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08 奥様は侍女
毎日けっこうな量の食事を堪能しているが、運動と筋トレを日課にしているため、私は細身のままだった。一年前のこけた頬やくぼんだ目なんかも、顔に肉が付いて、見た目も普通の女性となったといえる。
見た目は普通の女性になったはずなのに、鏡を見ていると、私の肉がついた顔がだんだんと歪んで頬がこけて見えだす謎。過去のあまりにもこけた頬とくぼんだ目の顔が衝撃的過ぎたのか、いまだ自分の顔がそれに見えるなんて、私の中に脅迫概念でもあるのだろうか。だからか、自分の顔を見るのが好きではなく、鏡は必要最低限でしか見ない。まあ、侍女のリアやミアが私の世話をしてくれるので、全面的に彼女らを信用しているので問題はない。
他には、運動でいうなら今では長距離を走ったり、種類は多くはないが、足技の蹴りを使った格闘技のようなこともできる。
足技については、鍛錬しているロニーに頼んで教えてもらったのだ。ロニーは影をしていたからか、格闘技術もできるということだったので、教えてくれと頼み込んだ。
本当は、最初は足ではなく手を使った格闘技が知りたかったのだが、ロニーに「奥様の腕は細すぎて折れそうで怖いです」と怖がられてしまったため、足技に変更したのだ。足技って、結構体幹が必要で、私は体幹も鍛えることを追加した。
ちなみに、格闘技が知りたい理由だが、一発くらい現世の兄を殴りたい願望からである。そんな機会に恵まれるかは分からないが、もしチャンスがあるならモノにしたい。兄よ、妹の逆襲を楽しみにしておくがいい。
そしてこの日、ここ最近の日課のため、ロニーの構えた腕を蹴って足技を練習していた。ロニーはクッション代わりに腕に厚めの布を巻いている。そこに執事のイーライがやってきた。
「奥様、本日もこちらでしたか」
「イーライ。見て、なかなか様になってきたと思わない? これなら、暴漢に襲われても倒せるかもしれないわ」
「その時は、できれば率先して逃げていただきたいです。……ですが、奥様の足技はすばらしく、成長が著しいですね」
「ありがとう!」
私の努力を認めてもらえて、嬉しい。上機嫌でイーライの傍に行く。
「それで、どうしたの? 何か用事かしら」
「奥様がご要望されていた、使用人服が届きましたので、そのお届けに」
「え、本当!? 嬉しい! ありがとう!」
イーライから使用人服、侍女が着るタイプのお仕着せ、いわゆるメイド服を受け取る。それを自分に当てると気分があがる。そんな私を見ながら、イーライが溜め息をついた。
「本当に使用人の仕事をされるおつもりですか?」
「だって、暇なんだもの。少し今までと違うことがしたいの。旦那様も許可をくださったのでしょう?」
「それはそうですが……」
私がこのアカリエル家にやってきた時に、何かやりたいことがあれば、イーライに言うように、と言伝を聞いていた。私がイーライに聞いて、イーライが夫のルークに聞いてくれることになっていて、ルークから許可が降りれば、イーライが私に伝えてくれるのだ。
普段、夫ルークは、アカリエル公爵家の本邸にほとんどいなかった。大抵は西部騎士団にいて、それ以外では、アカリエル領の街中にある政務館、もしくは帝都に行っているという。
不在にしている夫とのやり取りには、間に毎回イーライが入ってくれている。だから、これまでも、運動したいとか、筋トレしたいとか、足技を鍛えたいとか、そういった私の希望は、イーライがルークから許可を貰ってきてくれているのだ。今まで一度も希望が通らなかったことはない。
そして、最近は痩せ身体から人並な身体になったことで、日々の運動や筋トレは別として、これ以上体に関することを日課に増やす必要はないだろうという結論にいたった。だったら、そろそろ別の事をしたい、とは思っても、趣味もないし、何をすればいいのか考えつかなかった。そして思いついたのが、使用人だったのだ。掃除なら私にもできると思うのだ。
「では、奥様は必ず、リアもしくはミアと一緒に行動されてくださいね。二人一組ですよ」
「わかったわ」
私が使用人の仕事をする、というのは、屋敷でも一部の人間しか知らないことにしたいとイーライは言う。まあ、公爵夫人が使用人の真似事なんて近くでされたら、使用人も緊張するだろうし、私もそこは納得している。屋敷内は私も知らない場所が多々あるため、侍女のリアもしくはミアが一緒に移動してくれるので安心だ。
私が使用人服を着ている間は、私はアリスや奥様ではなく『アリー』と呼ばれることになった。
そういうことで、私は侍女と一緒に屋敷の掃除を開始した。掃除が好きなわけではないけれど、窓をピカピカにするのに意外と熱中して時間が過ぎるのが早い。そうやって、時々使用人の仕事をするようになって、一ヶ月が過ぎた時、リアと休憩がてら屋敷の裏口から外へ出ると、見知らぬ騎士が数人、使用人と会話をしているところに遭遇した。
「……一応イーライさんに聞いてみますが、難しいのではないかと思います」
「それでもかまいませんので、聞いてみていただけますか?」
「分かりました」
騎士と話をしていた使用人が、屋敷の中に入っていく。私はそれを見て、リアと一緒に騎士に近づいた。
「どうかされたのですか?」
「……これは、美しいお嬢さん」
好青年な騎士はふわっと笑うと、私の手をすくって、指先にキスを落とした。わあ、っと恥ずかしくて、私はさっと手を引っ込めた。指先にキスは国の一般的な挨拶だけれど、私はほとんどされたことがないため、慣れなくて恥ずかしい。
「先ほど街のほうで騎士団の食材を調達してきたのですが、実は騎士団の厨房の使用人が人員不足で困っていまして。料理長の手伝いをしてくれる人員を、公爵家から少しの間お借りできないかと思ったのですよ」
食材を積んだ荷馬車から屋敷の中に少し食材を運んでいるところを見ると、本邸分と騎士団分は一緒に食材調達しているのかもしれない。
「何人くらい必要なんですか?」
「一人は最低欲しいですね。街に求人を依頼してきましたが、すぐに補給はできなくて」
そんな話を騎士としていると、イーライがやってきた。私を見て驚いた顔をしたが、とりあえずは騎士に顔を向けた。
「アダムさん、厨房に人が必要と聞きましたが、現在使用人が交替で長期休暇を取る時期に入っています。なので、本邸も使用人がギリギリでお貸しできない状況です」
「あ、もうそんな時期ですか。困ったな……」
本邸の使用人に長期休暇を取れる時期があるとは、私も知らなかった。
「あの……、わたくしがお手伝いに行きましょうか?」
「アリーさん!?」
私の提案にイーライが驚きの声を上げた。
「困っている様子ですし、わたくしは忙しくはないので丁度良いかと思うの。それに、わたくし、野菜であれば切れるわ。リアも一緒にいけば、二人で一人分くらいの仕事はできるのではないかしら」
現世ではやったことないけれど、前世では料理はしていたし、野菜を切ったりするくらいなら、今でもできるのではないかと思う。
「ですが、騎士団は男所帯ですよ、女性は一人もいません」
「それでしたら、俺が責任をもってお嬢さん方を護衛します。手伝いをしてくださるのは助かりますから」
イーライの声にアダムと呼ばれた騎士がにこやかに返事をした。イーライは考え込んでいたが、深い溜め息をついた。
「アダムさん、彼女たちは奥様の大事な侍女です。良家のお嬢様方ですから、大切に扱っていただけますか?」
私の侍女のリアとミアは、貴族ではないが商売をしている裕福な平民のお嬢様である。イーライのこの口ぶりでは、私もそういう役どころで騎士団で行動をしてほしい、ということなのだろう。
「もちろんです。お任せください」
「泊りこみは無しです。必ず夜には二人とも本邸までお返しください」
「承知しました」
そんなこんなで、私とリアは騎士団へ向かうこととなった。
見た目は普通の女性になったはずなのに、鏡を見ていると、私の肉がついた顔がだんだんと歪んで頬がこけて見えだす謎。過去のあまりにもこけた頬とくぼんだ目の顔が衝撃的過ぎたのか、いまだ自分の顔がそれに見えるなんて、私の中に脅迫概念でもあるのだろうか。だからか、自分の顔を見るのが好きではなく、鏡は必要最低限でしか見ない。まあ、侍女のリアやミアが私の世話をしてくれるので、全面的に彼女らを信用しているので問題はない。
他には、運動でいうなら今では長距離を走ったり、種類は多くはないが、足技の蹴りを使った格闘技のようなこともできる。
足技については、鍛錬しているロニーに頼んで教えてもらったのだ。ロニーは影をしていたからか、格闘技術もできるということだったので、教えてくれと頼み込んだ。
本当は、最初は足ではなく手を使った格闘技が知りたかったのだが、ロニーに「奥様の腕は細すぎて折れそうで怖いです」と怖がられてしまったため、足技に変更したのだ。足技って、結構体幹が必要で、私は体幹も鍛えることを追加した。
ちなみに、格闘技が知りたい理由だが、一発くらい現世の兄を殴りたい願望からである。そんな機会に恵まれるかは分からないが、もしチャンスがあるならモノにしたい。兄よ、妹の逆襲を楽しみにしておくがいい。
そしてこの日、ここ最近の日課のため、ロニーの構えた腕を蹴って足技を練習していた。ロニーはクッション代わりに腕に厚めの布を巻いている。そこに執事のイーライがやってきた。
「奥様、本日もこちらでしたか」
「イーライ。見て、なかなか様になってきたと思わない? これなら、暴漢に襲われても倒せるかもしれないわ」
「その時は、できれば率先して逃げていただきたいです。……ですが、奥様の足技はすばらしく、成長が著しいですね」
「ありがとう!」
私の努力を認めてもらえて、嬉しい。上機嫌でイーライの傍に行く。
「それで、どうしたの? 何か用事かしら」
「奥様がご要望されていた、使用人服が届きましたので、そのお届けに」
「え、本当!? 嬉しい! ありがとう!」
イーライから使用人服、侍女が着るタイプのお仕着せ、いわゆるメイド服を受け取る。それを自分に当てると気分があがる。そんな私を見ながら、イーライが溜め息をついた。
「本当に使用人の仕事をされるおつもりですか?」
「だって、暇なんだもの。少し今までと違うことがしたいの。旦那様も許可をくださったのでしょう?」
「それはそうですが……」
私がこのアカリエル家にやってきた時に、何かやりたいことがあれば、イーライに言うように、と言伝を聞いていた。私がイーライに聞いて、イーライが夫のルークに聞いてくれることになっていて、ルークから許可が降りれば、イーライが私に伝えてくれるのだ。
普段、夫ルークは、アカリエル公爵家の本邸にほとんどいなかった。大抵は西部騎士団にいて、それ以外では、アカリエル領の街中にある政務館、もしくは帝都に行っているという。
不在にしている夫とのやり取りには、間に毎回イーライが入ってくれている。だから、これまでも、運動したいとか、筋トレしたいとか、足技を鍛えたいとか、そういった私の希望は、イーライがルークから許可を貰ってきてくれているのだ。今まで一度も希望が通らなかったことはない。
そして、最近は痩せ身体から人並な身体になったことで、日々の運動や筋トレは別として、これ以上体に関することを日課に増やす必要はないだろうという結論にいたった。だったら、そろそろ別の事をしたい、とは思っても、趣味もないし、何をすればいいのか考えつかなかった。そして思いついたのが、使用人だったのだ。掃除なら私にもできると思うのだ。
「では、奥様は必ず、リアもしくはミアと一緒に行動されてくださいね。二人一組ですよ」
「わかったわ」
私が使用人の仕事をする、というのは、屋敷でも一部の人間しか知らないことにしたいとイーライは言う。まあ、公爵夫人が使用人の真似事なんて近くでされたら、使用人も緊張するだろうし、私もそこは納得している。屋敷内は私も知らない場所が多々あるため、侍女のリアもしくはミアが一緒に移動してくれるので安心だ。
私が使用人服を着ている間は、私はアリスや奥様ではなく『アリー』と呼ばれることになった。
そういうことで、私は侍女と一緒に屋敷の掃除を開始した。掃除が好きなわけではないけれど、窓をピカピカにするのに意外と熱中して時間が過ぎるのが早い。そうやって、時々使用人の仕事をするようになって、一ヶ月が過ぎた時、リアと休憩がてら屋敷の裏口から外へ出ると、見知らぬ騎士が数人、使用人と会話をしているところに遭遇した。
「……一応イーライさんに聞いてみますが、難しいのではないかと思います」
「それでもかまいませんので、聞いてみていただけますか?」
「分かりました」
騎士と話をしていた使用人が、屋敷の中に入っていく。私はそれを見て、リアと一緒に騎士に近づいた。
「どうかされたのですか?」
「……これは、美しいお嬢さん」
好青年な騎士はふわっと笑うと、私の手をすくって、指先にキスを落とした。わあ、っと恥ずかしくて、私はさっと手を引っ込めた。指先にキスは国の一般的な挨拶だけれど、私はほとんどされたことがないため、慣れなくて恥ずかしい。
「先ほど街のほうで騎士団の食材を調達してきたのですが、実は騎士団の厨房の使用人が人員不足で困っていまして。料理長の手伝いをしてくれる人員を、公爵家から少しの間お借りできないかと思ったのですよ」
食材を積んだ荷馬車から屋敷の中に少し食材を運んでいるところを見ると、本邸分と騎士団分は一緒に食材調達しているのかもしれない。
「何人くらい必要なんですか?」
「一人は最低欲しいですね。街に求人を依頼してきましたが、すぐに補給はできなくて」
そんな話を騎士としていると、イーライがやってきた。私を見て驚いた顔をしたが、とりあえずは騎士に顔を向けた。
「アダムさん、厨房に人が必要と聞きましたが、現在使用人が交替で長期休暇を取る時期に入っています。なので、本邸も使用人がギリギリでお貸しできない状況です」
「あ、もうそんな時期ですか。困ったな……」
本邸の使用人に長期休暇を取れる時期があるとは、私も知らなかった。
「あの……、わたくしがお手伝いに行きましょうか?」
「アリーさん!?」
私の提案にイーライが驚きの声を上げた。
「困っている様子ですし、わたくしは忙しくはないので丁度良いかと思うの。それに、わたくし、野菜であれば切れるわ。リアも一緒にいけば、二人で一人分くらいの仕事はできるのではないかしら」
現世ではやったことないけれど、前世では料理はしていたし、野菜を切ったりするくらいなら、今でもできるのではないかと思う。
「ですが、騎士団は男所帯ですよ、女性は一人もいません」
「それでしたら、俺が責任をもってお嬢さん方を護衛します。手伝いをしてくださるのは助かりますから」
イーライの声にアダムと呼ばれた騎士がにこやかに返事をした。イーライは考え込んでいたが、深い溜め息をついた。
「アダムさん、彼女たちは奥様の大事な侍女です。良家のお嬢様方ですから、大切に扱っていただけますか?」
私の侍女のリアとミアは、貴族ではないが商売をしている裕福な平民のお嬢様である。イーライのこの口ぶりでは、私もそういう役どころで騎士団で行動をしてほしい、ということなのだろう。
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