ダメオタニートの俺が伝説の勇者の後継者となってこの異世界を救うことになりました。

龍ドラゴン

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第1章

第一話 訪問者

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カタカタカタカタ……
パソコンのキーボードを叩く音が部屋に響く。カーテンは全て閉め切り、昼間でしかもいい天気だというのに部屋の電気をつけ、ひたすらパソコンと対面する。「やっぱフューリたんは可愛いなぁ……、でもクリースも捨てがたい……。」
オタクばかりに人気のオンラインゲームに夢中になっている男、そう、俺が『白木 剣』、ただのオタクニート…。

唯一できることといえば、料理と、ゲーム。オタクニートのくせに料理ができるのは俺自身珍しいと思っているが、昔母に教わってから楽しくなって、今では趣味となっていた。その母といえば、最近父と結婚旅行に行っている。
結婚旅行なのにお前も行くか?と誘われたが、俺は外に出ることを極度に拒んでいたので、断った。

ピコン!
「またかよ……」言い忘れていたが、俺には昔からの幼なじみがいる。小学校の入学式以来会っていないが、今はもう高3くらいだと思う。

そいつの名前は『桜雅  凛(おうが   りん)』。かなり男勝りな性格で背は小さいが、気迫だけは誰にも負けないやつだった。女子のくせに喧嘩っ早く手のつけようがないやつだった。

だが、俺には優しかった。俺がいじめられていた時は止めてくれたし、俺が困ってる時、ほとんど助けてくれたのは凛だった。

それが今では……。

いやだ、思い出したくない……。

あんなことは…二度と…。

俺はメールの中身も見ずに、オンラインゲームに没頭した…。


オンラインゲームには飽きた俺は、そろそろ晩飯を作ろうと一階に降りる。(今日はカルパッチョでも作ろうか…。)俺が冷蔵庫を開けようとした時……。

ピーンポーン!

「誰だ?こんな時間に……」
そういえばフィギュアを注文したが、今から約一時間前くらいに注文したのにいくら何でも早すぎないか?

まぁいいやと思い、「はーい。」と玄関のドアを開ける。そこには宅配業者さん……ではなく、一人の女性が立っていた。

黒髪ロングの目がぱっちりとした人だ。背は俺より少し低いぐらいで、こんなこと言ったらあれだが、まぁまぁ好みの人だ。

「な、なんでしょうか…?」女性とまともに話すのは久しぶりすぎて、緊張している…。女性は俺をまっすぐ見ると、俺の手を掴んで…

「あなたのような人を探していました!」

「………へ?」

何言ってんだこいつ?てゆうかすんなり手を握らないでほしい…。住宅街じゃなくて路地裏とかだったら真っ先に手出すぞ俺は…。

今の状況が把握できていない俺に追い討ちをかけるように…

「私たちの世界に来てください!!」

あーもうなんか頭痛くなってきた。
混乱している俺は彼女に問い詰める。
「待て待て待て、まず普通は初対面なんだから自己紹介とかからだろ?てか初対面の人の手をそんなすんなり握るんじゃない。俺じゃなかったら襲われてるぞ?」

そういうと、彼女は手を握るのをやめ、
「あ!失礼しました!そうですよね!まず自己紹介からですよね!」
そして、彼女は俺の目をはっきりと見て…

「はじめまして!私は異世界から来た、現役JKの『リフレア・リフレシア』です!」

「ん?外人さん?てかめっちゃ突っ込むところがありすぎてついていけない…、えと、ラフレシアさん?」

「リフレシアです!そんな臭い花みたいな名前じゃないです!」

「まぁどっちでもいいが、一つだけ言わせてくれ…。『異世界』って何?」

「信じてくれるかはわかりませんが、私は異世界から来たんですよ」

「信じねぇよ」

異世界…俺が何度行きたいと思ったか…。

「俺をからかいに来たんなら、帰ってくれないかな?」

俺はうんざりして玄関を閉めようとした時…

「はぁ…。この世界では能力は使うなと言われましたが、証明するにはこの方法しかないですね…。」

そういうと彼女は俺に手のひらを向けて、

『ホールド!!』

叫んだ瞬間、俺の体が鎖のようなもので縛られた。

「な、なんだよこれ!?」

「捕縛用の能力です、これで信じてくれましたか?」

俺は鎖で身動きができない状態で、レフリアにこう言った。

「もっと…いろんな能力見せてくれよ!」

「へ?」
まさかの反応にレフリアが驚いた。

「あの…今の状況分かります?」

「分かってるよ!今は縛られてるのとなんかどうでもいいから、もっといろんな能力見せて!」

レフリアはうんざりしたように…

「これだから、この世界の住人の気持ちはわかりません…。」

「いいから!早く!炎とか氷とか出せる?あと…」

そこまで言いかけたところで、俺の意識は深い闇へと落ちていった…。

落ちていく寸前、レフリアが小さな声で、

『あなたには、私たちの世界を救うための義務があります……。』

と、言ったのだけは聞こえた……。

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