その学園にご用心

マグロ

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番外編

桜李、女装再び1

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日曜日、桜李は1人で街に来ていた。 

というのも先日、オーストラリアにいる父から電話があった。

その内容は父の親友が芸能事務所の代表をしているらしいのだが、そこの事務所に所属している外国人のモデルさんが事故をしてしまい、しばらく入院することになってしまったそうだ。

そのモデルさんが今度、日本でかなり有名な雑誌のモデルとして起用されていたみたいで今から代役を探すのも他の人達のスケジュールもあるし難しいとの事。

そこで父の親友が思い出したのは雅紀(桜李の父)の子は確か母親似で金髪、青目だったはず。
小さい頃の写真しか見たことなかったがめちゃくちゃ可愛かったのを覚えている。
そしてこないだ雅紀と電話をした時に息子は日本の高校に行っていると言っていたのを思い出し、父に僕がモデルの代役をしてもらえないか頼んでほしい。と言われたそうだ。

しかも、そのモデルさんは女性。
だから女装してモデルをしてほしいと。
相手役に男性モデルもいるらしく女装は必須みたいだ。

最初こそ父は渋ったみたいだが、親友の頼みを無下にも出来ないと言う事で聞くだけ聞いてみよう。という事で僕に連絡が来た。

嫌だったら断っても構わない。と言われたが父の親友が相当、困っているみたいだし僕に出来ることならと引き受けた。

女装は1回、学校でもしてるし1回も2回も変わらないよね!ということで今、待ち合わせ場所に向かっていた。

大きな時計台の下に紺色のストライプのスーツに赤色のネクタイをした人だと聞いていた為、すぐに分かった。
ピシッとしたシャツに高そうなスーツを着て時折、腕時計を見ている男前な人に近寄り話し掛けた。

「すいません。神笠雅紀の息子の桜李と申します。大槻さんですか?」

「はい。いきなりこんな…」

笑顔でこっちを向いた大槻さんは僕を見るなり目を見開いて固まってしまった。

ん?どうしたんだろう?

「あの~…」

声を掛けるとハッとした顔になり大槻さんは話し出した。

「あ!ごめんね!まさか雅紀の息子がこんなに綺麗な子になってるなんて想像してなくて。小さい頃は可愛かったから可愛くはなってるだろうな。とは思ってたけどまさかこんな…。こんなキラキラした子に…。ブツブツ…」

また1人の世界に入ってしまった。
どうしようかなー。と思っていたら周りが騒がしい事に気付いた。

「ちょっと見て!!金髪の子!!めちゃくちゃ綺麗じゃない!?」

「芸能人か何かかな!?」

「キャー!綺麗すぎる!写真一緒に撮ってくれないかな!?」

「話しかけてみる!?」

「隣の人もカッコいいおじ様だよ!」

などなど…。
桜李は何を言ってるか分からなかったが大槻さんは分かったようだ。

「チッ。桜李君、少し移動しようか。そこで色々、説明させてもらうね。おいで」

そう言って大槻さんは桜李の手をひいて自分の車まで連れて行ってくれた。

助手席を開けてくれたので、すいません。と言い乗り込んだ。
運転席へ大槻さんも乗り込み、車を発進させた。

向かう場所は一旦、大槻さんの事務所みたいだ。
モデルの仕事は午後からにズラしてくれたみたいで午前中はこれからの説明と女装の為の準備に時間を使うみたい。

「改めて桜李君。さっきは本当にごめんね。僕は君の父と中学からの親友で大槻 昇-おおつき のぼる-と言います。今日は引き受けてくれてありがとう。お礼は必ずするからね」

「いえ、僕は神笠桜李と言います。いつも父がお世話になってます。僕に出来る事なら何でも頑張りますので遠慮なく言って下さい」

「桜李君は良い子だね。本当に雅紀の子?」

「多分…父の子だと思います…」

と言いながら2人で笑っていたら事務所に着いたみたいだ。

車から降り、大槻さんに案内されてとても広い部屋に通され、高そうなソファーに座らされた。

ちょっと待ってて。と大槻さんが出て行ってからすぐにケーキと紅茶を持って戻って来た。

甘い物が大好きな僕は目をキラキラさせ大槻さんを見た。
大槻さんは優しい笑顔でどうぞ。と言ってくれた。

1口食べるとほっぺが落ちそうな美味しさに目を閉じると大槻さんがクスクス笑っている声が聞こえた。

恥ずかしくなり慌てて姿勢を正した。

「桜李君は可愛いなぁ。おかわりもあるから欲しかったら言ってね」

「ありがとうございます…」

顔が真っ赤になるのが分かったが下を向き、ケーキを頬張った。

「さて、桜李君。今日の事を説明してもいいかな?」

「はい。お願いします!」

「今日は午後から雅紀から聞いた通り、女装してもらってモデルをしてもらうね。相手の男性はうちの芸能事務所の看板モデルで俳優もしてる新川 真-あらかわ   しん-君て名前の子だよ。今回の雑誌は外国人女性とロマンチックな夜デートをテーマに撮ってもらうから。それと桜李君が女装して参加する事は真にも伝えてあるから気を張らなくて大丈夫だよ。言われた通りにポーズを取ってくれたらいいから」

「はい。分かりました。でも、僕が女装して参加してもいいんでしょうか?新川さんは男が相手だとテーマがテーマだけにやる気なくなるんじゃ…」

「あぁ。全然大丈夫!最初、説明した時はすごくゴネてたけど桜李君見たら絶対にやる気出るはずだから。他に質問は?」

「いえ、特にありません」

やけに自信満々な大槻さんに僕が不安になったが大槻さんが大丈夫って言ってるのだからそれを信じよう。

説明が終わり、メイクルームへと案内された。
そこには目をキラキラさせて僕を見るメイクさん達が3人いてあれよあれよと着替えさせられメイクされてしまった。

ちなみに今回はロングヘアの緩めに巻かれた金髪のカツラを付けさせられた。

メイクさん達はキャーキャー言いながら楽しそうにメイクをしていた。

そして渡された服を何着か着てメイクさん3人がこれだ!!と一致した、肩が出るオフショルダータイプのふんわりした薄ピンク色のワンピースに決まった。

とっても綺麗!似合ってる!と言われ、褒められて?いるので悪い気はしない。
仕度が終わるまで鏡を見せてもらえなかったので鏡を見る。

おぉ…。これはまたなかなかの女の子に見える。
やはり本物のメイクさんの手に掛かればこうも変わるのかと思うほど、自分は実は女の子だったんじゃないかと疑うくらい女の子になっていた。

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