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聖騎士編

無敵の傭兵

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イシュトヴァン将軍とカタリナ中尉は、疲れ果てて王宮に帰還した。国王クリスターは、二人の様子を見てすぐに何が起こったかを察し、心配そうに尋ねた。

「どうだった?戦いは勝利したか?」

イシュトヴァン将軍は、苦々しい表情で答えた。

「いいえ陛下。クレイ・アルディスの聖光騎馬突撃によって、私たちは敗北を喫しました。何度もやられてしまいました」

カタリナ中尉もうなずいた。国王クリスターは、ふとレイドと相談することを思いつき、彼を招集した。

レイドは、国王の呼び出しに応じてすぐに王宮に現れた。彼は、聖光騎馬突撃について知っていた。

国王クリスターはレイドの進言に耳を傾けた。

「ゼノス・ブラッドローズか…そうかもしれんな」と考え込む。

ゼノス・ブラッドローズという名の傭兵は、その名を聞いただけで恐怖を感じるほどの凄腕だった。彼の前に敵はただの餌食に過ぎないと言われていた。国王はゼノスに依頼することを決め、すぐに使者を派遣した。

使者はゼノスの居場所を探し出し、彼に国王の依頼を伝えた。そして、ゼノスが現れた。

レイド: 「陛下、ゼノスが求める報酬は高額ですが、彼にはこの戦いに勝利する確率が高いと思われます。我々には選択肢がありません。」

国王クリスター: 「しかし、騎士団長になることは彼に与えることは・・・。彼は我々の信頼を得ていない。」

ゼノス・ブラッドローズ: 「陛下、あなたが私を信頼する必要はありません。私は自分自身を信じています。私はこの戦いに勝つ自信があります。そして、私が倒したら、私の報酬を支払うことをお約束ください。」

国王クリスター: 「わかりました。レイド、ゼノスに支払う報酬は用意でるのか?」

レイド: 「陛下、心配しないでください。私たちは準備ができています。ゼノスに支払うだけの報酬が用意されています。」

国王クリスター: 「では、ゼノスに報酬を支払い、彼をこの戦いに送り出そう。」

ゼノス・ブラッドローズ: 「ありがとうございます、陛下。私はこの戦いに勝利するために全力を尽くします。」

国王クリスター: 「願わくば、そうでありたいものだ」

ゼノスは、自信たっぷりに「クレイ・アルディスなど容易く倒せる」と返答し、すぐに出発することを約束した。

レイドは、一騎打ちによってゼノスとの勝負を挑むことを提案した。この挑戦により、ゼノスは聖騎士団長クレイと直接対峙することになり、クレイの聖光騎馬突撃を無力化できると考えられた。また、クレイには、ゼノスに打ち勝つための秘策があった。さらに、ゼノスがクリスタル国の暗黒騎士団長であることは、この戦いにとって好都合だった。お互い、大将同士であるなら、一騎打ちの申し込みが承諾される可能性があがるからである。

数日が経ち、突然聖騎士団の前に黒騎士が現れた。その鎧は光を吸い込むような黒さを放ち、その目は凍てつくような鋭さを持っていた。剣を抜く音が響き渡り、そのままゼノスはクレイ・アルディスに向かって一歩を踏み出した。

クレイはゼノスから発せられる殺気を感じた。グロリアスはゼノスの噂を聞いたことがあるとクレイに告げた。ゼノスは無敵の傭兵として知られており、彼が現れた時は敵対する者たちは背筋が凍るような恐怖を感じると言われていたのだ。

ゼノスは荒々しい口調で語りかけた。

「私はゼノス。この軍の総大将だ。お主は兵を何と思っている?兵士たちを巻き込んで自分たちの威信を高めるつもりか?私は、ここで一騎打ちを申し込む。勝者が勝ち、敗者が降伏する。さあ、どうだ?」

彼の言葉に続いて、ゼノスの軍勢からも歓声が飛び交った。レイドはこの様子を見て、勝利の笑みを浮かべた。もし聖騎士クレイが断ったら、彼の兵士たちは萎え、一騎打ちに応じたら、クレイが秘めている策にかかることになるのだ。

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ゼノスの挑発に対し、クレイは得意の笑顔で答えた。

「おお、これは良い提案じゃないか、我々の衝突は、確かに兵を損じることになるだろう。では、一騎打ちで解決することにしよう!」

一方、グロリアスはクレイの決断に心配そうに口を開いた。

「でも、クレイ!ゼノスだけはまずい。一騎打ちなど有利な戦いじゃない。」

しかし、クレイは自信満々の表情を見せた。

「大丈夫だ、グロリアス。私はそう簡単にやられはしないさ。相手が無敵と言われても、私も未だ不敗だからな」

グロリアスはまだ心配そうな表情を浮かべていたが、クレイの意志は固く、彼もそれを受け入れることにした。
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