僕は伝説の神獣らしい

マグロ

文字の大きさ
上 下
51 / 55
第一章

51

しおりを挟む
「ルル」

リスの神獣やうさぎの神獣と遊んでいると名前を呼ばれた。

後ろを振り返れば思った通りの人物。
カインが立っていた。

「カイン!!」

名を呼び立ち上がる。
嬉しくてカインの所まで走る。

ぐいぐいとカインの腕を引っ張りさっきまで遊んでた場所まで移動した。

「これ、お土産だ」

とカインがくれた袋の中身はクパの実と甘いお菓子!

キャー!!と目を輝かせお礼を言った。

クパの実が沢山あったのでカインの許可を得て、遊んでいた神獣達と食べた。

後でバルカとガイルにもあげようと1つ残した。

神獣達が自分の寝床に帰った後、カインが話があると言って来たのでいつもの場所に腰をおろした。

「話って何?」

「あのな…ルルの存在が隣国との討伐の件で周りにバレただろ。それで国の奴らがルルを保護したいって言って来たんだ。ルルを守りたいと。だが、もし保護を受ければ何かと人前に出ないといけない機会があるかもしれない。それは俺の本意ではない。強制ではないからルルが嫌だと思ったら拒否してくれてもいい。だが、保護を受ければ国が他との接触を制限してくれるだろう。その前に俺が先に見極める。ルル、今すぐに返事をくれとは言わない。よく考えて答えを出してくれないか」

カインが物凄く深刻そうな顔で言って来た。
でも、僕は話を聞いてる間からもう答えは決まっていた。

「うん!いいよ!僕、国の保護を受けるよ。よく分かんないけど悪いようにはしないってことでしょ?」

「ルル?よーく考えるんだ。お前は俺達にとって伝説の神獣なんだ。ルルが表に出るようになれば誰もがお前に会いたがる。だけど本来、ルルはあまり人前に出てはいけない」

「うん。バルカとガイルにも小さい頃から人間さんに会ったらいけないって言われてたからカインの言いたい事は分かるよ。でも僕はカインと一緒にいたい。国の保護を受ければ前より会いやすくなるだろうし今まで通りあまり人前に出るつもりもないよ。何よりカインが僕を守ってくれるんでしょ?」

そう言ってニッコリ笑えばカインは顔を片手で隠し上を向いた。

そしてしばらくして真剣な顔をしたカインが僕を見た。

「当たり前だ。ルルが嫌な思いをしないように俺が守る」

「ならいいよ。僕も何かあればカインを守るからね」

「ルル…ありがとう」

「僕もありがとう」

2人して顔を見合わせ、フフッと笑った。

それから後日、国の上層部と会ってもらいたいと言われた。
日にちはまた伝えると言って、今からまた話し合いに行く為に帰って行った。





しおりを挟む

処理中です...