23 / 60
1章
第23話 集中してると忘れますわ
しおりを挟む
「やっと成功しましたわ!」
わたくしは成功した小箱を掲げる。
「流石クレアだ! そのことを祝って今日は祝日にしよう!」
「それは話が大きすぎますわ! でも、出来て良かったです」
小箱の中身がちょっとだけ拡張されている。
指の第一関節くらいまで入る中身が、そこから1㎝追加で入るくらいだけど。
「うんうん。時間もいいし、一度戻らないか?」
「そうですわね。マーレ。魚は捕れました?」
「下を見て」
「? わあ!?」
わたくしが下を見ると、そこには魚だけでなくクラゲやイカタコ貝等海産物がこれでもかと詰め込まれていた。
「すごいですわね……いつの間に」
「クレアが集中していたからだよ。海……っていうか、天候も大分荒れてるね」
「そうなんですの?」
海の中なので、詳しいことはわからない。
だけど、マーレは確信しているのか頷く。
「うん。だから、このまま帰ろうか」
「え? この魔法のまま帰れるんですの?」
「この魔法を使ったままはやらない方がいいんだけどね。見つかると面倒だし。ただこの天気だから、誰も気づいてないだろうし、いいかなって」
ということで、マーレはわたくしたちが入っている水球を操作する。
水球がゆっくりと上に上がっていく。
ザバァ!
海上に出ると、暴風雨で前が見えなかった。
「これは……すごいですわね。道分かるかしら……」
「それは大丈夫。ちゃんと家には戻れるから」
ということで、少し待っているとある場所で止まった。
ただ、足元の方では光が多数見える。
「ここが家ですの? 周囲には家の明かりが見えますが……」
わたくしたちの家の周囲には雑草などしかない。
なので、この景色はおかしいのだけれど……。
「捕った魚介を調理して欲しくてさ。ドワーフのお店に寄りたいんだ」
「なるほど、そうでしたわね」
ということで、わたくしはマーレと一緒に降りる。
マーレが魔法でなんとかしてくれるので、濡れることもない。
店にはこんな天候なのに、半分くらいは入っていた。
「いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのはいつもの静かなドワーフの子だ。
「海産物を捕ってきたので、調理して欲しいのですが」
「本当?」
「ええ」
「どこ?」
ドワーフの子は首をかしげるけれど、かなり可愛い。
「外にありますが、どこにおけばいいのですか?」
「裏に来てもらっていい?」
「はい。構いませんわ」
「こっち」
そう言って彼女は表から雨の降っている外に出て行く。
「待ってください! 雨が!」
そう言うのも関係ないというように外に出て行く。
「そんなに食材に興味があるのかしら?」
「そうなんじゃない? 話が合いそう」
「ですわね。それでは、わたくしたちも」
ということで、彼女の後を追って食材を渡す。
「ふぉぉぉ……こんなにも……すごい」
静かな子だと思っていたけれど、食材を前に目が輝いている。
雨でずぶ濡れなのも全く気にしていない。
「では、お願いします。また後で……1時間後辺りに食べに来たらいいでしょうか?」
「うん! いっぱい作っておく!」
「よろしくお願いしますわ」
「美味しいの楽しみに待ってるよ!」
そう言って、わたくしたちは『土小人のかまど亭』を後にする。
「では、後は家でのんびり家具作りや付与魔法の練習でもしていましょうか」
「だね。だけどこの雨……あとどれくらい続くのかな」
「そんなに続きますの?」
「うーん。多分だけど、3,4日はずっとこのままな気がするよ」
「なんと……それは練習のし甲斐がありますわ!」
仕事を受ける前にそっちの方も伸ばすことをしてもいいかもしれない。
というか、付与魔法で防水の効果とかないのでしょうか。
そんなことを考えながら、わたくしたちは家に戻る。
マーレの言う通り、その大雨は3日も降り続いた。
そのお陰で付与魔法について進めることができた。
だけれど、今は久しぶりの晴れが素晴らしい。
「ルーシーさんの所に行きましょうか。家もあって、練習ができるとちょっと熱中してしまって忘れていましたが」
「そうだな。そろそろ行ってもいいと思う」
「僕は待ってるよー」
「わかりましたわ」
「俺は行く」
ということで、わたくしとティエラだけで行くことになった。
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
「ええ、数日すごい雨でしたからね。家は大丈夫でしたか?」
「ふふ、問題はありません。必要になった時はお願いしますね?」
「お任せくださいな。それで、以前お話されていたお仕事についてなのですが……」
わたくしがそう言うと、彼女は目を輝かせて身を乗り出してくる。
「やってくださるんですか!?」
「そのつもりですが……」
「実を言うとここ数日の雨で結構な被害がありまして、多くの依頼が来ているんですよ。依頼書は……こちらになります」
そう言ってルーシーさんは十数枚の紙を出してきた。
「こんなにあるんですの?」
「ええ、すごい雨でしたから、どれか興味のあるものはありますか?」
「そうですわねぇ」
わたくしはパラパラと紙をめくると、そこに見知った名前を見つけた。
『森妖精の羽衣』
「これは……」
「ああ、それは倉庫の修理……いえ、新築依頼ですね。お受けしますか?」
「受けますわ!」
「いいんですか?」
「はい。とてもお世話になりましたの。ですので、できるならお返ししたいですわ」
「ありがとうございます。では手続きをしますね」
「ええ」
ということで、依頼を受けたわたくしたちは『森妖精の羽衣』に向かう。
「クレアは優しいのだな。内容もほとんど読まずに受けるなんて」
「あの優しい方がいるお店ですので、変な内容はないと思いますわ」
「なるほどな。なら後はいい仕事をするだけだ」
「ですわ」
お店まですぐそこ、という所でその店から一人のエルフが飛び出てくる。
「ふざけないで! そんなの勝手に決めて! 認められる訳ないでしょ!」
そう言ってわたくしに優しくしてくれたエルフの彼女は、涙を浮かべながらどこかに走り去ってしまった。
「大丈夫か?」
「わからなくなりましたわ……」
わたくしは成功した小箱を掲げる。
「流石クレアだ! そのことを祝って今日は祝日にしよう!」
「それは話が大きすぎますわ! でも、出来て良かったです」
小箱の中身がちょっとだけ拡張されている。
指の第一関節くらいまで入る中身が、そこから1㎝追加で入るくらいだけど。
「うんうん。時間もいいし、一度戻らないか?」
「そうですわね。マーレ。魚は捕れました?」
「下を見て」
「? わあ!?」
わたくしが下を見ると、そこには魚だけでなくクラゲやイカタコ貝等海産物がこれでもかと詰め込まれていた。
「すごいですわね……いつの間に」
「クレアが集中していたからだよ。海……っていうか、天候も大分荒れてるね」
「そうなんですの?」
海の中なので、詳しいことはわからない。
だけど、マーレは確信しているのか頷く。
「うん。だから、このまま帰ろうか」
「え? この魔法のまま帰れるんですの?」
「この魔法を使ったままはやらない方がいいんだけどね。見つかると面倒だし。ただこの天気だから、誰も気づいてないだろうし、いいかなって」
ということで、マーレはわたくしたちが入っている水球を操作する。
水球がゆっくりと上に上がっていく。
ザバァ!
海上に出ると、暴風雨で前が見えなかった。
「これは……すごいですわね。道分かるかしら……」
「それは大丈夫。ちゃんと家には戻れるから」
ということで、少し待っているとある場所で止まった。
ただ、足元の方では光が多数見える。
「ここが家ですの? 周囲には家の明かりが見えますが……」
わたくしたちの家の周囲には雑草などしかない。
なので、この景色はおかしいのだけれど……。
「捕った魚介を調理して欲しくてさ。ドワーフのお店に寄りたいんだ」
「なるほど、そうでしたわね」
ということで、わたくしはマーレと一緒に降りる。
マーレが魔法でなんとかしてくれるので、濡れることもない。
店にはこんな天候なのに、半分くらいは入っていた。
「いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのはいつもの静かなドワーフの子だ。
「海産物を捕ってきたので、調理して欲しいのですが」
「本当?」
「ええ」
「どこ?」
ドワーフの子は首をかしげるけれど、かなり可愛い。
「外にありますが、どこにおけばいいのですか?」
「裏に来てもらっていい?」
「はい。構いませんわ」
「こっち」
そう言って彼女は表から雨の降っている外に出て行く。
「待ってください! 雨が!」
そう言うのも関係ないというように外に出て行く。
「そんなに食材に興味があるのかしら?」
「そうなんじゃない? 話が合いそう」
「ですわね。それでは、わたくしたちも」
ということで、彼女の後を追って食材を渡す。
「ふぉぉぉ……こんなにも……すごい」
静かな子だと思っていたけれど、食材を前に目が輝いている。
雨でずぶ濡れなのも全く気にしていない。
「では、お願いします。また後で……1時間後辺りに食べに来たらいいでしょうか?」
「うん! いっぱい作っておく!」
「よろしくお願いしますわ」
「美味しいの楽しみに待ってるよ!」
そう言って、わたくしたちは『土小人のかまど亭』を後にする。
「では、後は家でのんびり家具作りや付与魔法の練習でもしていましょうか」
「だね。だけどこの雨……あとどれくらい続くのかな」
「そんなに続きますの?」
「うーん。多分だけど、3,4日はずっとこのままな気がするよ」
「なんと……それは練習のし甲斐がありますわ!」
仕事を受ける前にそっちの方も伸ばすことをしてもいいかもしれない。
というか、付与魔法で防水の効果とかないのでしょうか。
そんなことを考えながら、わたくしたちは家に戻る。
マーレの言う通り、その大雨は3日も降り続いた。
そのお陰で付与魔法について進めることができた。
だけれど、今は久しぶりの晴れが素晴らしい。
「ルーシーさんの所に行きましょうか。家もあって、練習ができるとちょっと熱中してしまって忘れていましたが」
「そうだな。そろそろ行ってもいいと思う」
「僕は待ってるよー」
「わかりましたわ」
「俺は行く」
ということで、わたくしとティエラだけで行くことになった。
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
「ええ、数日すごい雨でしたからね。家は大丈夫でしたか?」
「ふふ、問題はありません。必要になった時はお願いしますね?」
「お任せくださいな。それで、以前お話されていたお仕事についてなのですが……」
わたくしがそう言うと、彼女は目を輝かせて身を乗り出してくる。
「やってくださるんですか!?」
「そのつもりですが……」
「実を言うとここ数日の雨で結構な被害がありまして、多くの依頼が来ているんですよ。依頼書は……こちらになります」
そう言ってルーシーさんは十数枚の紙を出してきた。
「こんなにあるんですの?」
「ええ、すごい雨でしたから、どれか興味のあるものはありますか?」
「そうですわねぇ」
わたくしはパラパラと紙をめくると、そこに見知った名前を見つけた。
『森妖精の羽衣』
「これは……」
「ああ、それは倉庫の修理……いえ、新築依頼ですね。お受けしますか?」
「受けますわ!」
「いいんですか?」
「はい。とてもお世話になりましたの。ですので、できるならお返ししたいですわ」
「ありがとうございます。では手続きをしますね」
「ええ」
ということで、依頼を受けたわたくしたちは『森妖精の羽衣』に向かう。
「クレアは優しいのだな。内容もほとんど読まずに受けるなんて」
「あの優しい方がいるお店ですので、変な内容はないと思いますわ」
「なるほどな。なら後はいい仕事をするだけだ」
「ですわ」
お店まですぐそこ、という所でその店から一人のエルフが飛び出てくる。
「ふざけないで! そんなの勝手に決めて! 認められる訳ないでしょ!」
そう言ってわたくしに優しくしてくれたエルフの彼女は、涙を浮かべながらどこかに走り去ってしまった。
「大丈夫か?」
「わからなくなりましたわ……」
379
あなたにおすすめの小説
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』
miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。
そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。
……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。
貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅――
「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。
相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。
季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、
気づけばちょっぴり評判に。
できれば平和に暮らしたいのに、
なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん――
……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?!
静かに暮らしたい元病弱転生モブと、
彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。
公爵閣下のご息女は、華麗に変身する
下菊みこと
ファンタジー
公爵家に突然引き取られた少女が幸せになるだけ。ただのほのぼの。
ニノンは孤児院の前に捨てられていた孤児。服にニノンと刺繍が施されていたので、ニノンと呼ばれ育てられる。そんな彼女の前に突然父が現れて…。
小説家になろう様でも投稿しています。
公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜
咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。
元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。
そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。
「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」
軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続!
金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。
街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、
初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊!
気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、
ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。
本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走!
ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!?
これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ!
本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
ギルド受付嬢は今日も見送る~平凡な私がのんびりと暮らす街にやってきた、少し不思議な魔術師との日常~
弥生紗和
ファンタジー
【完結】私はギルド受付嬢のエルナ。魔物を倒す「討伐者」に依頼を紹介し、彼らを見送る毎日だ。最近ギルドにやってきたアレイスさんという魔術師は、綺麗な顔をした素敵な男性でとても優しい。平凡で代わり映えのしない毎日が、彼のおかげでとても楽しい。でもアレイスさんには何か秘密がありそうだ。
一方のアレイスは、真っすぐで優しいエルナに次第に重い感情を抱き始める――
恋愛はゆっくりと進展しつつ、アレイスの激重愛がチラチラと。大きな事件やバトルは起こりません。こんな街で暮らしたい、と思えるような素敵な街「ミルデン」の日常と、小さな事件を描きます。
大人女性向けの異世界スローライフをお楽しみください。
西洋風異世界ですが、実際のヨーロッパとは異なります。魔法が当たり前にある世界です。食べ物とかファッションとか、かなり自由に書いてます。あくまで「こんな世界があったらいいな」ということで、ご容赦ください。
※サブタイトルで「魔術師アレイス~」となっているエピソードは、アレイス側から見たお話となります。
この作品は小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる