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ビッチ(処女)、騎士団の訓練所に行く
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チョロチョロ動き回る使い魔たちに苦労して、ようやく訓練所にたどり着いた俺だったが、入り口で早くも躓いてしまった。門番が俺の前に立ち塞がったのだ。
「だから、セオドアにこれを届けに来たんだってば! 中に入れろよ!」
「赤子を連れた悪魔族の小僧を入れるわけにはいかん。とっとと帰れ」
「あちゅりー、追い出された、みじめ! みじめ!」
「あきゃきゃ! みじめーみじめー」
うるせぇおむつ使い魔ども。まぁ、この門番の言っていることは正論だ。何人も赤ん坊連れた悪魔族のガキが来たら、誰だって追い払う。しかし今の俺はこの封筒をセオドアに届けなければならない。
仕方ない。使うしかない。超可愛いアシュリー様の得意技……『魅了魔法』を!
魔力を高め、よちよち歩きの使い魔たちを足元に集結させる。俺の体から甘ったるい匂いが放たれ、ふわふわと
辺りに漂った。
門番野郎の厳しい表情は、みるみるうちにだらしないマヌケ面に変化していく。
「おっちゃん、中に入れて? ね? 中に入れてぇ? お願い?」
『おねがぁーい』
使い魔たちからも甘い匂いが放たれ、さらに魅了魔法の威力を高める。
門番ははぁはぁと息を乱し、俺を見つめた。
「はぁ……はぁ……っ、褐色生意気小悪魔美少年いいよ、ビッチいいよビッチ……はぁはぁっ、赤ちゃん連れでママみが増してるよ……ショタママはぁはぁ」
なんだこいつ、やべー奴じゃん。きっも!
これ以上ここにいたら脱がされそうだから、使い魔たちと一緒に訓練所の中に入ることにした。
すれ違う兵士たちから咎められることはない。俺たちの魅了魔法の餌食になっているからだ。むさ苦しい野郎どもばかりの訓練所を闊歩する、褐色悪魔族美少年と悪魔尻尾と羽根つき赤ちゃんども。明らかに場違いな存在だが、魅了魔法でみんな俺の虜になっている。
やっぱり俺の魅了魔法は効果抜群だ。このまま王様まで魅了して、人間たちの世界を乗っ取ってやるのもいいな。そうすりゃ俺が第二の魔王様だ。
欲が出る。これはいけるんじゃないか、と。王都を陥落させれば、人間どもの世界を手に入れるなど容易いこと。王様を魅了して俺の意のままに……。
やべぇ。笑いが止まんねぇわ。ニタニタしながら施設内を歩いてるとか、完全に不審者だけど仕方ない。
石造りの建物の中を我が物顔で進み、廊下を右へと曲がる。仰々しい扉が続くそこに見慣れた男の姿があった。
セオドアだ。訓練用らしい簡易的な鎧を纏っているが、だからこそ彼の肉体の美しさがよく分かる。厚い胸板も、逞しい腕も、しっかりとした顎も……彫刻にも似た男らしい肉体美が服を着て立っていた。部下と思われる男とは比べ物にならない、華やかな立ち姿だった。
セオドアは俺に気付き、一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにいつもの柔らかで輝かしい笑顔を作りこちらへと歩み寄ってきた。
「アシュリー、どうしてこのようなところに……」
「あの、その……これ、忘れ物……」
俺が差し出した封筒を受け取り、彼は苦笑いをした。
「これはうっかりだ。騎士団長たるもの、忘れ物などしていては示しがつかないのにな。ありがとう、アシュリー」
大きな手が俺の頭を撫でる。そんな優しい笑顔やめて。顔がいい、マジで顔が良すぎる。
「しかし……ここの警備をどうやって突破してきたんだい?」
「魅了魔法で……」
「何? あぁ、そうか。君は悪魔族でそのような魔法が使えるのか。いけない子だな、アシュリー。男を誘惑し、ここまでやって来たのかい……?」
長い指が、俺の頬をなぞる。身を屈ませたセオドアの唇から零れる吐息が、俺の耳を刺激した。
「悪い子には……分からせてやらないといけないな……」
「はひ……お仕置きいっぱいしてくらさいぃ……っ」
こいつ俺以上に魅了魔法使いこなしてやがる。
セオドアに魅了され蕩けた俺は、その後セオドアと彼の上官から二時間に及ぶガチ説教を受けたのだった。もちろん、立ったままで……。
「だから、セオドアにこれを届けに来たんだってば! 中に入れろよ!」
「赤子を連れた悪魔族の小僧を入れるわけにはいかん。とっとと帰れ」
「あちゅりー、追い出された、みじめ! みじめ!」
「あきゃきゃ! みじめーみじめー」
うるせぇおむつ使い魔ども。まぁ、この門番の言っていることは正論だ。何人も赤ん坊連れた悪魔族のガキが来たら、誰だって追い払う。しかし今の俺はこの封筒をセオドアに届けなければならない。
仕方ない。使うしかない。超可愛いアシュリー様の得意技……『魅了魔法』を!
魔力を高め、よちよち歩きの使い魔たちを足元に集結させる。俺の体から甘ったるい匂いが放たれ、ふわふわと
辺りに漂った。
門番野郎の厳しい表情は、みるみるうちにだらしないマヌケ面に変化していく。
「おっちゃん、中に入れて? ね? 中に入れてぇ? お願い?」
『おねがぁーい』
使い魔たちからも甘い匂いが放たれ、さらに魅了魔法の威力を高める。
門番ははぁはぁと息を乱し、俺を見つめた。
「はぁ……はぁ……っ、褐色生意気小悪魔美少年いいよ、ビッチいいよビッチ……はぁはぁっ、赤ちゃん連れでママみが増してるよ……ショタママはぁはぁ」
なんだこいつ、やべー奴じゃん。きっも!
これ以上ここにいたら脱がされそうだから、使い魔たちと一緒に訓練所の中に入ることにした。
すれ違う兵士たちから咎められることはない。俺たちの魅了魔法の餌食になっているからだ。むさ苦しい野郎どもばかりの訓練所を闊歩する、褐色悪魔族美少年と悪魔尻尾と羽根つき赤ちゃんども。明らかに場違いな存在だが、魅了魔法でみんな俺の虜になっている。
やっぱり俺の魅了魔法は効果抜群だ。このまま王様まで魅了して、人間たちの世界を乗っ取ってやるのもいいな。そうすりゃ俺が第二の魔王様だ。
欲が出る。これはいけるんじゃないか、と。王都を陥落させれば、人間どもの世界を手に入れるなど容易いこと。王様を魅了して俺の意のままに……。
やべぇ。笑いが止まんねぇわ。ニタニタしながら施設内を歩いてるとか、完全に不審者だけど仕方ない。
石造りの建物の中を我が物顔で進み、廊下を右へと曲がる。仰々しい扉が続くそこに見慣れた男の姿があった。
セオドアだ。訓練用らしい簡易的な鎧を纏っているが、だからこそ彼の肉体の美しさがよく分かる。厚い胸板も、逞しい腕も、しっかりとした顎も……彫刻にも似た男らしい肉体美が服を着て立っていた。部下と思われる男とは比べ物にならない、華やかな立ち姿だった。
セオドアは俺に気付き、一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにいつもの柔らかで輝かしい笑顔を作りこちらへと歩み寄ってきた。
「アシュリー、どうしてこのようなところに……」
「あの、その……これ、忘れ物……」
俺が差し出した封筒を受け取り、彼は苦笑いをした。
「これはうっかりだ。騎士団長たるもの、忘れ物などしていては示しがつかないのにな。ありがとう、アシュリー」
大きな手が俺の頭を撫でる。そんな優しい笑顔やめて。顔がいい、マジで顔が良すぎる。
「しかし……ここの警備をどうやって突破してきたんだい?」
「魅了魔法で……」
「何? あぁ、そうか。君は悪魔族でそのような魔法が使えるのか。いけない子だな、アシュリー。男を誘惑し、ここまでやって来たのかい……?」
長い指が、俺の頬をなぞる。身を屈ませたセオドアの唇から零れる吐息が、俺の耳を刺激した。
「悪い子には……分からせてやらないといけないな……」
「はひ……お仕置きいっぱいしてくらさいぃ……っ」
こいつ俺以上に魅了魔法使いこなしてやがる。
セオドアに魅了され蕩けた俺は、その後セオドアと彼の上官から二時間に及ぶガチ説教を受けたのだった。もちろん、立ったままで……。
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