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本編
テラスペクト戦争#2
しおりを挟む第二試合の開始が告げられ、スタジアムの照明が漸次暗くなり、スポットライトがリング上に焦点を当てる。その光の中で、リリア・スターダストとネオン・サイバレットが登場。リリアは細かい技術と策略で知られ、ネオン・サイバレットは未来的なテクノロジーとテラスペクトの結合に長けている。
リリア:「さて、ネオン・サイバレット、一部リーグの代表として、どんなショーをお見せいただけるのでしょうか。」
ネオン・サイバレット:「リリア・スターダスト、二部リーグの精鋭だと聞いている。ただし、私は新たな次元へテラスペクトを引き上げるつもりだ。」
観客席では、エレオンとアイ、ミラネッタとダダリオスが緊張した表情で見守っている。
アイ:「これはマズいわ・・・!」
エレオン:「アイ、どうした?こちらは先制勝利したから優位なはずだが。」
アイ:「こちらの選手は二部リーグ、相手は一部リーグよ。そして第三試合はこちらが三部リーグの選手、相手は二部リーグ。と言うことは、次の二戦はどちらも不利・・・!」
エレオン:「な、なんだと・・・!確かにアイの言う通りかもしれない。どうすればいいんだ・・・!」
アイ:「リリアを信じるのよ!彼女だって相当な実力者だもの。」
ミラネッタ:「あら、「創星のネオンテトラ」って、そちらの星では聞いたことがないかしら?」
エレオン:「ま、まさか・・・!あの「創星のネオンテトラ」が・・・!」
ミラネッタ:「そうよ、ネオン・サイバレット・・・、人呼んで「創星のネオンテトラ」よ!」
エレオンはその場に崩れ落ちる。アイは助け起こそうとするが、その瞬間、スタジアム内の緊張感がピークに達した。リリアとネオン・サイバレットが対峙する場面が、それぞれの運命、そして両国の未来を大きく左右する瞬間であると、誰もが感じ取ったのだ。
対決の火蓋は切られ、一触即発の状況が整った。それぞれのテラスペクターが持つ可能性と未来が、この一戦でどのように結実するのか。全ての目と心がその瞬間を待ち望んでいた。
アイ:「エレオン、その「創星のネオンテトラ」って一体何?なんでそんなに驚いているの?」
エレオン:「創星のネオンテトラとは、まさに宇宙そのものを創造するようなテラスペクトの技術を持つ者を指す。惑星の誕生、星々の輝き、宇宙の調和といった壮大なスケールでテラスペクトを行う。伝説では、彼が手を振るだけで新しい星座が出現するとも言われている!」
アイ:「ええーっ!?手を振るだけで星座が出現するなんて、それはもう神レベルじゃない!」
ダダリオス:「わっはっはっは!創星のネオンテトラって、なかなか派手な名前だね!」
ラヴィー:「Olyvira turena-olyvira, vivira-majiva solika turena-solikaina asolvia-yuvivara, olyvira-turena aivora-yuvivara, vivira-mira olyvira-majiva xivara-ravika, yuvira-vivirari-mira turena-divivira.」(創星のネオンテトラは、神聖な存在として語られる伝説のテラスペクターです。彼のテクニックは、星々の調和と宇宙の美を象徴するものです。)
エレオン:「だから、ネオン・サイバレットがその創星のネオンテトラだとしたら、これはもう伝説級の対決だ!」
アイ:「そうね、でもリリアも決して侮れないわ。彼女のテクニックと戦略がどう影響するか、それが見ものよ!」
エレオン:「確かに、リリアも極めて高度なテクニックを持っている。だが、神話と現実、どちらが勝るか、それが問われる戦いになるだろう。」
全ての人々がその瞬間を目の当たりにするために息を呑んでいた。創星のネオンテトラという伝説と、二部リーグの精鋭リリア・スターダスト、その対決が、今まさに始まろうとしていた。
審判:「第二試合、リリア・スターダスト対ネオン・サイバレット、始め!」
リリアとネオンは一瞬お互いを見つめ合い、それから動き出す。リリアは特別な手袋を装着し、精密な指先の動きでテラスペクトを行う。一方、ネオン・サイバレットは未来的な装置を取り出し、それを土に向かって放つ。瞬く間に、その土地は数々の幾何学的パターンと光の粒子で埋め尽くされる。
リリア:「すごい技術ね、でも私も負けてないわ。」
ネオン:「創星のネオンテトラ、その名の通り、私は創造そのものだ。」
観客は驚きと感動で絶叫する。二人の技術が高度すぎて、凡人には理解できないレベルのテラスペクトが展開されている。
首脳席。
エレオン:「信じられない、リリアもネオンも、これはもう芸術だ!」
アイ:「確かに、でもリリアが少し苦しいわ。ネオンの技術力は予想以上に高い!」
ダダリオス:「わっはっは!やっぱり創星のネオンテトラは凄いね!」
ミラネッタ:「うふふ、勝利はもう目の前ですわ。」
ラヴィー:「Yuvira-vivirari-mira, vivira-majiva turena-olyvira, vivira-mira turena-olyvira-vivira, aisoruvia-majiva vivara-movinaisa-solikaina izana.」(この対決は、神聖な創造力と、個々の創造力が織り成す、感動的な宇宙の舞台である。)
リリアとネオンは最後の一手を考える。リリアは特別な手袋で穴と山を一瞬で完成させ、「グロリファイ!」と叫ぶ。ネオンも同様に、彼の装置が発生させた光の粒子で壮大な穴と山を創り出し、「グロリファイ!」と宣言する。
観客はその壮大さと高度な技術に涙しながら総立ちで拍手喝采を送る。これがテラスペクト、これが彼らのディスティニーなのだ。
ネオン:「ふふ、まずまずの技術だが、惜しかったな。」
リリア:「そうかしら?まだ勝負は終わってないわよ。」
リリアの口元に不敵な微笑みが浮かぶ。
ネオン:「その笑みは、それとも諦めの笑みか?」
リリア:「あら、創星の称号者がこの銀河にもう一人いるのを知っているかしら?」
ネオン:「何だって?」
リリア:「創星のスターダスト・・・、聞いたことないかしら?」
ネオンの顔色が変わる。「ま、まさか・・・!」と声に驚きが混じる。
リリアは特殊なグローブを脱ぎ捨てる。その瞬間、彼女の腕から星々のような煌めきがほとばしり、周囲を明るく照らす。
リリア:「創星のスターダスト・・・、それが私、リリア・スターダストのもう一つの名よ!」
観客は一斉に立ち上がり、歓声を送る。
観客A:「ゼニクスに続いて、また伝説級の試合が見れるなんて信じられない!」
観客B:「創星の称号者同士の対決なんて、一生に一度あるかないかのチャンスだわ!」
ネオン:「ふっ、いい気になるな。もし君が創星の称号者なら、私も同じであることを忘れるな!」
リリア:「あら、そうかしら?私の特殊グローブはエネルギーを温存するためだったの。称号者同士で互角だとしたら、エネルギーを温存した方が有利だと思わない?」
ネオン:「な、何だと!」
首脳陣の観客席。
ダダリオスは動揺し、顔色が青ざめている。一方、エレオンは目を輝かせて立ち上がる。
エレオン:「見たか、これがリリア、これが創星のスターダストだ!」
ラヴィー:「Majiva-vivira divivira-vivara izana divara-turena-olyvira. Rikuvina aivora-yuvivara, xivara-ravika izana.」(創星の称号者同士の対決は、壮大な宇宙の舞台で繰り広げられる最高の戦いだ。勇気、力、そして光が交錯する。)
観客、選手、首脳陣。全ての人々がこの歴史的瞬間に息を呑んでいる。そして、リリアとネオン、二人の創星の称号者が再び動き出す。これがテラスペクト、これが彼らのディスティニーなのだ。
両者は山を崩し、穴を埋める作業に取り掛かる。
ネオン:「ふっ、しかし、ここまでの採点は私がリードしているはずだ!」
リリア:「油断しない方がいいわよ。私が創星のスターダストと呼ばれる理由、知ってる?」
ネオン:「ま、まさか・・・!」
創星のスターダスト、それは「山を崩すことが星屑の如く」と言われるほどの荘厳な穴埋めを行う者に与えられる称号だった。
リリアの手は優雅に舞い、一振り一振りが星々を紡ぐかのように穴に土を埋めていく。土粒が空中で輝き、地面に落ちるときには星座を形作る。その瞬間、穴は美しい星座の形に変わり、観客はその美しさに見惚れて声も出ない。
リリアの手が空に輝く星々を描くように舞い上がると、その先端からは微細なプラズマエネルギーが放出される。それはテラスペクトの公式ショベルと連携し、土粒一つ一つに独自のエネルギーシグネチャーを付与する。この高度なハイテク技術により、土粒はただの土から幻想的な星座の素材へと変貌する。
空中で舞う土粒たちは、そのプラズマエネルギーによって一瞬で輝きを増して、まるで宇宙空間に浮かぶ星々のようになる。そして、その土粒が地面に触れると、驚くべきことに、一瞬のうちに美しい星座の形に配置される。この星座はただの形ではなく、リリアの手によって生成された特殊なエネルギーフィールドで結ばれ、まるで生命を持っているかのように輝く。
穴自体もこのエネルギーに引き寄せられ、その形が次第に美しい星座の形に合わせて変わる。観客たちはその美しさに圧倒され、声も出ない。空気が震え、時間が止まるような感覚に包まれる。この瞬間はまるで神話の中にしか存在しないような、壮絶でありながら極めて優雅な「創星のスターダスト」による穴埋めだった。
全てが完成したその瞬間、観客、選手、そして首脳陣まで、誰もがその美しい穴埋めに見惚れ、感動で涙を流す。この壮大な瞬間は、テラスペクトの歴史に新たな伝説として刻まれることとなる。
ダダリオス:「あ~、うっとり!うっふ~ん!」
ミラネッタ:「ダダリオス様!!」
ダダリオス:「おっと、気絶しそうだった・・・!でもミラネッタ、どうすればいいのぉぉぉ?」
ミラネッタ:「大丈夫でございます。手は打ってありますので。」
エレオン:「素晴らしい、こんな荘厳で優美な穴埋めは見たことがない!これが創星のスターダストの「星屑の穴埋め」なのだ!」
アイ:「ほんと、素敵・・・!それでいて、どこか儚さも感じられる。単なる美しさだけではないわ!」
ラヴィー:「Yundakaina yuvira-majiva-solikaina vivira」(幽玄とは、星屑のような存在の輝き、それは神秘的で活力に満ちたものです。)
観客、選手、首脳陣。全ての人々がこの歴史的瞬間に息を呑んでいる。このテラスペクト戦争は、ただの勝負以上の何かを皆に感じさせている。それは希望か、それとも絶望か―誰もがその答えを求め、息を呑んで次の瞬間を待っている。
「サイレンスター!」
ほぼ同時に、リリアとネオンは穴埋めの完了を象徴するこの言葉を発した。宇宙の静寂と星々の美を称えるこの一語は、特にリリアの「創星のスターダスト」による壮絶な穴埋めにふさわしい瞬間であった。
観客は息を呑む。感嘆の声が上がり、一部の人々は感動のあまり涙を流す。
ネオンは内心で焦りを感じていた。
ネオン:(こんなにも壮絶な技術、まさか創星のスターダストがこれほどまでとは・・・!)
リリアの顔は自信に溢れ、まさに称号者に相応しい威厳を放っていた。
と、その瞬間、不可解な砂塵が舞い上がる。リリアの穴埋めが突如乱れた。審判たちも表情を曇らせる。
リリア:これは一体・・・?
実は、この砂塵はミラネッタが微細竜巻装置を用いて引き起こしたものであった。この特殊装置が、リリアの穴埋め跡を気づかれぬうちに乱した。
結果として、僅かながらもリリアはネオンに敗れた。審判による採点で、リリアの穴埋め跡の乱れがマイナス点とされたのだ。
ダダリオス:ガハハハ!さすがは創星のネオンテトラ、力を見せてくれたわ!
エレオン:なぜだ、なぜ!リリアは途中まで勝っていたはずだが・・・!
アイ:エレオン、今は次に集中しましょう!
エレオン:次に頼るのは、あの冴えないエトス・クローバーだ。もはや望みは・・・。
アイ:エトスにかけるしかないのよ、それが唯一の道!
ラヴィー:Xavika-mira aniva aivara. Majisora vivira aivora.(不正な力が影響したとはいえ、負けは負け。次に希望を託そう)
応援ありがとうございます!
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