【R18/完結】4人の魔王をその身に宿す少年は魔神達と共に人間の英雄を倒し、魔界の復興を目指す

南祥太郎

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エピローグ

EP1.その後(前)

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 リド=マルストが死んだ。

 倒したのは魔族。

 30年前の人間による魔界侵攻は全て古の魔王リリアによる企み。


 その報せはリド=マルストに変わって新たな、真の英雄ノルトの名前と共にすぐに世界中を駆け巡った。

 それは勿論、そうなるように4人の魔王達やネイザール王国のハミッド、ロトス王国のスライブ達によって先導されていた。

 リドの死から3ヵ月が経ち、荒れ果てた世界は復興へと動き出していた。


 ◆ ロトス王国と旧ラクニール王国

 モルソン率いるエルフ達がマッカの留守を預かっていたクヌムとヨアヒムを倒し、その後軍事総司令官でもあるマッカの死が知れ渡った事で王族は軍事権を完全に取り戻し、オーク達を完全に国から追放する事に成功した。

 王位は老齢のロトス6世から長男ユリスに継承され、改めてロトス7世と国内外に知らしめた。

 オーク追放に最も功績のあった次男のスライブは、リドの死に伴う英雄王国リルディアの壊滅により空白となった旧ラクニールを治めるために臨時総司令官となり、リサと共に赴いた。

 現地は彼らが思っていた以上に酷い有様で、まずは文字通り腐敗した現地の掃除や集団火葬などから始めることとなる。

 そして改めて王女メイとネイザール国王ハミッドの結婚が発表された。


 ◆ 魔女の国 メルタノ

 マッカの部下ハルサイによって独裁的に統治されていたが、ロゼルタの命を受けたレイソナの決死の抵抗により、混戦状態となっていた。

 そこにクリニカ、メニドゥラそしてハルヴァラを連れた女王エキドナが戻り、瞬く間に事態を収束させ、国民全てから恨みを買っていたハルサイは首を斬られた。

 エキドナは4人で相談した結果としてクリニカがいる事は一旦隠し、国の復興に力を入れた。

 ハミッドと共にデルピラに攻め入り、ロンギスに勝利したバルハム率いる魔族軍にいたマァムとエイミィのふたりがメルタノに戻り、再会を喜ぶがロゼルタの死を知らされ、号泣する。

 次元魔導王エキドナの名の下に、世界中に散らばった、元メルタノの国民達が戻り始めた。


 ◆ 蛮族の国 デルピラ

 ネイザールの英雄ハミッドがロンギスとの一騎打ちを制し、雪崩れるように崩れたマッカ政権。

 そこに蛮王オーグが戻り、バーバリアン達から歓喜の声が上がる。

 オーグはハミッドとバルハムに感謝し、今後、何かあった時の協力を約束した。


 ◆ エルフの里 マシャラン

 エルフの里ではサラに言い含められたシュルスの進言で、ヒューリアがサラの義理の父親、モルソンに長を譲り隠居していた。

 彼女がリドと出会う前に仕掛けた転移によって、ロトスの北にあったエルフの里の入り口は遠く離れたセントリアの南部ヒエラルドの更に南に広がる、人里離れた森の中に移されていた。


 そんな中、サラが帰って来た。
 リドに凌辱されたヒューリアの事が気が気でなかった。

「ヒューリア様?」

 真っ先にヒューリアの家へと赴き、中を覗き込む。

「あら。サラ。久しぶりね」

 前と変わらないヒューリアの声だった。

 だが、ただでさえ細身だった彼女は一段と痩せている様に見えた。

 涙が出そうになるのをグッと堪え、

「ヒューリア様も。お変わりなく」

 敢えてそう言った。

 ヒューリアはニコリとして、

「少し前髪が伸びているわ。切ってあげる。こっちにいらっしゃい」
「そんな……いえ、はい、お願いします」

 サラはヒューリアに髪を切られながら、袖から覗いた痩せこけた彼女の腕を見て遂にほろりと涙を溢した。

 慌ててそれを隠す様に、

「ヒューリア様。気晴らしに、少し私とに出てみませんか?」

 そんな事を言った。


 ◆ ネイザール王国

 ロゼルタの進言でバルハムと手を組み、デルピラを落としたハミッドは、帰還した蛮王オーグと手を結ぶと電光石火の動きで凱旋帰国を果たす。

 隣国ロトス王国も順調に復興し始め、一旦は連れ出した王女メイを返し、改めて婚儀を執り行った。


 ハミッドは私室にある大きなベッドで『美の神エ=ファの現し身』とまで言われるメイと寝そべっていた。

 メイはハミッドの体に抱き付きながら、天井を睨む彼の横顔をうっとりとした顔付きで見上げていた。

「ハミッド様」
「……」
「また考え事ですか? ハミッド様」
「……あ、なんだ? すまん。もう一度言ってくれ」
「もう」

 少し頰を膨らませたメイが上半身を起こす。

 砂漠の国では珍しい、白い肢体が月の光に照らされる。

 それは毎日眺めるハミッドですら本当にエ=ファが降臨したのではと錯覚してしまう程に美しい。

「またロゼルタさんの事を?」
「いや」

 ロゼルタの死を聞かされた時は激しく落ち込んだものだった。

 だがハミッドはたとえそれが肉親の死であってもいつまでも引き摺るような人間ではない。

「そうではない。がそれほど遠くもない。考えていたのはこの国の行く末よ。今はダズがいるから豊かになり得ているこの国だが、ロゼルタの死によって再び自由の身となった彼奴が何を言い出すのかわからん。と言って殺す訳にもいかぬ」
「ふうん。そんな事を……」

 鼻息を吐いてハミッドを見つめる。

(こんなに一日中政務の事ばかり考えていてはお体に触るわ……そうだ!)

 不意にハミッドに近付き、囁いた。

「ねえ、ハミッド様」
「なんだ」
「少し私としてみませんか?」
「お忍び?」

 珍しくメイの言う事に理解が追い付かず、顔を見て首を傾げた。














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