僕は伝説の神獣らしい

マグロ

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第一章

49 カインサイド

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「よいよい。あれだけ神獣と契約した方がいいと言っても聞く耳を持たなかった奴が契約しただけでも両手をあげて喜ぶ所をカインは歴史に残ることを成し遂げた。凄い奴だとは思っていたが、本当にお前は私の想像を遥か上を行く」

「ありがたきお言葉です」

「して、カイン貴殿はこれからどうするつもりだ?」

「どうするつもりだと言いますと?私は今まで通り、神獣の力は借りず、討伐に出るつもりです」

「そうか。カインの契約獣は…ペガサス様で間違いないか」

カインもう後戻りは出来ないと腹を括り何度目かの重いため息を吐いた。

「はぁ…。そうです」

「どのようにして出会った?」

「神の森で出会いました」

「ならばどうやって契約したのだ?」

「そこまで言わなければいけませんか」

その途端にピリッとした空気が漂ったのをレオンは感じた。
国王の質問には必ず答えなければいけない。
下手をすれば不敬罪になりかねない。
レオンはヒヤヒヤしながら国王とカインのやり取りを黙って見守った。

宰相や総司令官もピリついた空気を出しているが口を挟んだりしなかった。

国王は考えあぐねていた。

ペガサス様の契約者はカイン。
そのカインは騎士団長になる時、国王に忠誠を誓っている。

そのような事は決してないとは思うが、もしもカインがペガサス様の力を全て使うような事があればこの国は終わるだろう。

最悪、大陸全土が無くなりかねないのだ。

幸い、カインはペガサス様をどうこうしようと考えてはいない。
ましてや人前に出そう等と思っておらず、むしろ話をしている限り守ろうとしているように見えた。

「カイン。私もお前達を守りたいんだ。決して利用しようなどとは思っていない。隣国に知られた以上、他国に広まるのも時間の問題だ。そうなれば他国は黙ってはいないだろう。ならばペガサス様は国で保護をし国の許可なくカイン、またはペガサス様との接触は禁止にしようと私は考えている。どうだろうか」

「ありがたいお言葉ですが、そればかりはペガサス様の意志も必要です。考え方によっては国での保護を受け、国の許可を得られれば誰であろうとペガサス様は許可を得られた人物に必ず会わないといけないように聞こえます」

「ふむ。ならばこうしよう。ペガサス様の意思を必ず尊重しペガサス様がよければ国が許可を出そう。しかし、ペガサス様が嫌だとおっしゃるならば絶対に許可は出さない。そしてペガサス様のお許しが出てもまずはカインに先に話を通そう。そこでカインが拒否をすればまたしかり。カインが大丈夫だと思えたならばペガサス様を呼んで頂こう」

「畏まりました。またこの話はペガサス様と話をさせて下さい。今すぐに返事をするのは待って頂きたい」

「うむ。よかろう」

そこで一旦、話はまとまった。


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