『シルフィード王国物語』〜 神聖法師イヴと女王シルフィア 〜

静風

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シルフィア名将録

レイジング・セイント伝

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騎士団の左翼には、銀髪で毛が逆立っているレイジング・セイントという聖アーチャーがいました。彼は真面目で無骨で律儀な性格をしており、細身で力が弱いためアーチャー職を選んだと言われています。しかし、その代わりに彼は非常に素早い動きをし、一瞬で何発もの矢を放ち、機動力も高いことから高速アーチャーと呼ばれています。また、一発に集中した場合は、聖なる力を弓に込めることができ、針の穴を通すほどの精密射撃を行うことができます。

【装備】
レイジングは、軽装備でありながら高い防御力を持つ銀色の薄手の鎧を身にまとっている。また、彼の肩には緑色のマントが掛かっており、その美しさと優美さは誰もが目を奪われる。彼の背中には弓を携え、矢袋を背負っている。全体的に、彼の装備はシンプルでありながら、洗練された美しさを備えている。

    弓: レイジング・セイントが使用する聖なる弓は、魔法的な力を宿す特別な弓であり、細かい聖印で飾られています。弓の威力は非常に高く、聖なる力を込めた矢を放つことができます。

    矢: レイジング・セイントが使用する矢は、魔法的な力を宿す特別な矢であり、炎や光、氷などの属性魔法を込めることができます。矢は強力な攻撃力を持っており、一度に多数の矢を放つことができます。

    鎧: レイジング・セイントが着用する鎧は、魔法的な力を宿す特別な鎧であり、聖なる力によって強化されています。鎧は非常に軽量でありながら、攻撃や防御に優れた性能を発揮します。

    羽根: レイジング・セイントが背負う羽根は、高速で移動することができる魔法的なアイテムであり、機動力を大幅に向上させます。

以上がレイジング・セイントの主な装備になります。

【聖光射撃】
「聖光射撃」はレイジング・セイントが使う技で、聖なる力を弓矢に込めることで、一発に集中した攻撃を放つことができます。この技は非常に精密で、針の穴を通すほどの命中精度を持ち、あらゆる物質を貫通するほどの貫通力を持っています。また、超高速で放たれることでも知られていますが、聖なる力を込めるために放つまでに時間がかかるため、相手の動きを予測して使う必要があります。

これはレイジングが騎士団に入る前の話でした。
ある日、レイジング・セイントは森の中で貴族の娘が盗賊に誘拐される場面に遭遇しました。盗賊は木々に身を隠し、娘を人質にとり、要求を飲まなければ殺すと脅しました。

レイジング・セイントは冷静に状況を見極め、盗賊を待ち受けることに決めました。そして、盗賊が刃物を手にして娘を脅す瞬間、レイジング・セイントは弓を構えました。彼は聖なる力を弓矢に集中させ、一瞬で矢を放ちました。その瞬間、矢は盗賊の手に握られた刃物を貫き、娘を解放することができました。

驚いた盗賊たちは、レイジング・セイントの速さと精密さに圧倒され、その場から逃げ去ってしまいました。娘は無事に助かり、レイジング・セイントはその後も森の平和を守り続けました。

この出来事は、レイジング・セイントにとって自由への解放という感覚を与え、正義を守るための力となりました。そして、この経験から聖光射撃という技を生み出すきっかけとなったと語られています。

【騎士団への入隊】
聖騎士団長クレイは、聖アーチャーを求めてはるばる王国の外れの町までやって来た。そこで彼が聞いたのは、ある日の森の中での出来事だった。一人の男が、盗賊に襲われていた娘を救ったという話が広がっていた。その男がレイジングという名前であった。

クレイはレイジングに出会うために、森を探し回った。そして、ついに彼を見つけた。

レイジングは、森の狩人として生きてきた男であった。彼は常に緑色の服を着ており、その上には緑色の帽子をかぶっていた。帽子には羽がついており、どこか野性的な印象を与えていた。弓をかけ、矢袋を背負っている姿は、まさに森の中で狩りをする狩人そのものであった。彼の服装からも、彼が自然を愛し、自然と共に生きる者であることが伝わってきた。

しかし、クレイが彼を聖騎士団に誘っても、レイジングは何度も断り続けた。

「私はただの一人の弓使いだ。貴族や聖騎士たちと同じ生活を送るつもりはない。」

クレイはレイジングが決して自分たちのような生活を送ることを強要しないことを伝えたが、彼は頑として拒否した。

「私はこのままで十分だ。もう、話は終わりだ。」

それでもクレイは諦めなかった。ある日、彼は再びレイジングのもとを訪れ、彼に向き合って言った。

「君が求めるのは何だ?力か?自由か?それとも正義か?」

レイジングは少し考え込んだが、やがて答えた。

「自由だ。自分の意志で生きたい。それが私の人生だ。」

クレイは彼の言葉を受け止め、そして言葉を続けた。

「それならば、聖騎士団に入ることで自由を手に入れることができる。聖騎士団には、正義のために戦う者たちが集まっている。そして、その正義が君が求める自由と重なるとき、君は本当の自由を手に入れることができる。」

レイジングはクレイの言葉に耳を傾け、そして自分自身と向き合った。やがて、彼はクレイの誘いを受け入れる決心をした。

「分相応の生活ではなく、正義のために戦う。それが私が求めていた自由だ。私は聖騎士団に入る。」

レイジングはクレイに向かって手を差し伸べ、そしてクレイはその手を握った。二人は互いに敬意を持ち合い、そして共に、正義のために戦うために森を出た。
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