104 / 112
魔法書の旅編
一寸法師と鬼の物語
しおりを挟むイヴは魔法書の中の不思議な空間を彷徨っていました。そこである空間に出ると、とても小さな若武者がいました。彼の名前は一寸法師と言いました。
一寸法師は、鬼が町に悪さをしていることに憤りを感じていましたが、自分の身体が大きくないために自信がなかったのです。イヴは一寸法師の話を聞き、それならば鬼と話し合ってみればいいのではないかと提案しました。
しかし、一寸法師は戸惑いながらも、「そんなの無理だ」と言いました。「鬼は強くて怖い存在だから、話し合いなんて通じるはずがない」と一寸法師は言いました。
イヴは微笑みながら言いました。「戦いでは何も生まれないかもしれませんが、話し合いなら何かが生まれるかもしれませんよ。相手を理解し、共通の解決策を見つけ出すことができれば、鬼も変わる可能性があるのです。」
一寸法師は考え込みました。彼は鬼を懲らしめたい気持ちと、自分の小さな身体を持つことに対する不安を抱えていました。しかし、イヴの言葉に心を打たれ、一寸法師は頷きました。「わかりました、やってみます」と言いました。
イヴと一寸法師は町に向かいました。町には鬼が現れて住民を脅かしていました。一寸法師は小さな身体で鬼に立ち向かいましたが、イヴは魔法を使って鬼の言葉を通訳しました。
イヴと一寸法師が町の鬼たちと話し合いをする中で、彼らは共通の祖先を持っていることがわかりました。鬼たちはオオクニノヌシを、一寸法師はスクナヒコナを祖先としていました。それぞれの祖先たちは、かつて国を作った存在でしたが、追われて山に追いやられ、鬼と呼ばれるようになってしまったのでした。
イヴは驚きながらも、二神の物語を聞きました。かつてオオクニノヌシとスクナヒコナは、人々を導き、国を作った偉大な神々だったのです。しかし、何らかの理由で彼らは国を追われ、その子孫たちは山に追いやられてしまったのです。
一寸法師は、鬼たちが自分たちの祖先であることに驚きと同時に、なぜ彼らが町を襲っていたのかを理解しました。彼らは追いやられた過去を持ち、怒りや悲しみを抱えていたのです。
イヴは一寸法師に微笑みながら言いました。「これはチャンスですね。私たちはオオクニノヌシとスクナヒコナの子孫たちを再び結び付け、和解を促すことができます。」
一寸法師も同じように思いました。彼は鬼たちと共通の祖先を持っていることに、新たな希望を見出しました。そして、イヴと一寸法師は鬼たちとの対話を続けました。
時間をかけながら、イヴと一寸法師は鬼たちとの間に信頼関係を築き上げていきました。彼らはお互いの思いやりや過去の経緯を尊重し、共通の解決策を見つけ出しました。
最終的に、オオクニノヌシとスクナヒコナの子孫たちは和解し、町に平和が戻りました。鬼たちは自分たちのルーツを取り戻し、一寸法師は町の住民から英雄として讃えられました。
イヴと一寸法師は、戦いではなく話し合いを選ぶことの大切さを再び証明しました。そして、彼らは共に新しい友情を築き、町の人々と鬼たちの間に和解をもたらしました。彼らは互いの文化や背景を尊重し合い、協力して町をより良い場所にするために努めました。
一寸法師は自分自身も成長し、自信を持つことができました。彼は自分の体の小ささを乗り越え、自分自身の強みを見つけ出しました。そして、町の人々に貢献することで、自分自身の存在価値を再確認することができました。
イヴも一寸法師の勇気と決断を尊敬しました。彼女は、魔法の力を使って物事を解決するだけでなく、コミュニケーションと対話の大切さを学びました。そして、それが人々をつなぎ、和解を促す力を持っていることを知りました。
町は再び平和で繁栄するようになりました。鬼たちは町の一員として受け入れられ、お互いの違いを尊重しながら共に生活しました。イヴと一寸法師は、和解の力が戦いよりも大きいことを証明し、人々に新たな視点を与えました。
物語は、イヴと一寸法師が力を合わせて和解を促し、町を平和な場所に導いた姿で終わりました。彼らは異なる背景を持ちながらも、コミュニケーションと対話を通じて問題を解決し、互いを尊重することの大切さを学んだのでした。そして、彼らの努力によって、魔法書の不思議な空間もより素敵な場所となりました。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
