僕は伝説の神獣らしい

マグロ

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第一章

48 カインサイド

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カインはホクホクした気持ちで王城に帰った。

途端にヤイチが姿を現し、攻撃して来て一悶着あったがレオンが間に入り何とか収まった。

「勘弁してくれよ。帰り着いてからもこれじゃ、俺の体が持たないぞ」

「あぁ…悪かったな」

と2人で総司令官の所へ行く為、歩いていると前方から宰相が歩いて来た。

「カイン・ライザー。私が言いたい事が分かるか?」

「いや、分かりません」

とすっとぼけるカインにレオンはヒヤッとした。
ウォッカ宰相を怒らせると後が怖いのだ。

「ふむ。分からない…。討伐の時に何があったかと口にしても…?」

「そうですね。その口振りからすると総司令官に何か聞いたはずですが何故また私から話を聞き出そうとするのでしょう」

レオンはこんなに好戦的なカインを見たのは初めてだがそうなる理由も分かるので止めない。
何かあれば俺も一緒に面倒を被ろう。と見守る事にした。

が、突然宰相が笑い出した。

「くっ…。ははっ。カイン・ライザー。そう警戒するな。悪いようにはなっていない。私達…いや、この国もお前達の味方だと安心して貰いたい。詳しい話は国王と謁見の間でしてもらう。総司令官もそこにいる。今から来てくれ」

そう言い、拒否は許さないとでも言うようにこちらの返事を聞く前に種を返した。

カインは、予想はしていたものの、こうも早く動かれるとは思っておらず、重いため息を吐きながら着いて行った。

「第一騎士団長カイン・ライザー殿、並びに第一騎士副団長レオン・マーデル殿がご到着されました」

ドアの前で待機していた王族を主に護衛する近衛騎士が声を張り上げる。

その後、重厚なドアが開き謁見の間に通される。

中にはこの国の国王と宰相、総司令官しかいなかった。

カインは一礼し王が座っている場所より少し離れた所に片膝を立て座り、左胸に手を当て頭を下げた。

「カイン・ライザー。ただいま戻りました」

レオンも同じく答えた。

「うむ。ご苦労であった。頭を上げよ」

そう言われ頭を上げ、王を見た。
王は見事なブロンド色の髪をなびかせ、透き通る様なブルーの瞳でカインをジッと見ていた。

王もまた若くして30歳と言う年齢で王位を継ぎ現在40歳とまだまだ歴代の王達よりは若いが威厳もあり賢王として民に慕われている。

カインも王が王太子時代に剣の手合わせ等をして貰っていた為、悪い仲ではなくむしろ尊敬している方だが今回の件に関してだけは警戒していた。

「カイン。貴殿は私に何か隠してはおらぬか」

「契約獣について。でしょうか」

「ほう…。分かってはいたのだな。私に何か言う事は?」

「特にありません。王国法において神獣を得たという申告はしなければなりませんが、何の神獣と契約したかは個人法によりしてもしなくてもよかったはずです」

「カイン!」

そう言うと王の隣に立っていた総司令官であるナディエルが声をあげた。
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