豆柴彼女。

ちゃあき

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3話 服を買いに行く

4.彼の好み

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「こういう服可愛いよな」
「まぁ……確かに」

 あつしの趣味は意外にメルヘンなのかも知れない。

 こう言うのが好きなら、こう言うのを好きな女の子が好きそうな格好をすればいいのに。そうすればいつもみたいに寺沢○一のマンガみたいな女の子ばっかり寄ってこないだろ。

 ……かくいう僕もあずきが着るのだと思えば、連れて来てもらえたのがこのお店でよかったと思う。

 可愛さとかセンスとか、あつしや恵奈さんに比べれば僕の判断は正直かなりヤブだ……でも、そういうこだわりとか意志をもった人にあずきの服を選んでもらえるのが嬉しい。

「おまちどおさま……ちょっと見てあげてくれる?」

 呼ばれて試着室の前に立った。カーテンがサッと開かれると、そこには選んでもらった服に着替えたあずきがいた。

 くすんだ薄いピンク色のトップスは肩と襟にフリルがついていて、胸元を細い黒いリボンが飾ってる。サイドを編み上げた黒のふわりとしたスカートは、あずきが動くたびに裾が空気を含んでふわふわと揺れる。

「……かわいい」

 あずきがぱっと顔をあげた。可愛いとつぶやいたのはあつしだ。僕もそう思ったけど先を越されたから黙ってた。

「それ似合ってる、滅茶苦茶可愛いじゃん」
「そうでしょ? ピンク似合うわね」
「そ、そうですかっ……お洋服はかわいいですけどっ……」
「あずきちゃんも可愛いわよ」

 恵奈さんは鏡越しのあずきへ微笑みかけた。あずきは頬を染めてもじもじしてる。もっと堂々としていい。贔屓目かも知れないけど、そう思うくらい綺麗な服を着たあずきは可愛かった。

 もっと早くちゃんとした服装をさせてやればよかった。……今後はハンディ掃除機やフルーツナイフに続き、衣装代もかさみそうな気がする。バイトのシフトを増やさないといけない。

 他のも着てみようと言われて、あずきと恵奈さんはまた試着室に引っ込んだ。

 あつしは壁にかけられたフリルやリボンのついた靴下のディスプレイに視線を移して鼻歌を歌ってる。

「……似合う服とか、当人が好きな服着てるのもいいけど選んだ服着せたいってのもあるよな」
「え?」

 彼はリボンのついた白い靴下を手に取って機嫌よさそうに眺めていた。
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