外からは店の外も見ることができて、女の子達がキラキラした目で街のことを見ている。
確かにここまですごいと、お姫様コースだけでなくてもとても素敵に感じた。
街の中を歩いている女の子達も楽しそうに歩いている。
それもお気に入りの人形だったり衣装だったり……。
自分の好きを好きにできるとても素敵な場所だ。
「それじゃあ……森も行ってみますか」
ということで、わたしは早速森に行ったのだけれど……。
「ビャアアアア!!!」
「え? 何?」
声のする方を見ると、巨大な白い獣……ヴァイスがじっとわたしを見ていた。
それからは最初に話した通りだ。
ヴァイスから逃げたのだけれど、それがバレて捕まった。
「うぅ……でもこれはこれでいいかも」
ヴァイスは小さくなっていないようで、ぷにぷにの肉球で全身をグニグニしてくる。
肉球で潰されるとかここは天国か? と思えるような気持ちにさせられた。
最高なんだけど。
ただ、ちょっとサイズ差があるせいか、声が低く聞こえるのがびっくりしてしまうけれど。
「ギュゥィィィ」
そして、ヴァイスがいるなら当然というように、ルビーが現れた。
わたしは森の中を走っていた。
どうして……どうやったら逃げられるのか。
息を整えながらも、すぐ後ろから声が聞こえてくる。
「ビャアアアア!!!」
「ひぃ」
低いうなり声がいっそう恐怖心を掻き立てる。
見つかってしまったら……。
そう思うと身が竦む。
スンスン。
しかし、大きな鳴き声の持ち主は、鼻を鳴らすとわたしがいる方にギュンと視線を向けた。
「あ」
わたしが声を上げる間もなくその白く、大きな獣はわたしの前に立つ。
見上げる程に大きく、ウィンとは比べ物にならない。
獣は大きな手を上げて、わたしを押しつぶそうとゆっくりと下ろしてきた。
わたしはどうしてこんなことになったのかを思い出す。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「それじゃあ一度観光をしてみようか」
「はい……でも、いいんですか? 転移魔法を覚えるために来たと思うんですけど……」
場所はわたしが泊まっている部屋。
クロノさんとリオンさんが迎えにきてくれて、このような話になっていた。
「うん。学園に行く必要があるし、仮入学をするにしても多少時間がかかるからね。数日……は観光していられると思うよ」
「わかりました」
「それじゃあ僕は学園に行ってくるから、観光の護衛は兄さんに任せるよ」
リオンさんがそう言ってクロノさんをみる。
「ああ、任せてくれ」
「うん。それじゃあ」
ということで、リオンさんは別行動ということになった。
「サクヤはどんな魔法を体験してみたい?」
「そうですね……。そもそも、どんな魔法があるんでしょうか?」
「知らん!」
「……」
とても自信満々に言われるとなんとも言い難い。
「だから一緒に見て回ろう。サクヤが行きたい所があったら言ってくれ」
「はい」
ということで、いつものようにウィンに乗せてもらって街中を行く。
街中は朝ということもあって、人通りはそこそこといった所。
そんな中、色々な魔法の話を聞いていく。
ただ、あんまり……わたしに合いそうなのはなかった。
身体を強化して、ジャンプで5階くらいまで跳べるようになったり、剣の切れ味を上げて試し切りをするとか、望む形の物を作るとか。
そういう形のものにはあんまり興味がなかった。
クロノさんにはどうかと聞いたのだけれど。
「自分の身体で鍛え上げてこそ意味がある」
と言われたので、行くことはなかった。
「うーん。あんまりわたしが興味が引きそうなのはないですかね」
「まだまだ奥まである。色々と見てみよう」
「そうですね」
そんなことを話しながら歩いていると、女の子達が集まっている店があった。
「あれは……」
「なんだろうな。見に行くか?」
「そうですね。気になります」
ということで、わたし達は後ろからそっと覗く。
女の子達はガラス張りの中を覗き込んでいた。
そこにはミニチュアサイズの城や街、森等が広がっている。
しかも、その中では何か小さい何かが動いていた。
「これは……」
わたしが首を傾げていると、近くの女の子達の声が聞こえる。
「いいなぁ、あたしも入ってみたい……」
「ねー、でもお高いんだよねぇ……毎回は出来ないよ」
「本当にね……」
そう話す女の子は、学生服のような物を着た子もいる。
もしかしてこの子達は学園に通う子達だったりするのだろうか。
年齢的には10~15歳くらいの間だ。
そんなことを思っていると、委員長的な見た目をした子が現れる。
「あなた達、遅刻しますよ」
「もうそんな時間か~」
「いかないとね……」
等々後ろ髪を引かれつつもゾロゾロと離れていく。
「行くか」
「いいんですか?」
「行ってみたそうな顔をしていただろう? 入るぞ」
クロノさんはそう言ってズンズンと店の中に入っていく。
「いらっしゃいませ」
わたし達が店の中に入ると、綺麗な身なりの男性が出迎えてくれる。
制服も整っていて、仕事が出来そうな雰囲気。
知的な眼鏡がキラリと光っている。
「ここも魔法を受けられるのか?」
「ええ、ご説明させていただきます」
彼はこの店の魔法を説明してくれる。
簡単に言うと、ミニチュア人形に憑依させる……ということらしい。
そして、それで何が出来るのかというと、先ほど見た城や街など、ミニチュアサイズのそれらに入って遊べるということだ。
これの何がすごいかと言うと……。
今まで家で遊んでいた思い入れのあるミニチュアに入ることができるのだ!
他にも人形サイズの服を持参したらそれを着ることも出来る。
そしてなにより、ミニチュアサイズにすることで、お姫様のような扱いをしてもらえるコースがあるらしいのだ!
というのも、人形を操作する魔法なら、一度に何十体も扱えるらしく、それで姫になったように振舞えるとのこと。
どの国でもお姫様には憧れがあるという物。
ちょっとやってみたい気持ちはある。
あるけれど……。
本当に姫に祭り上げられたらたまらないので、ここは普通のコースを選ぼう。
クロノさんとかね。
「普通のコースでいいですか?」
「いいのか? お姫様コースからウチのコースに派生してもいいんだぞ?」
「いえ、普通のでお願いします」
クロノさんが言外にガチの姫様コースをおすすめしてくる。
やはり普通のコースで良かったようだ。
「ではこちらへ。憑依したい人形はお持ちですか?」
「持っていません」
「では、サクヤ様の見た目をトレースした人形に憑依という形でよろしいでしょうか」
「はい。問題ありません」
「ではこちらへ」
そうして、わたしは店の奥に行き、ベッドに寝転がる。
「この魔法を使っている間は本体の方は動けなくなります。長時間でなければ健康に問題はありませんので、ご安心ください」
「はい」
「それでは早速やらせていただきますね」
「はい」
「かの者をいざない仮初の肉体を与えたまえ、〈魂の写し身〉」
わたしは身体から抜けるような感覚になり、慌てて目を開ける。
そこはベッドの隣にある机の上だった。
周囲の人や物全てが大きく、店員さんが木の板をわたしの前に差し出してくる。
「上手くいったようですね。こちらへどうぞ」
「あ、はい」
わたしが木の板に乗ると、店員さんがそれを持ち上げる。
そして、わたしはさきほどのミニチュアの街に下ろされた。
わたし自身の大きさは5センチくらいだろうか。
他にいる人達も同じくらいのように感じる。
たった1人で街の中を歩く。
金銀色とりどりの、宝石で作られたようなとても精緻な細工が施された家もある。
ちょっと目がまぶしくなるけれど、こんな家に住んだらさぞすごいだろうと思えるような家。
そんな家に入ると、家の中の家具も全てが金銀で作られた素晴らしいものだった。
「すごい……これは……やばい」
やばいしか言えなくなるような雰囲気すら感じる。
それほどにやばい。
ソファに腰を下ろすと、とても柔らかい。
窓の細工もとても綺麗で、じっと見ていたくなるほどにすごい。
窓の外からは店の外も見ることができて、女の子達がキラキラした目で街のことを見ている。
確かにここまですごいと、お姫様コースだけでなくてもとても素敵に感じた。
街の中を歩いている女の子達も楽しそうに歩いている。
それもお気に入りの人形だったり衣装だったり……。
自分の好きを好きにできるとても素敵な場所だ。
「それじゃあ……森も行ってみますか」
ということで、わたしは早速森に行ったのだけれど……。
「ビャアアアア!!!」
「え? 何?」
声のする方を見ると、巨大な白い獣……ヴァイスがじっとわたしを見ていた。
それからは最初に話した通りだ。
ヴァイスから逃げたのだけれど、それがバレて捕まった。
「うぅ……でもこれはこれでいいかも」
ヴァイスは小さくなっていないようで、ぷにぷにの肉球で全身をグニグニしてくる。
肉球で潰されるとかここは天国か? と思えるような気持ちにさせられた。
最高なんだけど。
ただ、ちょっとサイズ差があるせいか、声が低く聞こえるのがびっくりしてしまうけれど。
「ギュゥィィィ」
そして、ヴァイスがいるなら当然というように、ルビーが現れた。
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