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成長の章
ゼイソンの魔法教室・瞑想
しおりを挟む孤児から王子になった蓮也は、王国随一と言われるウィザードナイト(魔法剣士)・ゼイソンの指導を受けていた。
ゼイソン
「今日は瞑想の授業です」
蓮也
「瞑想って目閉じてるだけのつまらなさそうなやつだろ?」
ゼイソン
「瞑想は魔法レベルを向上させるのにとても重要です」
蓮也
「ならやる」
ゼイソン
「よろしいですじゃ」
最近、蓮也はゼイソンの見せる魔法に興味を持ち出した。そのため、蓮也の興味を先行させるように授業を進めている。
ゼイソン
「では、説明します」
「瞑想とは“瞑目”して“想う”と書きます」
「無心になる瞑想もありますが、基本的に観想と言って意念・イメージを用います」
蓮也
「よくわからんぞ」
ゼイソン
「例えば、若のメイン魔法は火炎でしたな。その火炎魔法を出すには、火炎のイメージをします。しかし、そのイメージよりも更に根本的なイメージをここでは用います」
蓮也
「火炎のイメージまではわかったが、その先がわからん」
ゼイソン
「今説明しまする」
「この宇宙の全ては自性・プラクリティという根本エネルギーで満ちています。そのエネルギーが物質化する原初物質がウロボロスというものであります」
蓮也
「ふむ」
ゼイソン
「このウロボロスは光を透過し、目には一切見えませぬし、普通の物質は干渉しません。そこで、シンボルとイメージを用いて、この原初物質にアプローチするのです」
蓮也
「変な用語が多すぎて、ますますわからんぞ」
ゼイソン
「つまり、尾っぽを加えた竜のイメージをするとします」
ゼイソンは尻尾を加え円形となった竜の図を光魔法で描いた。
蓮也
「イメージしたぞ」
ゼイソン
「更に、その竜が激しく振動しているイメージをします」
蓮也
「よし、したぞ」
「バフッ!」
急に蓮也の手から大きな音を立てて炎が立ち上がり、蓮也がびっくりすると炎は一瞬で消えた。少しだけ髪の毛が焼け焦げて、その匂いが部屋に立ち込める。
蓮也
「なんだこれ・・・」
ゼイソン
「これが原初竜ウロボロスの力なのですじゃ」
蓮也
「すごいな・・・」
ゼイソン
「この空間にはウロボロスが充満しています。というか、空間も物質であり、ウロボロスは空間も作り出しておりまする。そして、全てはこのウロボロスの状態で地水火風空のエネルギー属性が決まるのです」
蓮也
「これはやってみないとわからないな」
ゼイソン
「しかし、今のように行うと危険です。ですから、両手を合掌した状態から少し手と手の空間を開けて、その空間内でイメージをするのです。そうすると、両方の力でエネルギーが拮抗して安全にエネルギーを練ることが可能となります」
と言って、ゼイソンが胸の前で何かを抱えるようなポーズをすると、その手と手の間に不思議なエネルギーを感じる。
ゼイソン
「これも魔法充填の一つの方法ですが、戦場で瞑目するのは危険ですので、実践では閉眼せずに魔法を用いるようにします」
蓮也も早速試し出す。
蓮也
(尻尾を加えた竜が振動してと・・・)
バフッ!
今度は安全に行っているようだ。
ゼイソン
「逆に、この振動を止めるようにイメージすると氷結魔法になります」
ゼイソンの両手から青白い光が漏れ出し、冷気が漂い出す。
ゼイソン
「そして原初竜ウロボロスが密になるとイメージすると土魔法になります」
今度は周辺の空気が重く感じられる。
ゼイソン
「その逆に、ウロボロスが疎になるとイメージすると風魔法になります」
空気がゆっくりと渦を巻いて動き出す。
【原初竜ウロボロスのイメージ】
振動:火↔︎静止:水(氷結)
過疎:風↔︎過密:土
孤児院時代、お遊戯に一切参加しなかった蓮也であったが、このような方法を聞くと蓮也は夜通し練習することもあった。しかし、まだ魔法のリリースには条件が達していなかった。
【解説】
ウロボロスとは、尾を噛み飲み込む蛇であり、様々な文明に見られる。
本作品の世界観では、この神代の世界のウロボロスが、各文明に広がったというものである。
このウロボロスは超弦理論のように振動する紐として、描いてみた。その振動パターンと過疎・過密パターンの組み合わせによって物質の状態が決まるという設定である。もちろん、ファンタジーの世界の話であることは言うまでもない。
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