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第一章
50 カインサイド
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ペガサス様が国の保護を受けてくれるのであれば後日、国の上層部だけを集めてペガサス様に挨拶がしたい。
そう国王に言われ謁見の間を後にした。
カインはこの国が賢王と呼ばれる人物でよかったと安堵した。
最悪、ルルの力に目がくらみ利用しようと言う話が出た場合は忠誠を誓った相手であってもルルを守る為、この国を出ようと思っていたのだ。
「カイン。お前もこれから大変だと思うけど俺が出来る事は何でもするから言ってくれよ」
「あぁ。ありがとう」
そう言って2人の間には沈黙が流れた。
レオンと別れ、自分の部屋に向かっているとドアの前にはジークがいた。
「なんだ。お前、総司令官に報告は終わったのか」
「だいたいは。と言うよりルルの話がデカすぎてあまり報告することもなかったな」
とジークはフッと笑った。
「まあ、中に入れよ。たまには一杯どうだ」
「お前から誘うなんて初めてだな」
「お前も協力者の1人だからな。話し合ってて損はないだろう」
「あぁ、そうだな」
そこから2人は明け方まで話をしたのだった。
次の日は国王からも1日休めと言われていた為、久々に騎士服ではなく普段着を着た。
ルルは今、何をしているだろう。
また水浴び中に行ったらもう言い訳も出来んな。
等と思いながらルルの元に行く前にクパの実と甘いお菓子を気に入っていたのでそれらを買いに街へ降りた。
ルルには念話でもう少ししたら行く旨を伝えてある。
ルルもまた神獣達と遊んでる事を伝えて来た為、フッと笑みがこぼれた。
それを小さい子が見ていて目が合った。
「お兄さんなんで1人で笑ってるの?」
子供は素直に疑問を口にする生き物だ。
恥ずかしくなり「あぁ~と…」と言ったっきり目を彷徨わせた。
すると子供が手にしている絵本が目に入った。
タイトルは[伝説のペガサス様]。
「ペガサス様は好きか?」
何とか話を逸らそうと瞬時に質問返しをした。
「うん!大好き!優しいし強いし僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰なんだよ!!」
と絵本を掲げピョンピョン跳ねた。
「そうだな」
と返した所で母親らしき人物が呼んでいた。
その子供に手を振り立ち上がる。
「僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰…か」
なんだか少しルルが遠いような存在に思えて来た。
実際、本当に自分が契約者でよかったんだろうかと。
ルルは俺に懐いてくれているけど自分よりも相応しい契約者が他にいたんじゃないかと。
少し俯いて手に持ったクパの実とお菓子が目についた。
ニコニコ笑って美味しそうに食べるルルが頭によぎり、俺らしくもないと前を向いた。
早くルルに会いたい。
そう思い、神の森へ足を向けたのだった。
そう国王に言われ謁見の間を後にした。
カインはこの国が賢王と呼ばれる人物でよかったと安堵した。
最悪、ルルの力に目がくらみ利用しようと言う話が出た場合は忠誠を誓った相手であってもルルを守る為、この国を出ようと思っていたのだ。
「カイン。お前もこれから大変だと思うけど俺が出来る事は何でもするから言ってくれよ」
「あぁ。ありがとう」
そう言って2人の間には沈黙が流れた。
レオンと別れ、自分の部屋に向かっているとドアの前にはジークがいた。
「なんだ。お前、総司令官に報告は終わったのか」
「だいたいは。と言うよりルルの話がデカすぎてあまり報告することもなかったな」
とジークはフッと笑った。
「まあ、中に入れよ。たまには一杯どうだ」
「お前から誘うなんて初めてだな」
「お前も協力者の1人だからな。話し合ってて損はないだろう」
「あぁ、そうだな」
そこから2人は明け方まで話をしたのだった。
次の日は国王からも1日休めと言われていた為、久々に騎士服ではなく普段着を着た。
ルルは今、何をしているだろう。
また水浴び中に行ったらもう言い訳も出来んな。
等と思いながらルルの元に行く前にクパの実と甘いお菓子を気に入っていたのでそれらを買いに街へ降りた。
ルルには念話でもう少ししたら行く旨を伝えてある。
ルルもまた神獣達と遊んでる事を伝えて来た為、フッと笑みがこぼれた。
それを小さい子が見ていて目が合った。
「お兄さんなんで1人で笑ってるの?」
子供は素直に疑問を口にする生き物だ。
恥ずかしくなり「あぁ~と…」と言ったっきり目を彷徨わせた。
すると子供が手にしている絵本が目に入った。
タイトルは[伝説のペガサス様]。
「ペガサス様は好きか?」
何とか話を逸らそうと瞬時に質問返しをした。
「うん!大好き!優しいし強いし僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰なんだよ!!」
と絵本を掲げピョンピョン跳ねた。
「そうだな」
と返した所で母親らしき人物が呼んでいた。
その子供に手を振り立ち上がる。
「僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰…か」
なんだか少しルルが遠いような存在に思えて来た。
実際、本当に自分が契約者でよかったんだろうかと。
ルルは俺に懐いてくれているけど自分よりも相応しい契約者が他にいたんじゃないかと。
少し俯いて手に持ったクパの実とお菓子が目についた。
ニコニコ笑って美味しそうに食べるルルが頭によぎり、俺らしくもないと前を向いた。
早くルルに会いたい。
そう思い、神の森へ足を向けたのだった。
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