3 / 31
ろくな目
ろくな目 ※美緒
この鳳城学園にはルールがある。
「屋上には近づかないこと」
屋上にはこの学園の「王」がいるから。
一般の人が近づいていい人らじゃない。らしい。
ーーーーその屋上に現在いる俺ーーー暁 美緒は
一般人じゃないのだろうか。
俺はため息をつく。
ーーーーやはり外に出るとろくな目に遭わない。
もともと俺は引きこもり。
友達も三人しかいない。
でもそいつらがいれば十分だし、そいつらは俺の家に住んでいるから学校に行く目的も特になくなった。
だからといって、学園をやめればオッケーというわけにもいかず、今は一週間に一度学校に登校し課題をもらって自宅で学習するというスタイルになっている。
今日もその一日だった。
課題ももらったし帰ろうと靴箱に向かおうとしているところだった。
廊下の向かいに真っ黒なストレートヘアーの優しそうに笑う男の姿が見えた。
「あれ…今授業中じゃ…」なんていう考えは吹き飛んだ。
とりあえず
ガン無視。
足早にすれ違った。
すれ違ったのに。
「暇なら、ご一緒にどうです?」
謎の言葉をかけられた。
あきらかに俺だよね。
と感じるより早く、俺の体が浮いたのが分かった。
「!!!?」
姫抱きされていることがわかったが、抵抗するとさらにだるくなるような予感がして身を任せることにした。
どこに行くのだろうとぼーっと考えていたらいつの間にか
屋上についていた。
めったに学校に来ない俺でもわかる。
屋上はダメ。
入学当初に女子たちが屋上に行けることを嬉しそうに語っていたのを思い出した。
なんでも学園の王かその取り巻きの誰かに案内されたものしか入れない場所だった。
屋上に入る=学園の王たちの彼女
な感じなんだなという解釈をした。
…俺、男だ。
男が屋上に行けたなんて話聞いたことがない。
待って、学校行ってないから知らないだけ?
彼女とかの感じではなさそう…。
じゃあ、俺なんで連れてこられたの…
ほんとに暇つぶし…?
めぐりゆく思考を落ち着かせようと目の前を見ると
この学園の王 神田 凛。
その取り巻き 天谷 壮太朗。
天海 大翔。
がいた。
では、俺を姫抱きして連れてきたのは
白羽 九朗。
だと悟った。
ど…どうしよう。
コミュ障な俺が声を出せるわけもなく黙っていると
目の前の薄い茶色で猫っ気の男が俺を指さした。
「くろちゃん~、どしたん?この子」
俺の後ろから「ふふっ」と笑い声がした。
くろちゃん=白羽 九朗のことのようだ。
姫抱きを下ろされた。
ほっとしたのも束の間で、手を引かれ、白羽九朗とともに一人がけのソファに座らされた。
シートベルトのように後ろから手が伸びてきてお腹に回された。
「かわいいと思って連れてきちゃいました。」
そのままぎゅっと引き寄せられた。
カワイイトオモッテツレテキチャイマシタ…?
ぞっと鳥肌が立つのが分かった。
後輩的な意味で…だよね?
と思って少し距離をとろうとするが、強くて動けない。
「…」
金髪にピアスのいかつい男が俺の思いを察してくれたのか声をかけてくれた。
「顔、こわばってんじゃねえか」
「ああ…ごめんなさい。勝手に連れてきちゃって…怖かったですよね?」
怖すぎるんですが。
なんて言えない。
俺は首をぶんぶん振った。
もう帰して。
「俺は白羽九朗と言います。
実は…前々からあなたをねら…、んん、いやお話してみたいなと思っておりまして…」
ねら…!?
明らかに聞こえた怖いワードとこの緊張状態に耐えられなくなって俺はスマホを取り出した。
もう失礼とか関係ない。
早く、廉に連絡して帰る。
俺はラインを開き、幼馴染の一人である廉の名前を探す。
トークを開いて『れんたすけて』と打った。送信ボタンを押ー…
「俺といるのに、他の男とラインですか?」
ぐるっと体を回されて、白羽九朗と向かい合う形になった。
逃がさないとばかりに体を引き寄せられて、そのまま顔を両手で包まれる。
互いのおでこがこつんと当たった。
突然すぎて心臓がバクバク言っているのがわかる。
そのまま顔が近づいてくる…
これ以上近づくと…俺の手が唇を守ろうとする前に
「んんっ!!」
噛みつくように白羽九朗の唇が俺の唇をふさいだ。
うっそでしょ!!
行き場のなくなった俺の手は必死に白羽九朗を押し返す。
でもびくともしない。
唇同士が重なるときに声を出そうとしたため、舌の侵入を許してしまっている。
「んっ、んっ、」
顔を逸らしたくても顔をつかまれていて逸らせない。
せめて舌だけは、からませたくなくて動かすが…
「んんんぅ……」
すぐにからめとられてしまった。
息がしにくいからか、目がぼやけて力も抜けてくる。
自身の口からくちゅ…といやらしい音が響いた。
「んっ…ふう…ぅん、んん~っ」
くちゅっ、
涙が頬を伝ったのが分かった時、ゆっくりと唇が離された。
俺の唇と白羽九朗の唇とつなぐ銀の糸をぼーっと見つめている。
周りから「ひゅー」「くろちゃん大胆♡」という声を聴いて、顔が赤くなったのが分かった。
思わず下を向くと、白羽九朗の反り立ったモノが目に入る。
でかすぎるモノを見て、さあーっと熱が冷めていくのを感じる。
もういやだ…。
きゅっと目をつぶった。
俺をのぞき込む気配を感じた。
帰りたい。
どうしよう。
また唇が触れ合いそうなほど近くなっているのが分かった。
触れ合ったら、またさっきみたいになる。
そのまえに…俺は声を振り絞った。
「や…だ。」
白羽九朗が俺の腰に回した手がびくりと動いたのが分かった。
「…あーっと、あっぶな。止まらなくなるところだった。
…いきなり怖かったですよね?すいません。
今日はここまで。また会いたいのでお名前聞いてもよろしいですか?」
その答えはイエスしかないような気がする。
本当は名前なんか教えたくない。
でもいうまでは解放してくれなさそうだ。
早く帰りたい。
ラインをちらりと見ると廉から『美緒、どうした』と返ってきていた。
…。
俺は意を決して
「満欠 伊麻里」
と名乗った。
「屋上には近づかないこと」
屋上にはこの学園の「王」がいるから。
一般の人が近づいていい人らじゃない。らしい。
ーーーーその屋上に現在いる俺ーーー暁 美緒は
一般人じゃないのだろうか。
俺はため息をつく。
ーーーーやはり外に出るとろくな目に遭わない。
もともと俺は引きこもり。
友達も三人しかいない。
でもそいつらがいれば十分だし、そいつらは俺の家に住んでいるから学校に行く目的も特になくなった。
だからといって、学園をやめればオッケーというわけにもいかず、今は一週間に一度学校に登校し課題をもらって自宅で学習するというスタイルになっている。
今日もその一日だった。
課題ももらったし帰ろうと靴箱に向かおうとしているところだった。
廊下の向かいに真っ黒なストレートヘアーの優しそうに笑う男の姿が見えた。
「あれ…今授業中じゃ…」なんていう考えは吹き飛んだ。
とりあえず
ガン無視。
足早にすれ違った。
すれ違ったのに。
「暇なら、ご一緒にどうです?」
謎の言葉をかけられた。
あきらかに俺だよね。
と感じるより早く、俺の体が浮いたのが分かった。
「!!!?」
姫抱きされていることがわかったが、抵抗するとさらにだるくなるような予感がして身を任せることにした。
どこに行くのだろうとぼーっと考えていたらいつの間にか
屋上についていた。
めったに学校に来ない俺でもわかる。
屋上はダメ。
入学当初に女子たちが屋上に行けることを嬉しそうに語っていたのを思い出した。
なんでも学園の王かその取り巻きの誰かに案内されたものしか入れない場所だった。
屋上に入る=学園の王たちの彼女
な感じなんだなという解釈をした。
…俺、男だ。
男が屋上に行けたなんて話聞いたことがない。
待って、学校行ってないから知らないだけ?
彼女とかの感じではなさそう…。
じゃあ、俺なんで連れてこられたの…
ほんとに暇つぶし…?
めぐりゆく思考を落ち着かせようと目の前を見ると
この学園の王 神田 凛。
その取り巻き 天谷 壮太朗。
天海 大翔。
がいた。
では、俺を姫抱きして連れてきたのは
白羽 九朗。
だと悟った。
ど…どうしよう。
コミュ障な俺が声を出せるわけもなく黙っていると
目の前の薄い茶色で猫っ気の男が俺を指さした。
「くろちゃん~、どしたん?この子」
俺の後ろから「ふふっ」と笑い声がした。
くろちゃん=白羽 九朗のことのようだ。
姫抱きを下ろされた。
ほっとしたのも束の間で、手を引かれ、白羽九朗とともに一人がけのソファに座らされた。
シートベルトのように後ろから手が伸びてきてお腹に回された。
「かわいいと思って連れてきちゃいました。」
そのままぎゅっと引き寄せられた。
カワイイトオモッテツレテキチャイマシタ…?
ぞっと鳥肌が立つのが分かった。
後輩的な意味で…だよね?
と思って少し距離をとろうとするが、強くて動けない。
「…」
金髪にピアスのいかつい男が俺の思いを察してくれたのか声をかけてくれた。
「顔、こわばってんじゃねえか」
「ああ…ごめんなさい。勝手に連れてきちゃって…怖かったですよね?」
怖すぎるんですが。
なんて言えない。
俺は首をぶんぶん振った。
もう帰して。
「俺は白羽九朗と言います。
実は…前々からあなたをねら…、んん、いやお話してみたいなと思っておりまして…」
ねら…!?
明らかに聞こえた怖いワードとこの緊張状態に耐えられなくなって俺はスマホを取り出した。
もう失礼とか関係ない。
早く、廉に連絡して帰る。
俺はラインを開き、幼馴染の一人である廉の名前を探す。
トークを開いて『れんたすけて』と打った。送信ボタンを押ー…
「俺といるのに、他の男とラインですか?」
ぐるっと体を回されて、白羽九朗と向かい合う形になった。
逃がさないとばかりに体を引き寄せられて、そのまま顔を両手で包まれる。
互いのおでこがこつんと当たった。
突然すぎて心臓がバクバク言っているのがわかる。
そのまま顔が近づいてくる…
これ以上近づくと…俺の手が唇を守ろうとする前に
「んんっ!!」
噛みつくように白羽九朗の唇が俺の唇をふさいだ。
うっそでしょ!!
行き場のなくなった俺の手は必死に白羽九朗を押し返す。
でもびくともしない。
唇同士が重なるときに声を出そうとしたため、舌の侵入を許してしまっている。
「んっ、んっ、」
顔を逸らしたくても顔をつかまれていて逸らせない。
せめて舌だけは、からませたくなくて動かすが…
「んんんぅ……」
すぐにからめとられてしまった。
息がしにくいからか、目がぼやけて力も抜けてくる。
自身の口からくちゅ…といやらしい音が響いた。
「んっ…ふう…ぅん、んん~っ」
くちゅっ、
涙が頬を伝ったのが分かった時、ゆっくりと唇が離された。
俺の唇と白羽九朗の唇とつなぐ銀の糸をぼーっと見つめている。
周りから「ひゅー」「くろちゃん大胆♡」という声を聴いて、顔が赤くなったのが分かった。
思わず下を向くと、白羽九朗の反り立ったモノが目に入る。
でかすぎるモノを見て、さあーっと熱が冷めていくのを感じる。
もういやだ…。
きゅっと目をつぶった。
俺をのぞき込む気配を感じた。
帰りたい。
どうしよう。
また唇が触れ合いそうなほど近くなっているのが分かった。
触れ合ったら、またさっきみたいになる。
そのまえに…俺は声を振り絞った。
「や…だ。」
白羽九朗が俺の腰に回した手がびくりと動いたのが分かった。
「…あーっと、あっぶな。止まらなくなるところだった。
…いきなり怖かったですよね?すいません。
今日はここまで。また会いたいのでお名前聞いてもよろしいですか?」
その答えはイエスしかないような気がする。
本当は名前なんか教えたくない。
でもいうまでは解放してくれなさそうだ。
早く帰りたい。
ラインをちらりと見ると廉から『美緒、どうした』と返ってきていた。
…。
俺は意を決して
「満欠 伊麻里」
と名乗った。
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。