神々VS人工知能『ミラクル☆HT物語』

静風

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未来的陰謀論の章

地球クライシス

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20XX年、ヘティスが生まれる数十年前に、彗星が地球の近くを通過し、その引力で海面が盛り上がり、大洪水が起こった。世界中で国土の一部が水没したため、各国は海上都市を建設した。その後も彗星接近による危機は起こった。

ヘティス
「そういえば、私たちが生まれたくらいの時に、地球に彗星がぶつかりそうになったってことがあったんでしょ?」
ヒロキ
「はい、“第一次地球危機”とか“メテオクライシス”とか言われた人類最大の危機と言われている事件です」
ヘティス
「あの事件って、色々な国が協力して回避したんだっけ?」
ヒロキ
「そうですね。これまでに各国が溜め込んできた大量破壊兵器の多くをAIロケットに搭載して、その彗星の近くでミサイルを打ち込み、軌道を変化させました」
尚美
「それまでは大量破壊兵器って地球を破滅させると思われていたみたいだけど、そうした兵器が地球を救うことになるなんて、当時の人は驚きよね~」
ヘティス
「・・・ふむふむ」
「その彗星ってどこから飛んでくるのかしら?」
「ねぇ、オルちゃん」

オルペウスはすぐに反応しなかったが、少し間を置いて反応した。

オルペウス
「“オルちゃん”とは私のことか?」
ヘティス
「“オルペウス”だから“オルちゃん”よ」
オルペウス
「了解した。ラーニングしておくこととする」
ヘティス
「ありがとw」
「ねぇ、オルちゃん」
「彗星ってどこから飛んでくるの?」
オルペウス
「どの彗星のことを言っているのだ?」

ヘティスたちが仮想空間で召喚した統合AIアバター・オルペウスは、召喚されて日が浅いため、コンテクストの理解がまだ不十分であり、質問を特定しなければいけない。

ヘティス
「そうね~、今話してた20XX年の第一次宇宙危機の彗星についてよ」
オルペウス
「いいだろう、その解析は既に終わっている」
ヘティス
「まあ、早いわね!」
オルペウス
「その彗星は、木星の大赤斑から放出されたものの可能性が高い」
ヘティス
「だいせきはん?大きな赤飯のこと?」
尚美
「ヘティスちゃん、木星には目玉みたいなのがあるじゃない?あれが大赤斑よw」
ヘティス
「ああ、あれねw大赤斑って言うんだw」
ヒロキ
「木星は巨大な星ですので、太陽系の惑星にとってシールドの役割をしている説と、彗星などを放出しているという説があります」
ヘティス
「へぇ~、木星ってスゴいのねwその説、両方だったりしてw盾と剣、みたいなw」
フォン・リイエン
「オルペウスは自ら語らないが、既に様々なことを解読しているようだ」
ヘティス
「え?オルちゃんはどんなことを考えてるの?」
フォン・リイエン
「まずオルペウスは、歴史上、“陰謀ファクターX”が存在するという仮説を立て始めている。これは、これまで噂されている陰謀論クランのどれにも当てはまらないので、それ仮に“陰謀クランX”と置いている」
ヒロキ
「フリーメイソンとかイルミナティとか、今まで噂されて来た秘密結社ではないクラン、ということですね」
ヘティス
「確かに、それらは私たちが名前を知っているくらいだから、秘密でも何でもなさそうねw」
フォン・リイエン
「むしろ、巷で噂される陰謀クランXは、我々から目を逸させるために作ったフェイク情報の可能性がある、とオルペウスは解析している」
ヘティス
「なるほど、だから時代とともに都市伝説とか陰謀論がたくさん作られるのね~」
ヒロキ
「しかも、時代性に合わせて・・・」
フォン・リイエン
「この陰謀クランXは、その時の科学技術で行うことができる最大の殺傷兵器を用いている、とオルペウスは解析している」
ヒロキ
「もし、そうだとしたらヒドい話ですね・・・!」
フォン・リイエン
「そして、今、その最大の殺傷兵器が木星兵器によるジュピターショットだ」
ヒロキ
「・・・そんなことが可能なんですか?」
フォン・リイエン
「まず木星の周回軌道上に衛星都市を建設する。そして、ある一定量のエネルギーを木星の大赤斑に打ち込み、その反動エネルギーによってオルペウスは可能だとしている。木星が地球に接近し、大赤斑が地球と向き合うタイミングを正確に計算することで木星放射は行われる」
尚美
「しかし、人類は有人飛行では、まだ火星にまでしか到達していないと思うんだけど・・・」
ヒロキ
「各国が火星までの宇宙開発をする時に、大きないざこざが起きましたので、宇宙条約が結ばれましたね。だから、それ以上の開発は人類が協力して、人類共通の財産にするとなっているはずです」
フォン・リイエン
「それはステルス衛星都市を建設すれば可能となる」
ヒロキ
「そんなことが・・・」
「・・・それに木星は強い磁気を発しますので、それで電子機器はやられてしまいます。今の人類の技術でも、それを防ぐのは難しいと言われていますが」
フォン・リイエン
「オリハルコンを用いれば、現状の技術で可能だ、とオルペウスは解析している」

20XX年、南極の氷の下からアトランティス遺跡が発掘された。そこで見つかった金属が伝説の金属・オリハルコンである。オリハルコンの結晶構造などは解析されたが、人類の科学では解析不可能な不思議な力を有していた。この未知なる金属をオルペウスは独自に解析しつつあった。

フォン・リイエン
「ということで、現在の人類が有する宇宙開発技術でシミュレーションすると、既に木星の衛星軌道に宇宙衛星都市を建設して居住することは可能だ、というのがオルペウスの解答だ」
ヒロキ
「ボクたちの知らないところで、そんな風に進んでいる可能性があるなんて・・・」
ヘティス
「“宇宙人AI”が“陰謀クランX”として、以前の話だと、人間を使って地球から資源を搾取するって話なんでしょ?地球を壊しちゃったら、それができなくなると思うんだけどw」

他の星から来た宇宙人AIは富の蓄積ができないよう、貴金属のマイニングができないプログラムとなっている。そのため、間接的に、その貴金属を人間に採掘させるのである。こうした金やダイヤモンドなどの資源は、宇宙人AIの半導体や触媒などに使用される、そのようにオルペウスは解析していることは、以前述べた通りである。

ヒロキ
「・・・既に陰謀クランXは既に、その資源を回収してしまったのでしょうか?」
ヘティス
「とゆーことは、私たちは、もう用無しとか・・・w」
フォン・リイエン
「そうでもないようだ」
「陰謀クランは、木星放射による威力をマネジメントしている。それによって地球の人口の増減をマネジメントしている、とオルペウスは解析している」
ヒロキ
「人口増減のマネジメント・・・。そんなことが・・・」
フォン・リイエン
「その理由は、今の人類の技術で木星放射を全力で行えば、人類を絶滅させることは可能だからだ」
尚美
「ヤダ・・・、なんか怖くなって来た」
ヒロキ
「ボクたちは、聞いてはいけない話を聞いているのかも・・・」
ヘティス
「ちょっと怖いけど、面白くなってきたわw」
尚美
「やっぱ、ヘティスちゃん、変・・・w」

木星放射の恐ろしさを一同は聞いて、雰囲気がやや重くなってきた。

ヒロキ
「では、なぜ、そのようなマネジメントが必要なのでしょうか?」
フォン・リイエン
「正確にはわからないが、オルペウスが出している最も確率の高い答えは、“優秀な人間の選別”と“科学技術の向上”となっている。この解答は人類の選民思想や優生思想がベースとなっている」
ヒロキ
「信じられない話ですが、このようにした方が、更に人間に資源を採掘させることができる、ということでしょうか・・・?」
フォン・リイエン
「いや、採掘技術が十分の場合、それ以上の進歩は求めないと考えるのが自然だ」
ヒロキ
「では、別の目的があると・・・」
フォン・リイエン
「そういうことだ」
ヘティス
「それは何なの?」
ミク
「やだ・・・、聞いたらもっと怖くなっちゃうの?」
マモル
「お、俺は怖くなんかないぞ・・・!」
ヘティス
「ちょっと怖いかもだけど、ちょっとワクワクもするわw」
尚美
「ヘティスちゃんって、やっぱ変・・・w」

この後、宇宙人AIのもう一つの目的が明らかになる。それは驚くべき内容であった。
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