1 / 1
最強の人造人間に俺は転生したぜ、永遠にあばよ、嘘だらけの前の世界
しおりを挟む
やあ、俺の名は一条光太郎。
社畜人生に、嫌気がさして
格好つけて、会社員を、やめたはいいが
その後は何をやっても、続かねえ、究極の駄目人間様だ。
自慢じゃねえが、社会人として、最後の会話はこうだぜ。
「98円になります、支払いはどうされますか」
「98円か、ポイントつかねえけど、HEY HEYでいいか」
「はい」
ピッ!
「ありがとうございましたあ」
98円……、しかも
支払いはHEYHEYだぜ HEYHEY……。
ポイントつかねえって、そりゃ100円未満だしな。
結局、絶望して、引きこもっちまって
リストカット、首吊り、飛び降り、最後はトラックへの飛び込み。
俺は子供のころに憧れたスーパーヒーローという奴になりたかった。
こんなつまらない人生とは今度こそ、永遠に、おさらばだ。
「よっしゃあ、たあ!」
ブワアーーー! キキキキーーー!
俺の身体は華麗に宙を舞う。
意識が遠くなっていく……。
「ぐはっ。あ、あばよ……、ガク……」
「あ、あの野朗、自分から飛び込みやがった、チキショウッ!」
一体どれだけの数の自殺を、繰り返して、来たことか。
でもなんでか、助かっちまって、死ねなかったんだよなあ。
でも、俺は不死身じゃなかった、そしてーー。
気がつき、目を開けると、イケメンで、V字型のボディ。
それは機械で出来た身体
つまり不老不死ってやつだ。
ついに、俺は手に入れたぜ、究極の肉体をな。
つまんねえ転生など、意味ねえぜ。
ただな、やっぱ科学の究極を極めた身体を手に入れても
問題は転生した世界だ、なんだよ、これは……。
中世じゃねえのか、ギルドって
なんで俺のキャラ設定が
超弩級のSFなのに、剣と魔法の世界なんだよ。
ーーだれか説明しろよ。
「おい、あんちゃん、いい身体してんな、自衛隊に入らないか」
「自衛隊ってなんですか、軍隊ですか」
「ーーマジかよ、おい、自衛隊も、知らねえって、どこの田舎から出てきたんだ」
どうやら、この異世界の街では、自衛隊というものを知らないのは
相当ヤバイらしい。
「あんちゃん、悪い事はいわないから、さっさと故郷へ帰るんだな……」
「ええっ、俺、転生してきたばかりなんすよ」
せっかく、最高の身体を手に入れたのに
また転生するために、簡単には自殺じゃねえ
自爆できない。
「転生、なんだそりゃ?」
「いえ、こっちのことです、どうか、その自衛隊について、教えてもらえませんか」
「しょうがねえな、少しだけだぜ」
この街は、いろんな、モンスターに襲われるそうだ。
外から来て、街に住む者は、自衛隊に入って
街を守るために、戦うことが、事実上の義務らしい。
うんで、このギルドで、自衛隊員として、登録するってわけだ。
「わかったぜ、よそ者で、自衛隊員じゃなきゃ、不審者扱いってわけだ」
「そうだ、ものわかりがいいな、わかったら、さっさと登録しな」
「ちょっと、どいて、どいてよ、邪魔、邪魔」
ゲームを、あんまりやったことはない俺でも
わかるぐらいの、魔法使いらしい女が
突然、ギルドの扉を開けて
ズカズカと踏み込んで、来やがった。
「おお、リーサじゃねえか、どうだい調子は?」
「駄目、駄目、最近は近くに現れるモンスターも、小物ばっかりで稼ぎも、少ないの」
「嵐の前の静けさっていうぜ、超大物級が襲ってくる前はこういう感じだな」
「超大物級って、どんなのよ、おっさん?」
魔法使いの女は、口は悪いが、中々の美人だ。
「10年前はドラゴンが、群れで襲ってきて、そりゃもう自衛隊員が、ゴミのように死んだな」
「ひえ~、ラスボス級じゃん、そんなのが、地上に、マジいんの」
「まあ、何かの定期イベントか、なんかじゃねえのか」
「ふーん……」
女は俺に向かって、不審な何かを見るような目を向けている。
「ーーで、何よ、この白いガタイのいい、ムキムキマンは使えんの」
「今から登録するところだな、ステータスとかもわからんから、なんとも言えねえな」
「ド田舎から出てきた、ほかほかの、おのぼりさんってとこね、まあ、レベル1でしょ、ふん」
「まあ、そういうなって、経験さえ、つみゃあ、なんとかなるさ」
「ちょっとお、後がつかえてんのよ、ぼさっとしてないで、はやく登録しなさいよ」
ギルドの受付が、このおっさんだけらしく、俺が手続き中なので
この女は、待たされる事にむっとしているらしい。
「で、あんちゃん自衛隊では何をやるんだ」
「何って、職業とかいうやつですか」
「そうだよ、どうみても、そのガタイのいい身体じゃ、戦士だな」
「ああ、それでいいです、もうなんでも」
「なんでもって、最近の若い奴は、自衛隊を舐めてるのかねえ」
「ほいほいっと、登録完了」
女からおっさんと呼ばれている男は何かの書類のようなものに
俺の情報を記入しているようだ。
「ほれ、ここにサインしな、お前の最低限の稼ぎは、これで、保障されるからな」
どうやらモンスターを倒さなくても、自衛隊員になれば
生活の面倒は見てくれるらしい。
もちろん、同じ自衛隊員だろう
この女魔法使いを見る限り
最低限の生活水準で
つらい貧乏生活を抜け出したければ
街の外に出て、モンスターを狩って
稼ぐことは必要らしいな。
「おい、なんだこりゃ、ステータスが、めちゃくちゃじゃねえか」
ーーーーー(ステータス)ーーーーー
【名前】 イチジョウ・コウタロウ
【種族】 バキューン
【年齢】 0
【職業】 戦士
【レベル】 0
【称号】 白い悪夢
【HP】 0
【MP】 0
【攻撃力】 0
【防御力】 0
【魔力】 0
【素早さ】 0
【魅力】 0
【運】 0
【スキル】
レインボーバリア
稲妻パンチ
ドリルキック
ブレストビーム
超破壊ビーム
ファイナルアタック
なにがどうなるか、わからないファイナル
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスを見て、俺も一瞬驚いたが
俺の身体は機械だ、マシーンに、人間みたいな
肉々しい、ステータスがあるわけねえ。
「何、何、何、ちょっと、アタシにも、見せないさいよ、どいて」
「あんちゃん、見せても、いいよな、ほらよ」
「ひえ~全部、0じゃん、あんた、本当に生きてんの」
「はあ、おかげさまでなんとか……」
「ーーしかも、何よ、これ、スキルが意味不明じゃん、ビームって、魔法なの」
俺だって、この身体を、さっき手に入れたばかりだ、使ってみないとわからない。
「ーーたしかに、なにがどうなるか、わからないファイナルって、宴会芸か何かか?」
「あんた、マジ、田舎に帰ったほうがいいわよ……」
「たしかに、これで戦えるとは思えんな、ガタイはいいから畑仕事がお似合いだぜ」
女は馬鹿にしているし、ギルドのおやっさんが
どうしようもねえなと、呆れてやがるが、最強の俺は気にしねえ
今に見てやがれ。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
「敵だああ、デーモンの集団だ、ダンジョンの最下層から、地上に沸いてきやがった、ありえねえ」
外で、悲鳴のような大声が聞こえる。
「デーモンって、ドラゴン級じゃん、そんなの倒せんの」
「つべこべいわんと、戦ってこいよリーサ、むちゃくちゃな分、報酬は、すげえぜ」
「死ぬのは自分じゃないからって、軽く言わないでよ」
「お前ら自衛隊員の役割を言っただけだろ」
「まあ、そうね、でっアンタは、ここにいなさいよ、出てきたら、邪魔だし、絶対死ぬからさ」
「ーーもしかして、戦うんですか」
「そうよ、デーモンの2、3匹、私の魔法で、ぶっ飛ばしてくるわ、見てなさい」
「リーサ、無理して買った装備の借金を全部返済するまで、死ぬんじゃねえぞ」
「おっさん、もうちょっと、マシな、はげまし方ないわけ」
「ぜいたく、いうんじゃねえよ、装備壊したら、もっと金貸してやるから、いってこい」
「ああ、高価な装備なのにどうして、こう、すぐに壊れるのよ、全く、嫌になるわ」
女は、良く見ると高価そうな杖を持っていて
慌てて、ギルドの外に出て行く。
デーモンと、やらを倒しにいくのだろう。
「あんちゃんは、ここで、おとなしく待ってな、さすがにデーモンは、初心者には無理だからな」
ーー外で何が起きてるかは、大体想像はつく
ゲームとかで見たことのある、あれだ。
ボスがいて、大勢のプレイヤーが、群がって必死で倒すやつだ。
ときどきボスが、即死級のスキルを放って、バタバタ死ぬのもお決まりと言う奴だ。
チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
「ぐわおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ズガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
かなり大勢の自衛隊員が、戦っているのか
やりあってるのは街の外なのに、デーモンの雄たけびが、
まるで、近くにいるかのように聞こえてくる。
「はあ、はあ、ちょっと、おっさんらも逃げて、数が多すぎて、見事に囲みを突破されたわ」
慌てて、息を切らして、戻ってきた女の着ていたローブは
ボロボロで、新品だった杖は、ヒビが入っている。
ズン、ズン、ズン、ズン、ズン
巨大な何かの足音が、こちらに迫ってきている、たしかに、やばい状況だ。
俺はとにかく、外に出て様子を見ることにした。
せっかく、異世界に転生したんだし、現実世界のように、引きこもっててもつまらない。
「あっ、ちょっとあんた、外に出るんじゃないの、即死しても、知らないわよ」
外に出ると、巨人のような大きな身体で、真っ赤に燃えるような色をした
いかにもデーモンという感じのモンスターが、俺を見つけて、にらみつける。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「いけない、即死級の破壊スキルが来るわ、逃げなさいアンタ」
逃げろたって、目の前だ、逃げれるわけがない。
戦うしかないだろ、やられる前にやるしかねえ。
不死身の鋼鉄の身体をなめんじゃねえぜ。
たぶん、この白いボディは、超合金Ωとかで出来てんだぜ。
「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
デーモンが、即死級のスキルを放とうとしている
明らかに、俺を虫けらのように、殺そうとする、殺気が満ちている。
機械の身体が、自動で最適なスキルを選択した。
「レインボーバリヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア」
巨大な、七色の光を、放つバリヤーが、俺の身体をつつんでいる。
究極の科学の前には、デーモンの攻撃など、はっきり言ってカスだぜ。
「ーーなによ、あのチートスキル、レベル0のくせに、なんか卑怯よ、アイツ」
ボロボロのローブに、壊れた杖を持って、俺を見下して
生意気だった女が恨めしそうにしているので、はっきりいって、気持ちいい。
防御だけだと思うなよ、お次は攻撃だ。
「稲妻パーンチ!」
ドカッ!
「ドリルキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーック」
バキッ!
必殺パンチとキックでデーモンが、ひるんだあとに、止めの一撃を食らわせる。
「ブレストビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
鋼鉄製の白い胸が開くと、そこから熱線が、ビームとして発っせられて
デーモンを焼き焦がしていく。
「ぐごがおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぎゃあわあああ」
怒涛の連続攻撃の前に、あっと言う間に、目の前の
デーモンは悲鳴をあげて消え去った。
はっきりいって、どっちがボス級か、わからんぜ。
俺には経験値など不要だ、なぜなら俺は
最強なんだし、もう成長なんか
必要ないからだぜ。
「なによあれ、おっさん、アイツの独り占めってわけ? この、おのぼり、ケチ男」
「いや、リーサ、お前の魔法も先に入ってるから、報酬も経験値も入るだろ」
「えっ、なになに FA(ファーストアタック)とってるから 特別ボーナス入るの、ラッキー、もっと、やれー白いアクメ」
「アクメじゃねえだろ、悪夢だろ、リーサ」
「ーーどっちもでいいわ、FAとってあいつのとこに、デーモンを引いてくれば、うはうはじゃん¥」
「そりゃいい考えだ、借金返すために、とっとと、いってこいよ」
「だから、励まし方ってのがあるでしょ、もう……」
ギルドのおっさんと、何やら話をしていた女は、また街の外に出て行くと
自衛隊員を殺しまくって、手のつけられなくなっているデーモンに
手当たり次第、魔法を使って、攻撃しターゲットを取って
こちらに団体さんで、引き連れてくる。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「ずおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおむ」
「さあ、さっきみたいに、とっとと、やっちゃって、レベル0の先生、どうぞお☆」
「レベル0ってなんだよ、ちゃんと呼べよ」
「リーサよ、自衛隊で一番かわいいアイドルで、美人のリーサ・デュ・アルトリア!」
貴族の、ご令嬢みたいな名前が、正直すげえぜ。
「で、あんたの名前は、たしか……」
一条光太郎だと、雰囲気が出ない、やはりここは……
「ーーバキューンと呼んでくれ、転生、いや、人造人間バキューンだ」
「人造人間…… あっそ、バキューン、これから、ずっとよろしくね」
「どうやら、いつの間にか、勝手にPTメンバーに、されてしまったらしい」
4、5匹のデーモンが、ズカズカと地面を揺らしながら
行列の出来る店じゃあるまいし、俺に向かって走ってくる。
ターゲットされているリーサは
後で支払われる高額報酬のせいか、俺の後ろに隠れて、にやけてやがる。
PTメンバーになれば、得られる経験値や、報酬も段違いだ。
「これで借金がチャラよ、チャラ、さあ、私のために、全部始末しなさい」
ーーこの女は金しか興味がねえのか、まあ借金は人を、魂まで奴隷にするからな。
ここは、仕方がねえ。
地上最強のヒーローは危機に陥った、ヒロインから頼りにされて、何ぼだぜ。
その危機が、多額の借金だったかは、正直、知らんがな。
「超破壊ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
スカッ、スカッ、スカッ、スカッ、スカッ
両目から、かみそりのように相手を切り裂く、ビームが発射される。
目の前に迫っていた複数のデーモンは、身体をスライスされて
今度は、断末魔の雄たけびさえあげる暇もなく、全て、消滅した。
「きゃああああああああああああああああ\\、ステキ☆ バキューン先生」
「先生をつけりゃいいってもんじゃねえだろ、このアマ」
「ちょっとまだ、1匹、特別製のやつがいるわ、あいつを二人で倒せば……」
二人って、てめえはFAとって、引いてきただけだろ。
目の前には腕を組んで、歌舞伎のような顔をして、背中にウィングが生えている
青い身体のデーモンがいる。
「アモンよ、アモン、デーモンの中のデーモンよ、超弩級のボスよ」
「なんで、そんなレアらしい、とんでも、ボスモンスターが、ここにいるんだよ」
「知らないわよ、あんたこそどうなのよ、チートな存在の、あんたのせいじゃないの」
たしかにそれはあるかもしれない、俺の掟破りの
世界観をガン無視した、転生のせいで、この異世界の何かが、狂ったのかもしれない。
とにかく、考えるのは、このアモンとやらを、サクッと、かたずけてからだ。
「超破壊ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
「フン!」
それたビームが街を破壊する
チュドーーーーーーーーーーーーーーン!
背中の大きなウィングをバリアにして、俺の両目から出た
超破壊ビームをそらして、かわしやがった、さすが超ボス級だな、だがこれはどうだ
「ファイナルアタックーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
シャキーン!シャキーン!シャキーン!
俺の身体が、鋼の装甲に包まれると、全身が炎に包まれて
まるでフェニックスのようにアモンに向かっていく。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
さすがの、アモンも、掟破りの科学の力の前に
苦しみの雄たけびを上げている。
俺の必殺攻撃で、悪魔の胸には大きな穴が、ぽっかり開いたからだ。
ここで、すかさず止めだ。
「なにがどうなるか、わから……」
「何、何、あんた、さっきの宴会芸やるの、余裕じゃん」
「うるせえ、お前は黙ってろ」
俺もどうなるかわからないが、やるぜ。
「なにがどうなるか、わからないファイナル~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
ーー必殺技の名前が虚しく、響くだけで何も起らない。
ファイナルアタックを食らって、悶絶していたアモンが
どんどん、傷を癒して、回復をしていき、元通りになって
迫ってくる。
「なんで、何もおきないんだよ」
「私が、知るわけないでしょ」
目の前まで来て、こちらを見下ろしているアモンは
打撃を使った直接攻撃を加えてくるつもりだ。
デーモンどもは意思を、共有しているのか
仲間の犠牲から、学習して、進歩してやがる。
直接攻撃は、バリアでは防げない、頭はいいらしいな。
「くそ」
「何よ!その目は、さっさとあれをなんとかしなさいよ、グズね」
「こ、このアマ…… あれが見えないのか、さっさと逃げやがれ」
「何よ、邪魔だっていうの」
こいつの見てくれはともかく
中身は強欲なだけで、何の役にもたたねえとはさすがに言えねえ。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
予想どおりのアモンの全身全霊の力を込めた一撃。
アモンの攻撃をかわすのは簡単な話だが
リーサがいるので、そういうわけにもいかない。
「うおおおおおおおおおおお~」
何とか攻撃を食い止めたが、相手は超重量級だ。
いつまでも持ちこたえることが、できるわけもない。
「きゃあああ、信じられない、バキューン様☆」
「きゃあああ、じゃねえだろ。さすがに、長くは持たん、今のうちに、逃げるんだよ」
「逃げろって、あいつを独り占めする気、欲張り!」
「嘘だろ、みりゃあわかるだろ」
欲ボケ女の信じられねえ返事に、死ぬほどイラつくが仕方ねえ。
相手がアホでも守るってやる、これがヒーローってもんだからな。
「ひっ、目こわい……。わかったわよ、逃げればいいのね、この卑怯者、薄情者!」
「な、なんとでも言え……、この馬鹿女!」
「ひ、酷い。気にしてんだから言い過ぎよ、ばかあ~~」
何度も強力な攻撃を正面から受け止め続けていた
機械の身体も限界だ。
「く……、こう連続でこられちゃ、さすがに」
リーサが逃げ出すと同時に、パワーダウンし、ついに一撃を支えきれなくなった俺を
アモンは殴りつけ、力ずくで、ふっとばすと、勝利を確信したのか、高笑いを浮かべている。
「フハハハハハハハハハハハハ」
「フン」
ーーまあ、まるで応えてないけどな。
多分……、超合金Ωの鋼の身体を舐めるなよ。
機械は痛みなんか感じねえし、血も涙も流さねえのさ。
文字通り最強だぜ。
しかし、こんな図体のデカイ奴をどうやって、始末すればいいのか……。
帰るように、説得するわけにもいかねえしな。
「ふう……。 !?」
倒れた身体で、街の空を見上げていると、なにか巨大な剣のような
物体が、凄まじい速さで、近づいてきて、ぐんぐん大きくなっていく。
ーーまさか、さすがに、ありえねえだろと、俺は思った。
巨大な剣はアモンにぶつかり、青い悪魔の巨体を吹っ飛ばすと
機械の巨人に変形して、俺を体内に吸い込んだ。
気がつくと、巨人の体内にいるようだ。
右手を動かすと、同じように巨人も動くが、この設定は、さすがにめちゃくちゃだ。
巨人を動かして、ふたたび、向かってくるアモンと両手を合わせて
力比べをはじめるが、まるで、子供を相手にしているようだ。
つかんだ手を握って、へし折ると、そのまま握力を全開にして
合わせているアモンの手を握りつぶす。
「ぐぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
のたうちまわって、街を壊しまくっているアモンに止めを刺すために
俺が体内にいる巨人の手が光ると同時に、巨大な剣が現れる。
「ファイナル、スラッシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ズバッ!
懇親の一撃で、真っ二つに身体を切り裂かれたアモンは
さすがに不死身の再生能力も間に合わず、消滅した。
アモンとの戦いが、わかりきった圧勝で終わると
俺は機械の巨人の体内から放出される。
巨人が飛び去るのを見届けた後
俺はエネルギー切れのためか、気を失いながら、考えをめぐらせていた。
ーー戦いは終わった、街はボロボロだ、誰が一体、この莫大な修理費を弁償するのだろうか?
次の瞬間、気がつくと、俺は大きめのベッドで寝ていた。
額には塗れた布が置いてある、誰かが付き添いで看病してくれていたのだろうか。
誰が一体、そして、ここはどこだ、全部夢だったとか、まさかの夢落ちか、ありえないだろ。
「コウタロウ、オ・キ・タ・ノ うふふ」
ーー誰かが、俺のベッドに……
隣には悩殺スタイルの下着姿のリーサが寝ている。
「責任とってね、コウタロウ」
エネルギー切れをしていたので、電源をカットして
緊急充電モードで回復したのだろうから、その間は動けなかったはずだ。
この、ウソつき女……。
しかも、馴れ馴れしく、名前で呼んでやがる。
「リーサ、てめえ、ボロボロに街を壊しやがって、耳そろえて金を払えや!」
外から怒号が聞こえる。
きっと、街をボロボロに壊されて、怒っている住民だろう。
ヒューーーーーーーン ガチャン パリーン!
おいおい、石まで投げてきやがったぜ。
「ふええええん、金の亡者、こわいよおお~」
「金の亡者って、リーサ、さっきまでのお前のことだろ」
「もう、あんな事はしませんから、許して……」
「そうかい、全く」
リーサが、欲に目がくらんでしまい
街中にデーモンどもを引いてきたのが、失敗だったのだ。
部屋には赤字で記入されている、0が数え切れないほど、ならんだ
紙切れが、散乱している。
ベッドの上にも1枚あるので、手に取ってみると
修理費用を借金で立て替えた、請求書らしい。
「0がねえ、いっぱいあるのお、コータローのステータスみたい」
「しっかり、しろ、おい、リーサ」
FAを取ったのはリーサなので、莫大な街の修理費用は
ほとんどが、リーサが支払うものらしいが、そういうことだろう。
「だって、もう私の全てを売るしかないの…… 奴隷よ、身も心も全て買われちゃうの~」
リーサの目は、うつろだ……。
そりゃそうだ、これだけの借金抱えれば
どう考えても、もう、自分の全てを売るしかねえからな。
まあ、異世界で暮らしていくには、ここに詳しいパートナーは必要だ。
騙されて、責任を取ってやるか……。
「借金なんぞ、俺が、利息つけて、全て返済してやるぜ、とっとと外の連中に言ってこい」
「きゃあ、本当、コータロー……」
「俺は無敵の人造人間バキューン様だぜ、稼ぎで、城の一つぐらいすぐに建ててやるぜ」
「うん、言ってくるネ、わーい」
この無敵の力があれば
この世界で、成り上がれる。
外で怒ってる、やつらの借金もあっさり返済して
大活躍して、すぐに貴族に取り立てられるだろうし
王様になる事だって夢じゃねえ。
「おお、いいぞ、バキューン、この野朗!」
「利息が10000%だなんて、神様だぜ、アンタ」
「こりゃ気前が、いいや、祝いの祭りだ、祭り」
「無敵のバキューン、あんた最高だぜ!」
「ステキ☆ 我が、ナーロッパ最強の戦士様」
「酒だ、酒、もりあがってきたぞお~~~」
外に出て行ったリーサが、話をつけたのか
外の連中が、大喜びしてやがる。
そりゃそうだ、利息を勝手に10000%にしてやがる。
まあ、今や、この街で、俺様の無敵ぶりを、しらない奴はいないし
チョロイもんだ。
そういうわけだ。
じゃあな、俺が元居た、嘘だらけの世界達よ、永遠に、さらばだ。
【糸冬】
社畜人生に、嫌気がさして
格好つけて、会社員を、やめたはいいが
その後は何をやっても、続かねえ、究極の駄目人間様だ。
自慢じゃねえが、社会人として、最後の会話はこうだぜ。
「98円になります、支払いはどうされますか」
「98円か、ポイントつかねえけど、HEY HEYでいいか」
「はい」
ピッ!
「ありがとうございましたあ」
98円……、しかも
支払いはHEYHEYだぜ HEYHEY……。
ポイントつかねえって、そりゃ100円未満だしな。
結局、絶望して、引きこもっちまって
リストカット、首吊り、飛び降り、最後はトラックへの飛び込み。
俺は子供のころに憧れたスーパーヒーローという奴になりたかった。
こんなつまらない人生とは今度こそ、永遠に、おさらばだ。
「よっしゃあ、たあ!」
ブワアーーー! キキキキーーー!
俺の身体は華麗に宙を舞う。
意識が遠くなっていく……。
「ぐはっ。あ、あばよ……、ガク……」
「あ、あの野朗、自分から飛び込みやがった、チキショウッ!」
一体どれだけの数の自殺を、繰り返して、来たことか。
でもなんでか、助かっちまって、死ねなかったんだよなあ。
でも、俺は不死身じゃなかった、そしてーー。
気がつき、目を開けると、イケメンで、V字型のボディ。
それは機械で出来た身体
つまり不老不死ってやつだ。
ついに、俺は手に入れたぜ、究極の肉体をな。
つまんねえ転生など、意味ねえぜ。
ただな、やっぱ科学の究極を極めた身体を手に入れても
問題は転生した世界だ、なんだよ、これは……。
中世じゃねえのか、ギルドって
なんで俺のキャラ設定が
超弩級のSFなのに、剣と魔法の世界なんだよ。
ーーだれか説明しろよ。
「おい、あんちゃん、いい身体してんな、自衛隊に入らないか」
「自衛隊ってなんですか、軍隊ですか」
「ーーマジかよ、おい、自衛隊も、知らねえって、どこの田舎から出てきたんだ」
どうやら、この異世界の街では、自衛隊というものを知らないのは
相当ヤバイらしい。
「あんちゃん、悪い事はいわないから、さっさと故郷へ帰るんだな……」
「ええっ、俺、転生してきたばかりなんすよ」
せっかく、最高の身体を手に入れたのに
また転生するために、簡単には自殺じゃねえ
自爆できない。
「転生、なんだそりゃ?」
「いえ、こっちのことです、どうか、その自衛隊について、教えてもらえませんか」
「しょうがねえな、少しだけだぜ」
この街は、いろんな、モンスターに襲われるそうだ。
外から来て、街に住む者は、自衛隊に入って
街を守るために、戦うことが、事実上の義務らしい。
うんで、このギルドで、自衛隊員として、登録するってわけだ。
「わかったぜ、よそ者で、自衛隊員じゃなきゃ、不審者扱いってわけだ」
「そうだ、ものわかりがいいな、わかったら、さっさと登録しな」
「ちょっと、どいて、どいてよ、邪魔、邪魔」
ゲームを、あんまりやったことはない俺でも
わかるぐらいの、魔法使いらしい女が
突然、ギルドの扉を開けて
ズカズカと踏み込んで、来やがった。
「おお、リーサじゃねえか、どうだい調子は?」
「駄目、駄目、最近は近くに現れるモンスターも、小物ばっかりで稼ぎも、少ないの」
「嵐の前の静けさっていうぜ、超大物級が襲ってくる前はこういう感じだな」
「超大物級って、どんなのよ、おっさん?」
魔法使いの女は、口は悪いが、中々の美人だ。
「10年前はドラゴンが、群れで襲ってきて、そりゃもう自衛隊員が、ゴミのように死んだな」
「ひえ~、ラスボス級じゃん、そんなのが、地上に、マジいんの」
「まあ、何かの定期イベントか、なんかじゃねえのか」
「ふーん……」
女は俺に向かって、不審な何かを見るような目を向けている。
「ーーで、何よ、この白いガタイのいい、ムキムキマンは使えんの」
「今から登録するところだな、ステータスとかもわからんから、なんとも言えねえな」
「ド田舎から出てきた、ほかほかの、おのぼりさんってとこね、まあ、レベル1でしょ、ふん」
「まあ、そういうなって、経験さえ、つみゃあ、なんとかなるさ」
「ちょっとお、後がつかえてんのよ、ぼさっとしてないで、はやく登録しなさいよ」
ギルドの受付が、このおっさんだけらしく、俺が手続き中なので
この女は、待たされる事にむっとしているらしい。
「で、あんちゃん自衛隊では何をやるんだ」
「何って、職業とかいうやつですか」
「そうだよ、どうみても、そのガタイのいい身体じゃ、戦士だな」
「ああ、それでいいです、もうなんでも」
「なんでもって、最近の若い奴は、自衛隊を舐めてるのかねえ」
「ほいほいっと、登録完了」
女からおっさんと呼ばれている男は何かの書類のようなものに
俺の情報を記入しているようだ。
「ほれ、ここにサインしな、お前の最低限の稼ぎは、これで、保障されるからな」
どうやらモンスターを倒さなくても、自衛隊員になれば
生活の面倒は見てくれるらしい。
もちろん、同じ自衛隊員だろう
この女魔法使いを見る限り
最低限の生活水準で
つらい貧乏生活を抜け出したければ
街の外に出て、モンスターを狩って
稼ぐことは必要らしいな。
「おい、なんだこりゃ、ステータスが、めちゃくちゃじゃねえか」
ーーーーー(ステータス)ーーーーー
【名前】 イチジョウ・コウタロウ
【種族】 バキューン
【年齢】 0
【職業】 戦士
【レベル】 0
【称号】 白い悪夢
【HP】 0
【MP】 0
【攻撃力】 0
【防御力】 0
【魔力】 0
【素早さ】 0
【魅力】 0
【運】 0
【スキル】
レインボーバリア
稲妻パンチ
ドリルキック
ブレストビーム
超破壊ビーム
ファイナルアタック
なにがどうなるか、わからないファイナル
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスを見て、俺も一瞬驚いたが
俺の身体は機械だ、マシーンに、人間みたいな
肉々しい、ステータスがあるわけねえ。
「何、何、何、ちょっと、アタシにも、見せないさいよ、どいて」
「あんちゃん、見せても、いいよな、ほらよ」
「ひえ~全部、0じゃん、あんた、本当に生きてんの」
「はあ、おかげさまでなんとか……」
「ーーしかも、何よ、これ、スキルが意味不明じゃん、ビームって、魔法なの」
俺だって、この身体を、さっき手に入れたばかりだ、使ってみないとわからない。
「ーーたしかに、なにがどうなるか、わからないファイナルって、宴会芸か何かか?」
「あんた、マジ、田舎に帰ったほうがいいわよ……」
「たしかに、これで戦えるとは思えんな、ガタイはいいから畑仕事がお似合いだぜ」
女は馬鹿にしているし、ギルドのおやっさんが
どうしようもねえなと、呆れてやがるが、最強の俺は気にしねえ
今に見てやがれ。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
「敵だああ、デーモンの集団だ、ダンジョンの最下層から、地上に沸いてきやがった、ありえねえ」
外で、悲鳴のような大声が聞こえる。
「デーモンって、ドラゴン級じゃん、そんなの倒せんの」
「つべこべいわんと、戦ってこいよリーサ、むちゃくちゃな分、報酬は、すげえぜ」
「死ぬのは自分じゃないからって、軽く言わないでよ」
「お前ら自衛隊員の役割を言っただけだろ」
「まあ、そうね、でっアンタは、ここにいなさいよ、出てきたら、邪魔だし、絶対死ぬからさ」
「ーーもしかして、戦うんですか」
「そうよ、デーモンの2、3匹、私の魔法で、ぶっ飛ばしてくるわ、見てなさい」
「リーサ、無理して買った装備の借金を全部返済するまで、死ぬんじゃねえぞ」
「おっさん、もうちょっと、マシな、はげまし方ないわけ」
「ぜいたく、いうんじゃねえよ、装備壊したら、もっと金貸してやるから、いってこい」
「ああ、高価な装備なのにどうして、こう、すぐに壊れるのよ、全く、嫌になるわ」
女は、良く見ると高価そうな杖を持っていて
慌てて、ギルドの外に出て行く。
デーモンと、やらを倒しにいくのだろう。
「あんちゃんは、ここで、おとなしく待ってな、さすがにデーモンは、初心者には無理だからな」
ーー外で何が起きてるかは、大体想像はつく
ゲームとかで見たことのある、あれだ。
ボスがいて、大勢のプレイヤーが、群がって必死で倒すやつだ。
ときどきボスが、即死級のスキルを放って、バタバタ死ぬのもお決まりと言う奴だ。
チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
「ぐわおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ズガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
かなり大勢の自衛隊員が、戦っているのか
やりあってるのは街の外なのに、デーモンの雄たけびが、
まるで、近くにいるかのように聞こえてくる。
「はあ、はあ、ちょっと、おっさんらも逃げて、数が多すぎて、見事に囲みを突破されたわ」
慌てて、息を切らして、戻ってきた女の着ていたローブは
ボロボロで、新品だった杖は、ヒビが入っている。
ズン、ズン、ズン、ズン、ズン
巨大な何かの足音が、こちらに迫ってきている、たしかに、やばい状況だ。
俺はとにかく、外に出て様子を見ることにした。
せっかく、異世界に転生したんだし、現実世界のように、引きこもっててもつまらない。
「あっ、ちょっとあんた、外に出るんじゃないの、即死しても、知らないわよ」
外に出ると、巨人のような大きな身体で、真っ赤に燃えるような色をした
いかにもデーモンという感じのモンスターが、俺を見つけて、にらみつける。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「いけない、即死級の破壊スキルが来るわ、逃げなさいアンタ」
逃げろたって、目の前だ、逃げれるわけがない。
戦うしかないだろ、やられる前にやるしかねえ。
不死身の鋼鉄の身体をなめんじゃねえぜ。
たぶん、この白いボディは、超合金Ωとかで出来てんだぜ。
「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
デーモンが、即死級のスキルを放とうとしている
明らかに、俺を虫けらのように、殺そうとする、殺気が満ちている。
機械の身体が、自動で最適なスキルを選択した。
「レインボーバリヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア」
巨大な、七色の光を、放つバリヤーが、俺の身体をつつんでいる。
究極の科学の前には、デーモンの攻撃など、はっきり言ってカスだぜ。
「ーーなによ、あのチートスキル、レベル0のくせに、なんか卑怯よ、アイツ」
ボロボロのローブに、壊れた杖を持って、俺を見下して
生意気だった女が恨めしそうにしているので、はっきりいって、気持ちいい。
防御だけだと思うなよ、お次は攻撃だ。
「稲妻パーンチ!」
ドカッ!
「ドリルキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーック」
バキッ!
必殺パンチとキックでデーモンが、ひるんだあとに、止めの一撃を食らわせる。
「ブレストビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
鋼鉄製の白い胸が開くと、そこから熱線が、ビームとして発っせられて
デーモンを焼き焦がしていく。
「ぐごがおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぎゃあわあああ」
怒涛の連続攻撃の前に、あっと言う間に、目の前の
デーモンは悲鳴をあげて消え去った。
はっきりいって、どっちがボス級か、わからんぜ。
俺には経験値など不要だ、なぜなら俺は
最強なんだし、もう成長なんか
必要ないからだぜ。
「なによあれ、おっさん、アイツの独り占めってわけ? この、おのぼり、ケチ男」
「いや、リーサ、お前の魔法も先に入ってるから、報酬も経験値も入るだろ」
「えっ、なになに FA(ファーストアタック)とってるから 特別ボーナス入るの、ラッキー、もっと、やれー白いアクメ」
「アクメじゃねえだろ、悪夢だろ、リーサ」
「ーーどっちもでいいわ、FAとってあいつのとこに、デーモンを引いてくれば、うはうはじゃん¥」
「そりゃいい考えだ、借金返すために、とっとと、いってこいよ」
「だから、励まし方ってのがあるでしょ、もう……」
ギルドのおっさんと、何やら話をしていた女は、また街の外に出て行くと
自衛隊員を殺しまくって、手のつけられなくなっているデーモンに
手当たり次第、魔法を使って、攻撃しターゲットを取って
こちらに団体さんで、引き連れてくる。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「ずおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおむ」
「さあ、さっきみたいに、とっとと、やっちゃって、レベル0の先生、どうぞお☆」
「レベル0ってなんだよ、ちゃんと呼べよ」
「リーサよ、自衛隊で一番かわいいアイドルで、美人のリーサ・デュ・アルトリア!」
貴族の、ご令嬢みたいな名前が、正直すげえぜ。
「で、あんたの名前は、たしか……」
一条光太郎だと、雰囲気が出ない、やはりここは……
「ーーバキューンと呼んでくれ、転生、いや、人造人間バキューンだ」
「人造人間…… あっそ、バキューン、これから、ずっとよろしくね」
「どうやら、いつの間にか、勝手にPTメンバーに、されてしまったらしい」
4、5匹のデーモンが、ズカズカと地面を揺らしながら
行列の出来る店じゃあるまいし、俺に向かって走ってくる。
ターゲットされているリーサは
後で支払われる高額報酬のせいか、俺の後ろに隠れて、にやけてやがる。
PTメンバーになれば、得られる経験値や、報酬も段違いだ。
「これで借金がチャラよ、チャラ、さあ、私のために、全部始末しなさい」
ーーこの女は金しか興味がねえのか、まあ借金は人を、魂まで奴隷にするからな。
ここは、仕方がねえ。
地上最強のヒーローは危機に陥った、ヒロインから頼りにされて、何ぼだぜ。
その危機が、多額の借金だったかは、正直、知らんがな。
「超破壊ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
スカッ、スカッ、スカッ、スカッ、スカッ
両目から、かみそりのように相手を切り裂く、ビームが発射される。
目の前に迫っていた複数のデーモンは、身体をスライスされて
今度は、断末魔の雄たけびさえあげる暇もなく、全て、消滅した。
「きゃああああああああああああああああ\\、ステキ☆ バキューン先生」
「先生をつけりゃいいってもんじゃねえだろ、このアマ」
「ちょっとまだ、1匹、特別製のやつがいるわ、あいつを二人で倒せば……」
二人って、てめえはFAとって、引いてきただけだろ。
目の前には腕を組んで、歌舞伎のような顔をして、背中にウィングが生えている
青い身体のデーモンがいる。
「アモンよ、アモン、デーモンの中のデーモンよ、超弩級のボスよ」
「なんで、そんなレアらしい、とんでも、ボスモンスターが、ここにいるんだよ」
「知らないわよ、あんたこそどうなのよ、チートな存在の、あんたのせいじゃないの」
たしかにそれはあるかもしれない、俺の掟破りの
世界観をガン無視した、転生のせいで、この異世界の何かが、狂ったのかもしれない。
とにかく、考えるのは、このアモンとやらを、サクッと、かたずけてからだ。
「超破壊ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム」
「フン!」
それたビームが街を破壊する
チュドーーーーーーーーーーーーーーン!
背中の大きなウィングをバリアにして、俺の両目から出た
超破壊ビームをそらして、かわしやがった、さすが超ボス級だな、だがこれはどうだ
「ファイナルアタックーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
シャキーン!シャキーン!シャキーン!
俺の身体が、鋼の装甲に包まれると、全身が炎に包まれて
まるでフェニックスのようにアモンに向かっていく。
「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
さすがの、アモンも、掟破りの科学の力の前に
苦しみの雄たけびを上げている。
俺の必殺攻撃で、悪魔の胸には大きな穴が、ぽっかり開いたからだ。
ここで、すかさず止めだ。
「なにがどうなるか、わから……」
「何、何、あんた、さっきの宴会芸やるの、余裕じゃん」
「うるせえ、お前は黙ってろ」
俺もどうなるかわからないが、やるぜ。
「なにがどうなるか、わからないファイナル~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
ーー必殺技の名前が虚しく、響くだけで何も起らない。
ファイナルアタックを食らって、悶絶していたアモンが
どんどん、傷を癒して、回復をしていき、元通りになって
迫ってくる。
「なんで、何もおきないんだよ」
「私が、知るわけないでしょ」
目の前まで来て、こちらを見下ろしているアモンは
打撃を使った直接攻撃を加えてくるつもりだ。
デーモンどもは意思を、共有しているのか
仲間の犠牲から、学習して、進歩してやがる。
直接攻撃は、バリアでは防げない、頭はいいらしいな。
「くそ」
「何よ!その目は、さっさとあれをなんとかしなさいよ、グズね」
「こ、このアマ…… あれが見えないのか、さっさと逃げやがれ」
「何よ、邪魔だっていうの」
こいつの見てくれはともかく
中身は強欲なだけで、何の役にもたたねえとはさすがに言えねえ。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
予想どおりのアモンの全身全霊の力を込めた一撃。
アモンの攻撃をかわすのは簡単な話だが
リーサがいるので、そういうわけにもいかない。
「うおおおおおおおおおおお~」
何とか攻撃を食い止めたが、相手は超重量級だ。
いつまでも持ちこたえることが、できるわけもない。
「きゃあああ、信じられない、バキューン様☆」
「きゃあああ、じゃねえだろ。さすがに、長くは持たん、今のうちに、逃げるんだよ」
「逃げろって、あいつを独り占めする気、欲張り!」
「嘘だろ、みりゃあわかるだろ」
欲ボケ女の信じられねえ返事に、死ぬほどイラつくが仕方ねえ。
相手がアホでも守るってやる、これがヒーローってもんだからな。
「ひっ、目こわい……。わかったわよ、逃げればいいのね、この卑怯者、薄情者!」
「な、なんとでも言え……、この馬鹿女!」
「ひ、酷い。気にしてんだから言い過ぎよ、ばかあ~~」
何度も強力な攻撃を正面から受け止め続けていた
機械の身体も限界だ。
「く……、こう連続でこられちゃ、さすがに」
リーサが逃げ出すと同時に、パワーダウンし、ついに一撃を支えきれなくなった俺を
アモンは殴りつけ、力ずくで、ふっとばすと、勝利を確信したのか、高笑いを浮かべている。
「フハハハハハハハハハハハハ」
「フン」
ーーまあ、まるで応えてないけどな。
多分……、超合金Ωの鋼の身体を舐めるなよ。
機械は痛みなんか感じねえし、血も涙も流さねえのさ。
文字通り最強だぜ。
しかし、こんな図体のデカイ奴をどうやって、始末すればいいのか……。
帰るように、説得するわけにもいかねえしな。
「ふう……。 !?」
倒れた身体で、街の空を見上げていると、なにか巨大な剣のような
物体が、凄まじい速さで、近づいてきて、ぐんぐん大きくなっていく。
ーーまさか、さすがに、ありえねえだろと、俺は思った。
巨大な剣はアモンにぶつかり、青い悪魔の巨体を吹っ飛ばすと
機械の巨人に変形して、俺を体内に吸い込んだ。
気がつくと、巨人の体内にいるようだ。
右手を動かすと、同じように巨人も動くが、この設定は、さすがにめちゃくちゃだ。
巨人を動かして、ふたたび、向かってくるアモンと両手を合わせて
力比べをはじめるが、まるで、子供を相手にしているようだ。
つかんだ手を握って、へし折ると、そのまま握力を全開にして
合わせているアモンの手を握りつぶす。
「ぐぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
のたうちまわって、街を壊しまくっているアモンに止めを刺すために
俺が体内にいる巨人の手が光ると同時に、巨大な剣が現れる。
「ファイナル、スラッシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ズバッ!
懇親の一撃で、真っ二つに身体を切り裂かれたアモンは
さすがに不死身の再生能力も間に合わず、消滅した。
アモンとの戦いが、わかりきった圧勝で終わると
俺は機械の巨人の体内から放出される。
巨人が飛び去るのを見届けた後
俺はエネルギー切れのためか、気を失いながら、考えをめぐらせていた。
ーー戦いは終わった、街はボロボロだ、誰が一体、この莫大な修理費を弁償するのだろうか?
次の瞬間、気がつくと、俺は大きめのベッドで寝ていた。
額には塗れた布が置いてある、誰かが付き添いで看病してくれていたのだろうか。
誰が一体、そして、ここはどこだ、全部夢だったとか、まさかの夢落ちか、ありえないだろ。
「コウタロウ、オ・キ・タ・ノ うふふ」
ーー誰かが、俺のベッドに……
隣には悩殺スタイルの下着姿のリーサが寝ている。
「責任とってね、コウタロウ」
エネルギー切れをしていたので、電源をカットして
緊急充電モードで回復したのだろうから、その間は動けなかったはずだ。
この、ウソつき女……。
しかも、馴れ馴れしく、名前で呼んでやがる。
「リーサ、てめえ、ボロボロに街を壊しやがって、耳そろえて金を払えや!」
外から怒号が聞こえる。
きっと、街をボロボロに壊されて、怒っている住民だろう。
ヒューーーーーーーン ガチャン パリーン!
おいおい、石まで投げてきやがったぜ。
「ふええええん、金の亡者、こわいよおお~」
「金の亡者って、リーサ、さっきまでのお前のことだろ」
「もう、あんな事はしませんから、許して……」
「そうかい、全く」
リーサが、欲に目がくらんでしまい
街中にデーモンどもを引いてきたのが、失敗だったのだ。
部屋には赤字で記入されている、0が数え切れないほど、ならんだ
紙切れが、散乱している。
ベッドの上にも1枚あるので、手に取ってみると
修理費用を借金で立て替えた、請求書らしい。
「0がねえ、いっぱいあるのお、コータローのステータスみたい」
「しっかり、しろ、おい、リーサ」
FAを取ったのはリーサなので、莫大な街の修理費用は
ほとんどが、リーサが支払うものらしいが、そういうことだろう。
「だって、もう私の全てを売るしかないの…… 奴隷よ、身も心も全て買われちゃうの~」
リーサの目は、うつろだ……。
そりゃそうだ、これだけの借金抱えれば
どう考えても、もう、自分の全てを売るしかねえからな。
まあ、異世界で暮らしていくには、ここに詳しいパートナーは必要だ。
騙されて、責任を取ってやるか……。
「借金なんぞ、俺が、利息つけて、全て返済してやるぜ、とっとと外の連中に言ってこい」
「きゃあ、本当、コータロー……」
「俺は無敵の人造人間バキューン様だぜ、稼ぎで、城の一つぐらいすぐに建ててやるぜ」
「うん、言ってくるネ、わーい」
この無敵の力があれば
この世界で、成り上がれる。
外で怒ってる、やつらの借金もあっさり返済して
大活躍して、すぐに貴族に取り立てられるだろうし
王様になる事だって夢じゃねえ。
「おお、いいぞ、バキューン、この野朗!」
「利息が10000%だなんて、神様だぜ、アンタ」
「こりゃ気前が、いいや、祝いの祭りだ、祭り」
「無敵のバキューン、あんた最高だぜ!」
「ステキ☆ 我が、ナーロッパ最強の戦士様」
「酒だ、酒、もりあがってきたぞお~~~」
外に出て行ったリーサが、話をつけたのか
外の連中が、大喜びしてやがる。
そりゃそうだ、利息を勝手に10000%にしてやがる。
まあ、今や、この街で、俺様の無敵ぶりを、しらない奴はいないし
チョロイもんだ。
そういうわけだ。
じゃあな、俺が元居た、嘘だらけの世界達よ、永遠に、さらばだ。
【糸冬】
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる