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白い青年
どこからともなく突然現れた白い男。
気合いの入った銀色の髪が、普通のサラリーマンではないことを推測させた。
「…ん…」
卓也がシャワーから戻ってくると、ベッドの上で気だるそうに起き上がる春兎の姿があった。
遮光カーテンのわずかな隙間から外が明るくなってきているのが見える。
「お前仕事は?つーかそんなナリでまともな生活しているとは思えねえけど」
ミネラルウォーターのペットボトルを掴んで中身を飲み干す姿を春兎が見ている。
「何だよ」
その視線に気がついて卓也は鋭い目で睨んだ。
「僕は…仕事はあまりしてない」
「夜職か?だったら俺も気づきそうなもんだけどな。そんな銀髪」
「……」
春兎はその言葉には何も言わなかった。
その美貌を売りにして体を売っているのかもしれない。それでも少しくらい噂を聞いてもおかしくないはず。
「それより今夜のことは誰にも言うなよ。俺のことも大麻のことも」
「う…うん」
自分の置かれた立場をようやく理解したのか、春兎は小さく頷いて下をむいた。
肩にタオルをかけてスェット姿の卓也がベッドに座ると、春兎は逃げるように距離をあけた。
「もう帰れ。それからあの街には来るんじゃない」
「え…?どうして」
「治安が悪い。拉致られて犯されるぞ。あの辺にいるのは俺みたいな奴ばかりだ」
それを自分がやっておいて何だが、何度も同じ目に遭わすのはさすがにかわいそうに思えた。
怯えた瞳がじっと卓也を見ている。こんな世間知らず、すぐにおもちゃにされるに決まっている。
「卓也には…会いたい」
上目遣いに言葉を紡いでうるんだ瞳が卓也を刺す。
「困ったな…」
ドレッドの髪をがしがしと乱しながら卓也はどうしていいかわからなくなった。放っておけば消えてしまいそうな白い青年。それを手放すのは惜しい気がした。
「わかったよ。じゃあこの部屋で会おう。連絡先は知ってるんだから電話してこい」
妥協案を提案すると春兎の表情がぱあっと明るい笑顔になった。
「いいの?ホントに?」
口を割らないように監視するのが本心なのに無邪気に喜んでいる春兎に苦笑いする。
認めたくなかったが春兎の魅力に捕らわれた。
「じゃあ帰る。電話するから絶対出てよ」
白いハーフコートに腕を通している春兎を後ろから腕を回して抱きしめた。
「内緒だぞ」
服を着るのを邪魔しなから、卓也の指がするりとコートの中に入っていやらしい動きをする。
「ん…ちょっと…、今日はもう……」
「何だよ」
服の上から立ち上がった乳首をつまんで転がす。嫌がって逃げようとする春兎だがその動きが逆に指を誘い込んでしまう。
「…ふ…ぁ…たく…やぁ…」
きのうの余韻が残っているのか春兎の体はすぐに快楽に引き込まれた。
「気持ちいいだろ」
春兎の耳元でささやきながらやわらかい耳朶を喰む。
「俺の仲間には触らせたくない。俺だけにしとけ」
だんだん体の力が抜けていく。この前のように自分で立っていられなくなって春兎は体を卓也に預けた。
「も…ダメ……」
射精感が盛り上がってきた時、卓也は乳首を責めていた指の動きを止めた。
「卓也あ…」
とろんとした顔で自分を見上げてくる春兎の唇を塞いでしばらく貪った。
体の関係だけが欲しいのか、春兎の思惑はわからないが遊ぶにはいい相手だと思った。うっかり大麻を使ってしまったが逆にこれで束縛できるかもしれない。
共有の秘密。違法薬物を扱っている相手に捕まって薬漬けにして捨てた人間は過去にたくさんいる。
春兎がどうなるかは、彼次第だと思った。
「やっぱり、もう一回」
体の向きを卓也のほうへ向けて、腕を首に絡めてくる。本当に仕事はしていないのか、帰る気配がない。
もう一度春兎の体をベッドに沈めてズボンだけ脱がせて一気に突き上げた。
「お前が誘ったんだからな」
「やだ…誘ってな…ああ…っ」
口先だけ言い訳を吐きつつ、体は過敏に反応して表情が蕩けていく。
「あー…、お前の体気持ちいいわ」
一定の速度で腰を振りながら卓也が小さな声でつぶやくと、恥ずかしそうに長い袖から指を出して春兎は顔を隠した。
「俺のはどうなの?」
動きを止めずに聞いてみた。
「…大き…気持ちいい…」
「お前やらしいな。帰す気なくなった」
「え?」
「今日は1日お前を抱く」
そう言って卓也は棚の上に置いてあるお香のようなものに火をつけた。
しばらくすると部屋中に煙が広がる。それを吸い込むとリラックスして頭がぼんやりしてくる。
すぐに春兎の瞳がとろんとして焦点が合わなくなった。
「どうせなら最高に気持ちいいほうがいいだろう?」
卓也のほうもキマってきたのか瞳の色が変わった気がした。
「ああ…」
大きな杭に貫かれると、脳まで快感が走る。
年は立派な成人なのに体は丸みを帯びて幼さを残している。それを犯すのは違う意味で興奮した。
「まるで小学生だな」
「…みんなが…、そう言う…」
「みんなって誰だよ」
自分が知らない複数の男に抱かれていたのかと思うと急に嫉妬心が湧いてきた。
今までどんな生き方をしてきたのだろう。春兎の全てが疑問だらけだ。
「ああ…ぁ…あ…卓也……」
両腕をベッドに抑えられながら激しく突かれて春兎が甘い声をあげる。何人の男が春兎のことを知っているのだろう。体を売って生活しているのだろうか。考えれば考えるほどわからなくなって動きが激しくなり、春兎の嬌声も途切れることはない。
吸い込んだ煙で頭がおかしくなったふたりは時間の感覚も失ってただただ快感を求め続けた。
気合いの入った銀色の髪が、普通のサラリーマンではないことを推測させた。
「…ん…」
卓也がシャワーから戻ってくると、ベッドの上で気だるそうに起き上がる春兎の姿があった。
遮光カーテンのわずかな隙間から外が明るくなってきているのが見える。
「お前仕事は?つーかそんなナリでまともな生活しているとは思えねえけど」
ミネラルウォーターのペットボトルを掴んで中身を飲み干す姿を春兎が見ている。
「何だよ」
その視線に気がついて卓也は鋭い目で睨んだ。
「僕は…仕事はあまりしてない」
「夜職か?だったら俺も気づきそうなもんだけどな。そんな銀髪」
「……」
春兎はその言葉には何も言わなかった。
その美貌を売りにして体を売っているのかもしれない。それでも少しくらい噂を聞いてもおかしくないはず。
「それより今夜のことは誰にも言うなよ。俺のことも大麻のことも」
「う…うん」
自分の置かれた立場をようやく理解したのか、春兎は小さく頷いて下をむいた。
肩にタオルをかけてスェット姿の卓也がベッドに座ると、春兎は逃げるように距離をあけた。
「もう帰れ。それからあの街には来るんじゃない」
「え…?どうして」
「治安が悪い。拉致られて犯されるぞ。あの辺にいるのは俺みたいな奴ばかりだ」
それを自分がやっておいて何だが、何度も同じ目に遭わすのはさすがにかわいそうに思えた。
怯えた瞳がじっと卓也を見ている。こんな世間知らず、すぐにおもちゃにされるに決まっている。
「卓也には…会いたい」
上目遣いに言葉を紡いでうるんだ瞳が卓也を刺す。
「困ったな…」
ドレッドの髪をがしがしと乱しながら卓也はどうしていいかわからなくなった。放っておけば消えてしまいそうな白い青年。それを手放すのは惜しい気がした。
「わかったよ。じゃあこの部屋で会おう。連絡先は知ってるんだから電話してこい」
妥協案を提案すると春兎の表情がぱあっと明るい笑顔になった。
「いいの?ホントに?」
口を割らないように監視するのが本心なのに無邪気に喜んでいる春兎に苦笑いする。
認めたくなかったが春兎の魅力に捕らわれた。
「じゃあ帰る。電話するから絶対出てよ」
白いハーフコートに腕を通している春兎を後ろから腕を回して抱きしめた。
「内緒だぞ」
服を着るのを邪魔しなから、卓也の指がするりとコートの中に入っていやらしい動きをする。
「ん…ちょっと…、今日はもう……」
「何だよ」
服の上から立ち上がった乳首をつまんで転がす。嫌がって逃げようとする春兎だがその動きが逆に指を誘い込んでしまう。
「…ふ…ぁ…たく…やぁ…」
きのうの余韻が残っているのか春兎の体はすぐに快楽に引き込まれた。
「気持ちいいだろ」
春兎の耳元でささやきながらやわらかい耳朶を喰む。
「俺の仲間には触らせたくない。俺だけにしとけ」
だんだん体の力が抜けていく。この前のように自分で立っていられなくなって春兎は体を卓也に預けた。
「も…ダメ……」
射精感が盛り上がってきた時、卓也は乳首を責めていた指の動きを止めた。
「卓也あ…」
とろんとした顔で自分を見上げてくる春兎の唇を塞いでしばらく貪った。
体の関係だけが欲しいのか、春兎の思惑はわからないが遊ぶにはいい相手だと思った。うっかり大麻を使ってしまったが逆にこれで束縛できるかもしれない。
共有の秘密。違法薬物を扱っている相手に捕まって薬漬けにして捨てた人間は過去にたくさんいる。
春兎がどうなるかは、彼次第だと思った。
「やっぱり、もう一回」
体の向きを卓也のほうへ向けて、腕を首に絡めてくる。本当に仕事はしていないのか、帰る気配がない。
もう一度春兎の体をベッドに沈めてズボンだけ脱がせて一気に突き上げた。
「お前が誘ったんだからな」
「やだ…誘ってな…ああ…っ」
口先だけ言い訳を吐きつつ、体は過敏に反応して表情が蕩けていく。
「あー…、お前の体気持ちいいわ」
一定の速度で腰を振りながら卓也が小さな声でつぶやくと、恥ずかしそうに長い袖から指を出して春兎は顔を隠した。
「俺のはどうなの?」
動きを止めずに聞いてみた。
「…大き…気持ちいい…」
「お前やらしいな。帰す気なくなった」
「え?」
「今日は1日お前を抱く」
そう言って卓也は棚の上に置いてあるお香のようなものに火をつけた。
しばらくすると部屋中に煙が広がる。それを吸い込むとリラックスして頭がぼんやりしてくる。
すぐに春兎の瞳がとろんとして焦点が合わなくなった。
「どうせなら最高に気持ちいいほうがいいだろう?」
卓也のほうもキマってきたのか瞳の色が変わった気がした。
「ああ…」
大きな杭に貫かれると、脳まで快感が走る。
年は立派な成人なのに体は丸みを帯びて幼さを残している。それを犯すのは違う意味で興奮した。
「まるで小学生だな」
「…みんなが…、そう言う…」
「みんなって誰だよ」
自分が知らない複数の男に抱かれていたのかと思うと急に嫉妬心が湧いてきた。
今までどんな生き方をしてきたのだろう。春兎の全てが疑問だらけだ。
「ああ…ぁ…あ…卓也……」
両腕をベッドに抑えられながら激しく突かれて春兎が甘い声をあげる。何人の男が春兎のことを知っているのだろう。体を売って生活しているのだろうか。考えれば考えるほどわからなくなって動きが激しくなり、春兎の嬌声も途切れることはない。
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