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酒瓶
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繁華街から歩いて帰れる所にあるアパートは、元は終電を逃した従業員たちの溜まり場に使っていたらしい。
福利厚生のひとつとしては便利なツールと思いながら、現在は佐伯が住んでいる。
行く宛のなかった佐伯はとりあえず住処を手に入れた。
「生活も安定してきたし引っ越すか?」
たまに言われるが億劫さで佐伯の腰は重い。
ぶらぶら歩いて戻ってくると玄関前にスーツ姿の長谷川が立っていた。
「重い荷物ってなに」
「後藤さんからお酒もらった。長谷川さんに渡せって」
鍵でドアを開けて蒸し暑い部屋に入る。
「これか?」
玄関に無造作に置いてある紙袋を持ち上げて長谷川は中身を見た。
「日本酒とワインか」
靴を脱いで部屋に上がり「多分お中元やお歳暮で送られてきたんだろう」と長谷川が呟く。
「どこ行ってたの?」
「もう1店舗オープンするから物件を下見。疲れた…」
よく見るとセットが崩れて髪が乱れている。
佐伯がエアコンのスイッチを入れて、長谷川は小さなダイニングテーブルに酒瓶を並べてじっと見ていた。
経営の才能と、本能の異常性がひとりの人間に混同する。人間はなんて不可解な存在なんだろう。
ベッドに座ってぼんやり眺めていると視線に気がついた長谷川と目が合った。
「どうだった?」
「どうって…別に」
湯船に沈められながら犯されたなんて言いたくない。
「こんな高い酒くれるんならお気に召したようだな。ワインオープナーあったか?」
「探せばあるんじゃない」
呼び出しておいて不機嫌そうに振る舞う佐伯を不審に思ったのか瓶を置いて近づいてくる。
「本当に何もなかった?」
膝下にかかんで顔を覗き込んでくる長谷川の無神経さに苛立った。
「何もないわけないだろう!あんたが俺を売ったんだ」
「ごめん」
「あっちこっち回されて忙しいよ」
せめてこれくらいの嫌味は言わせてもらう。佐伯が目をそらすと長谷川は立ち上がって小さな日本酒ボトルを持ってきた。
「お前酒でも飲んでるの?」
フタを開けてテーブルに置くと、佐伯を立ち上がらせて壁に押し付けてズボンと下着を脱がす。
「何するの」
「どうしようかな」
持っている瓶のラベルを見ながら長谷川が笑みを浮かべた。
嫌な予感がする。
逃げようとしたが中途半端に脱がされたズボンが足枷になって動けない。
「口のきき方がなってないな佐伯」
ズボンの幅だけ足を開いていた佐伯の足元に再びしゃがんで、持っていた日本酒ボトルを穴に突っ込んできた。
「え…っ、あ…」
長時間責められ続けた部分に異物を入れられて鳥肌が立つ。
「動くと中で酒がこぼれるし瓶が割れて危ないぞ」
「…っだったら抜けよ!」
上下に抜き指しされるたび、体中で少しずつ酒が漏れて腹が熱くなってきた。
「あ…」
「動くとこぼれて酔うぞ」
悪い顔をした長谷川が下衆な笑みを浮かべて責めてくる。
「やめて…よ…、もう…」
直腸から吸収されたアルコールが体内をめぐって命の危険を感じると何故か余計気持ちよくなってきた。
部屋は涼しくなってきたが佐伯の体は熱を帯びてくる。
「あ…ん……」
ぐ、っと深く挿入されて佐伯の顎が上がるのを見て、長谷川はゆっくり瓶を抜いた。
「機嫌よくなってきた?」
優しく言われるが思考に霞がかかったようで言葉が出ない。
自力で立っているのが限界になり、壁づたいに床にすべり落ちていく佐伯の体を捕まえて長谷川はすぐ横にあるベッドに押し倒す。
「あの男に何をされた?」
「お湯…、沈め…られて……苦しくて…」
「ずいぶん楽しい遊び方だな」
あんなに苦しかったのに何が楽しいんだ。心の中で反論している間に、足を開かされていた。
ふたりとも下だけ脱いで上半身は服を着たまま重なっている。
「俺に慰めてほしくなって電話してきたんだろう?」
「…違うし」
見透かさえている本心に強く反発する力は酒に奪われた。
瓶に残っている酒を佐伯の腹にかけながら長谷川は指を入れて激しくかき回す。
「あ…やぁ…ん…っ」
うつろな目を閉じて佐伯は激しく左右に首を振った。
「正直に言えば入れてやる」
「瓶が…邪魔だった…だけ…」
「質問変えるぞ。会いたかった?」
「誰…が、そんなこと…思うっ…か…」
このままでは埒が明かない。無駄な時間だと思って指を抜いて佐伯の両足を大きく開いた。
「あ…っ…」
太い圧がゆっくり佐伯を貫いた。
求めていた感覚に佐伯は甘い吐息をこぼす。
「躾け直さないといけないな佐伯。お前がどういう立場か忘れたか」
「ん……」
「お前はずーっと性処理係だよ」
「…あ…、あぁ…!…」
長谷川の苛立ちが動きを激しくしている。
「お前は足を開いて喘いでいる操り人形でいいんだよ。余計な事考えてんじゃねえ」
シーツの上を泳ぐように体をくねらせて佐伯は声を上げる。
「言うこと聞いてれば気持ちよくしてやる」
「あ…あ…、ぁん…」
佐伯の右手がゆっくり動いて自分のモノを握ってしごきだした。
学生時代にしっかり男の味を覚えさせたがここまで良い具合に仕上がるとは思わなかったと長谷川がほくそ笑む。進学を口実に上手く逃げたはずなのに戻ってきた時は正直驚いたが、周囲から隔離して仕事と部屋を与えて囲い込むと自然に堕ちてきた。
「だめ…イッちゃう……」
「そうやってあんあん鳴いてろ淫乱が」
いつか引きずり降ろしてやる。
そう思いながら佐伯は白い液体を吹き出して体を痙攣させた。
「ん…う…」
汚れた手がベッドに落ちるが長谷川はまだ動いている。
反動でゆらゆら揺れる体をそのままに、佐伯は小さく喘いでいる。
「あ…ぁ…ん…、あ…あ……」
佐伯の腹の底まで気がつかないまま完全に堕ちたと思い込んで長谷川はにやにやしている。
ふっと妙な違和感を感じたがその時は深く考えず、蕩けた顔をしている佐伯を見て興奮している獣だった。
福利厚生のひとつとしては便利なツールと思いながら、現在は佐伯が住んでいる。
行く宛のなかった佐伯はとりあえず住処を手に入れた。
「生活も安定してきたし引っ越すか?」
たまに言われるが億劫さで佐伯の腰は重い。
ぶらぶら歩いて戻ってくると玄関前にスーツ姿の長谷川が立っていた。
「重い荷物ってなに」
「後藤さんからお酒もらった。長谷川さんに渡せって」
鍵でドアを開けて蒸し暑い部屋に入る。
「これか?」
玄関に無造作に置いてある紙袋を持ち上げて長谷川は中身を見た。
「日本酒とワインか」
靴を脱いで部屋に上がり「多分お中元やお歳暮で送られてきたんだろう」と長谷川が呟く。
「どこ行ってたの?」
「もう1店舗オープンするから物件を下見。疲れた…」
よく見るとセットが崩れて髪が乱れている。
佐伯がエアコンのスイッチを入れて、長谷川は小さなダイニングテーブルに酒瓶を並べてじっと見ていた。
経営の才能と、本能の異常性がひとりの人間に混同する。人間はなんて不可解な存在なんだろう。
ベッドに座ってぼんやり眺めていると視線に気がついた長谷川と目が合った。
「どうだった?」
「どうって…別に」
湯船に沈められながら犯されたなんて言いたくない。
「こんな高い酒くれるんならお気に召したようだな。ワインオープナーあったか?」
「探せばあるんじゃない」
呼び出しておいて不機嫌そうに振る舞う佐伯を不審に思ったのか瓶を置いて近づいてくる。
「本当に何もなかった?」
膝下にかかんで顔を覗き込んでくる長谷川の無神経さに苛立った。
「何もないわけないだろう!あんたが俺を売ったんだ」
「ごめん」
「あっちこっち回されて忙しいよ」
せめてこれくらいの嫌味は言わせてもらう。佐伯が目をそらすと長谷川は立ち上がって小さな日本酒ボトルを持ってきた。
「お前酒でも飲んでるの?」
フタを開けてテーブルに置くと、佐伯を立ち上がらせて壁に押し付けてズボンと下着を脱がす。
「何するの」
「どうしようかな」
持っている瓶のラベルを見ながら長谷川が笑みを浮かべた。
嫌な予感がする。
逃げようとしたが中途半端に脱がされたズボンが足枷になって動けない。
「口のきき方がなってないな佐伯」
ズボンの幅だけ足を開いていた佐伯の足元に再びしゃがんで、持っていた日本酒ボトルを穴に突っ込んできた。
「え…っ、あ…」
長時間責められ続けた部分に異物を入れられて鳥肌が立つ。
「動くと中で酒がこぼれるし瓶が割れて危ないぞ」
「…っだったら抜けよ!」
上下に抜き指しされるたび、体中で少しずつ酒が漏れて腹が熱くなってきた。
「あ…」
「動くとこぼれて酔うぞ」
悪い顔をした長谷川が下衆な笑みを浮かべて責めてくる。
「やめて…よ…、もう…」
直腸から吸収されたアルコールが体内をめぐって命の危険を感じると何故か余計気持ちよくなってきた。
部屋は涼しくなってきたが佐伯の体は熱を帯びてくる。
「あ…ん……」
ぐ、っと深く挿入されて佐伯の顎が上がるのを見て、長谷川はゆっくり瓶を抜いた。
「機嫌よくなってきた?」
優しく言われるが思考に霞がかかったようで言葉が出ない。
自力で立っているのが限界になり、壁づたいに床にすべり落ちていく佐伯の体を捕まえて長谷川はすぐ横にあるベッドに押し倒す。
「あの男に何をされた?」
「お湯…、沈め…られて……苦しくて…」
「ずいぶん楽しい遊び方だな」
あんなに苦しかったのに何が楽しいんだ。心の中で反論している間に、足を開かされていた。
ふたりとも下だけ脱いで上半身は服を着たまま重なっている。
「俺に慰めてほしくなって電話してきたんだろう?」
「…違うし」
見透かさえている本心に強く反発する力は酒に奪われた。
瓶に残っている酒を佐伯の腹にかけながら長谷川は指を入れて激しくかき回す。
「あ…やぁ…ん…っ」
うつろな目を閉じて佐伯は激しく左右に首を振った。
「正直に言えば入れてやる」
「瓶が…邪魔だった…だけ…」
「質問変えるぞ。会いたかった?」
「誰…が、そんなこと…思うっ…か…」
このままでは埒が明かない。無駄な時間だと思って指を抜いて佐伯の両足を大きく開いた。
「あ…っ…」
太い圧がゆっくり佐伯を貫いた。
求めていた感覚に佐伯は甘い吐息をこぼす。
「躾け直さないといけないな佐伯。お前がどういう立場か忘れたか」
「ん……」
「お前はずーっと性処理係だよ」
「…あ…、あぁ…!…」
長谷川の苛立ちが動きを激しくしている。
「お前は足を開いて喘いでいる操り人形でいいんだよ。余計な事考えてんじゃねえ」
シーツの上を泳ぐように体をくねらせて佐伯は声を上げる。
「言うこと聞いてれば気持ちよくしてやる」
「あ…あ…、ぁん…」
佐伯の右手がゆっくり動いて自分のモノを握ってしごきだした。
学生時代にしっかり男の味を覚えさせたがここまで良い具合に仕上がるとは思わなかったと長谷川がほくそ笑む。進学を口実に上手く逃げたはずなのに戻ってきた時は正直驚いたが、周囲から隔離して仕事と部屋を与えて囲い込むと自然に堕ちてきた。
「だめ…イッちゃう……」
「そうやってあんあん鳴いてろ淫乱が」
いつか引きずり降ろしてやる。
そう思いながら佐伯は白い液体を吹き出して体を痙攣させた。
「ん…う…」
汚れた手がベッドに落ちるが長谷川はまだ動いている。
反動でゆらゆら揺れる体をそのままに、佐伯は小さく喘いでいる。
「あ…ぁ…ん…、あ…あ……」
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