僕は伝説の神獣らしい

第一章

18

「うさぎの神獣！」

「それは無理がある。まず耳が違う」

「ネコ！」

「シッポが違うだろう」

「……」

僕が押し黙ると次にその人は僕の頭を触ってナデナデして来た。
初めての頭ナデナデ…。
気持ちいい。と目を瞑るとフッと笑った声が聞こえた。
目を開け、見上げるとその人と目が合った。

「君の口から聞きたかったが…何か言いたくないみたいだな。これ以上は聞かない。悪かったな」

どこかカインと話し方や雰囲気が似ていて少し安心した。

「あの…今カインはいないよ」

「みたいだな」

そう言いつつも出て行こうとしない人間さん。

あれ？カインに用事があったから来たんじゃないの？と首を傾げた。

「君の名前は聞いてもいいか？」

「うん！僕はルル！」

「ルルか。俺はジーク。ジーク・オールソンだ。第二騎士団長をしている」

「あ！だからカインと似てる服、着てるんだね！レオンの騎士服とちょっと違うし」

「レオンの事も知ってるのか。まぁ、そうだな。この服は騎士団長しか着てないしな」

「そっか！」

最初はちょっと怖そうな感じだったけど頭撫でてくれるし話せば優しいし良い人でよかった。

「ルルはいつもここにいるのか？」

「そう！カインが森へ帰れって言うんだけど僕がワガママ言ってここにいるの！」

「そうか。また会いに来てもいいか？」

「僕は良いけど、カインに言わなきゃ」

「分かった。カインに用事があるしそのついでに俺から言っておこう」

そう言ってまた僕の頭を撫で、また来ると言って出て行った。

カインが戻って来たら謝らなきゃ。

そんな事を思いつつ、僕はお昼寝する為にカインの匂いがするベッドへ潜り込んだ。