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第0話 「女神と魔王」
第0話 ③「女神と魔王」〈カタルシス編〉
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あれから、天空界は、3年がたった。
(人間界は、300年がたった。)
神の国(天空界)の王宮から、39000kmほど、離れた〈ギリシャのミクロス〉という小さな街がある。そこに住んで3年になる、とある家族がいた。
街の外れで、白の部分と、黒の部分が入り交じった翼をパタパタと動かしている、薄紫色の髪の長い少年3歳が、
「おかあさん! みて! つばさがはえたよ!」
母親であるアテネが、それをそばで見て、思わず飛び出し、少年を抱き寄せ、両手で頭を、髪の毛がグシャグシャになるまでとても撫でながら、言った。
「よかったわね~! リンネ~!」
一緒にそばにいた、父親であるサタンも、それを見て、成長を噛み締め言った。
「3歳でもう翼が生えたのか! 早いな!」
少年、3歳のリンネは、親に褒められて、照れた。
「えへへ!」
そう!アテネ(女神)と、サタン(元魔王)は、子供を産み、神、悪魔、人間、どんな種族でもその者を救い出す光となるように「リンネ」と名づけられ、子育てをしていた。
ゼウスの言った条件を守り、神の国、天空界で、家族3人暮らしている。
だが、サタンにとって天空界の空気は、どうしても有害である。だから、天空界で唯一、日当たりが少し悪く、影になる時間が比較的多い、ここミクロスの街の外れを探し出し、そして、住むことを選んだのだった。
リンネは、パサパサ!パサパサパサ!と、羽を動かし、飛んでみようとしている。
そのリンネの行動を、そっと見守る、アテネとサタン。
そこへ、王宮がある方向の空から、声がした。
「アテネ姉さーん! サタンさーん! ちょっといい?」
そう呼ぶのは、アテネの弟、アレスである。
アテネは、「はーい」と返事をし、リンネと同じ目線までしゃがんで言った。
「ちょっと行ってくるわね ! ここで、 お利口さんに待っててね 」
リンネは、元気よく返事をした。
「わかった ー ! 」
そして、アテネとサタンは、 アレスのいる空中へ、翼を使い、飛んで行き、去っていった。
その後、リンネは、1人で、翼を使って飛ぼうと練習を頑張っている ! 。
すると、そこへ。ミクロスに住んでいる。リンネの家の近所の神2人と、天使たち3人がやってきた。その神と天使たちは、14歳くらいの年齢である。
リンネは、(パタパタパタパタ)と飛ぶ練習をしていた。そのリンネの近くにわざとらしく行き、近所の神々と、天使たちは、ガッツリ聞こえるような声のボリュームで、話し始めた。
「なんなの ? その羽 !? 」
近所の神々の1人が、汚い物を見たように、大きな声で言った。
と、それに乗っかるように、わざとらしく天使たちも言い出した。
「白と黒が混ざった翼 ?? !! 」
近所に住む神が、黒が悪だと思い込み、また、汚い物を言う言い方で言った。
「穢ったない ! 浄化しなければね ! 」
「浄化するも何も、この子、 魔王の子ですよ ? 」
と、天使たちは、悪ノリを始める。
近所に住む神2人は、ケラケラと笑いだし言う。
「あら ~ そ ー だった ! 浄化しても無駄じゃん ! 」
近所に住む神の内、1人が、突然リンネの翼を乱暴に鷲掴みにし、持ち上げた ! 。
「こ ー んな翼じゃあね ~ 」
「アテネ様が可哀想だわ ! 」
かぶせるように、近所に住むもう1人の神がそう言った。
リンネの前で、誰もいないことをいいことに言いたい放題、やりたい放題し、ケラケラと笑い声が大きくなる近所の神々と天使たち。
突然、焦ったように天使の1人が、怒鳴った ! 。
「何触ってるのですか ?! 穢れますよ !! 」
リンネの翼を鷲掴みにし、持ち上げていた近所に住む神が、急いで、翼から手を離し、
「いやー !! 誰か浄化して !! !! 」
と、腰を抜かし、叫んで逃げ、暴れ出す。
するとリンネは、相手にしないでおこうと考えていたが、とうとう口を開いてしまった。
「おまえらだれ ? 」
可愛いらしい見た目をした少年なのに、あまりの口の悪さに神々と天使たちは、驚きの表情を見せ、言葉を吐く ! 。
「この子 ! 口が、悪いですわ !! 」
「あら ! ヤダ、穢らわしい !! 」
リンネ、今度は、可愛い顔でニヤケながら神々と天使たちを見て言った。
「ん ? なにが ? おまえらが、 きたないよ ! 」
そう言われ、近所に住む、神々と天使たちは、怒りを込み上げ、大きな声で言った。
「きたない ?! なんですって !! 」
リンネは、からかうようにヘラヘラと笑いながら、天使や神々の周りをクルクル走り出し、
「ごめんなさい~ 。あっ、まちごた !! おまえらくず ? 」
と、いきなりピタッと止まり言った。
天使たちは、それに腹を立て、苛立ちがヒートアップした。
「クズ !? !! 」
神々や天使は、腹を立てヒートアップすると共に、近所に住んでるからこその日頃の不安や、恐怖があり、それをぶつけ始めた。
「魔王の子 ? 。元魔王 ? 。
そんなのが、この世界にいること自体、私たちは恐怖よ !! それに ! この世界、神聖である天空界が穢れるのよ !! あなたの存在が !! その穢い翼が !! 邪悪な悪なのよ !! ... わかっているの ?! 」
と、激怒した !!
天使たちも、近所に住んでる為、神々に共感、賛同し、無意識に口が開いた。
「そうだ ! 浄化しないと ... 」
それを聞いた、近所に住む神々2人は、良い考えだと、狂ったように真顔で言った。
「そうね ~ ! 浄化してあげましょう ! 」
この時、天空界に住む神のはずなのに、表情がまるで悪魔のように怖く、天使たちもその神々を見て、行動を開始した。
「あなた ! ちょっとこっちへ来なさい !! 」
とリンネを呼ぶ。
リンネは来ない。なので、天使たちは、無理やりリンネの腕を引っ張り、肩を突きとばして、尻もちをつかせた。そして、そのリンネを瞬時に囲み、リンネの翼を 神々と天使たちは、何度も強く踏み始めた !! 。
リンネは、横たわり、痛がり、苦しむ。
「うわ、いたい ! やめて !」
と、叫んだ。
だが、近所に住む神々と、天使たちには、リンネの声は聞こえないし、止めようともしない。止める人もいなかった。
むしろ、これが浄化だと、神として相応しいことをしていると思い込んだ行動なのだった。
「この翼は、悪よ ! 穢い !! 」
「だから、私たちが、 浄化してあげるのよ !! 光栄に思いなさい ! 悪魔 !! 」
と、まで言った。
翼を踏みつけ行為は、どんどん力が増し、憎しみを込めるように踏み方も様々になってくる。
そんな時 !! 。リンネの翼から、 (ボキ ! ボキッ !! ) という骨が折れたの音がした … ...
リンネは、悲鳴を上げた。
「うっ ... うあっ ー ! … 」
その音もリンネの苦しむ声にも、気づかず、踏みつけ行為を続ける近所の神々と、天使たち。
「やめろ !! !! 」
と、何とか、抵抗するリンネだが、それを許さない近所の神々と天使たち。
近所に住む神々の1人が身動きが取れず、もがくリンネに言葉を浴びせる。
「あなたが悪いのよ ! 反省なさい ! 」
リンネは、嫌になり、耳を塞ぐ、そして言った。
「わかった、くずさん ! ごめんなさい ! くずさんたち !! !! 」
天使たちは、もう戻れない。
「えっ ?! なんですって ?? 」
ここで、近所に住む神は、足に力を込め、思いっきり、言葉にも力にも込め、言った。
「まだまだ浄化が必要みたいね ! 」
近所に住んでる神々と天使たちは、リンネの翼、踏みつけ行為を止める気配は、一向にない。
リンネの黒と白が混じった翼は、見る見るうちに羽が複数 抜け落ち、散らばり、ボロボロになっていく。
リンネは、悲鳴をあげ続ける。
「わぁー あっ ! うっ ! あ ー !! やめろ 」
近所の神々 天使たちは、足だけにとどまらず、
(ボカッ) 蹴ったり、(バシッ) 叩いたり、(ズシャー) 爪を立て引っ掻いたり、してきた。
リンネは、とうとう、涙目になり、
「やめて ! 、いたい ! ... ... 助けて ! 」
と言う。
近所の神は、リンネ言葉 助けて ! を聞いた途端、目を輝かせ言った。
「助けて ? いいわよ ! 助けてあげる ! 」
天使たちは、
「浄化しないとですね ! この穢い翼 !! 」
と言い、(ガシッ)と、リンネをおさえた !!
天使、3人に、手足を地面に拘束され、身動きが全くとれないリンネの周りに結界まではられた。
すると、近所の神、2人は、力を合わせ、
「翼を崩壊しなさい ! エデン !
【 カタルシス !! 】 」
と、神力(エデン)をリンネにぶっぱなした。
エデンとは、神が遣う力のこと。
この近所に住む神は、強いエデンはあまり遣えず、神ならば、誰でも出来る能力、浄化(カタルシス)を遣ったのだった。
【 カタルシス 】は、遣う神によって、威力が変わるが、まだ、なんの為にエデンを遣うのか分かっていない、未熟者の神2人が力を合わせたエデンは、それなりに脅威な威力になったのだ。
その為、リンネの翼は、( バリ ! バキバキバキバキ !! )と音をたて消えた。
その消え方は、キラキラと粉々になって空中へ舞い散った。
リンネは、今まで聞いた事のない悲鳴を叫んだ。
「 うわぁっ ー ー ー あ ー ー ー ー あ ー !! !! 」
リンネの翼は、跡形もなく崩壊され、金赤色の血が、背中を流れる。
粉々に舞散ったリンネの羽たちは、太陽の光が当たると、キラキラと綺麗にひかり出し、それはまるで、宝石のような輝きを見せた。
これを見た、近所の神々は、嬉しく思った。
「まぁ~ほら ! 浄化されたわ ! 」
天使たちは、その光景に見とれて言った。
「綺麗 ~ 」
リンネは、意識が遠のき、気絶した。
と、そこへ、
遠くの方から、アレス (アテネの弟)とアテネとサタンの話し声が近づいてくるのを感じた。
リンネ達がいる、真上くらいで止まり、少し立ち話を始めた。
「姉さん、サタンさん、 ありがとう ! 」
アレスは、お礼を丁寧にした。が、
アテネは、言う。
「いいけど ! なんでこんなことで呼ぶの ?! 」
アレスは、アテネの無神経な発言に、驚き、少しキレぎみで言う。
「えっ ? こんなこと ? 大事な事だよ !! 」
その2人を止めようと控えめに入るサタン。
「まぁまぁ ! 」
アレスとアテネは、留まった。
口喧嘩が始まりそうになったついさっきのことを忘れたように、切り替え、アレスが笑顔でアテネに言った。
「ねぇ、姉さん ! リンネ君と会ってから帰ってもいい ?? 」
アテネは、嬉しそうに答える。
「あら、いいわよ ! きっと、リンネ喜ぶわ !! 」
「やった ー ー !! 僕も喜ぶよ ー ! 」
アレス、無邪気に喜んだ。
サタンは、その2人の会話を横で聞き、微笑んでいた。
そして、3人は、リンネのいる所へ降りてこようと、移動し始める。
その近づいてくる声に近所の神々と天使たちは、
気づき、魔王の凄まじい気配にも気づいた ! そして、怯える 。
「まずい ! 魔王が来ます !! 」
近所の神2人は、焦り、慌てる。
「逃げなきゃ ! 殺される !! 」
近所の神2人と、天使2人が急いで逃げようとしている中、1人の天使が、ピクリとも動かないリンネを見て、疑問に思う。
「ねぇ ー ! この子、 死んでないですよね ? 」
近所の神々は、答える。
「私達が、殺すわけないでしょう ! そんなのするのは悪魔よ ! … ほら ! 早く行くよ !! 魔王が来たら、あたしらが殺されちゃう !! 」
近所に住む神々と天使たちは、そう言い残し、慌てて飛んで、その場を去って行った。
そして、アテネとサタン、アレスが、戻ってくる。
アテネは、お利口に待っているであろうリンネにサプライズな気持ちで、降りてくる。まだ、空中にいる段階で話し出した。
「リンネ ~ ただいま ー ! あなたの大好きなアレスが遊びに来てくれたわよ ~ 」
言葉が終わると同時に地面に足をつけた。
すると、すぐ、悲惨な状況を目に突きつけられた。
アテネは、翼で飛ぶ練習をしていたリンネとは変わり果てた姿に驚いた。
背中からは、血が流れ、翼がどこにもなくて、気絶して、倒れているリンネに気づいた。
アテネは、涙を浮かべ、リンネを強く抱きしめ、ショックやたくさんの感情が入り交じり、
「リッ ... リンネ !! !! どうしたの !! 何があったの ?? 」
と、言葉を叫んだ。
【続く】
(人間界は、300年がたった。)
神の国(天空界)の王宮から、39000kmほど、離れた〈ギリシャのミクロス〉という小さな街がある。そこに住んで3年になる、とある家族がいた。
街の外れで、白の部分と、黒の部分が入り交じった翼をパタパタと動かしている、薄紫色の髪の長い少年3歳が、
「おかあさん! みて! つばさがはえたよ!」
母親であるアテネが、それをそばで見て、思わず飛び出し、少年を抱き寄せ、両手で頭を、髪の毛がグシャグシャになるまでとても撫でながら、言った。
「よかったわね~! リンネ~!」
一緒にそばにいた、父親であるサタンも、それを見て、成長を噛み締め言った。
「3歳でもう翼が生えたのか! 早いな!」
少年、3歳のリンネは、親に褒められて、照れた。
「えへへ!」
そう!アテネ(女神)と、サタン(元魔王)は、子供を産み、神、悪魔、人間、どんな種族でもその者を救い出す光となるように「リンネ」と名づけられ、子育てをしていた。
ゼウスの言った条件を守り、神の国、天空界で、家族3人暮らしている。
だが、サタンにとって天空界の空気は、どうしても有害である。だから、天空界で唯一、日当たりが少し悪く、影になる時間が比較的多い、ここミクロスの街の外れを探し出し、そして、住むことを選んだのだった。
リンネは、パサパサ!パサパサパサ!と、羽を動かし、飛んでみようとしている。
そのリンネの行動を、そっと見守る、アテネとサタン。
そこへ、王宮がある方向の空から、声がした。
「アテネ姉さーん! サタンさーん! ちょっといい?」
そう呼ぶのは、アテネの弟、アレスである。
アテネは、「はーい」と返事をし、リンネと同じ目線までしゃがんで言った。
「ちょっと行ってくるわね ! ここで、 お利口さんに待っててね 」
リンネは、元気よく返事をした。
「わかった ー ! 」
そして、アテネとサタンは、 アレスのいる空中へ、翼を使い、飛んで行き、去っていった。
その後、リンネは、1人で、翼を使って飛ぼうと練習を頑張っている ! 。
すると、そこへ。ミクロスに住んでいる。リンネの家の近所の神2人と、天使たち3人がやってきた。その神と天使たちは、14歳くらいの年齢である。
リンネは、(パタパタパタパタ)と飛ぶ練習をしていた。そのリンネの近くにわざとらしく行き、近所の神々と、天使たちは、ガッツリ聞こえるような声のボリュームで、話し始めた。
「なんなの ? その羽 !? 」
近所の神々の1人が、汚い物を見たように、大きな声で言った。
と、それに乗っかるように、わざとらしく天使たちも言い出した。
「白と黒が混ざった翼 ?? !! 」
近所に住む神が、黒が悪だと思い込み、また、汚い物を言う言い方で言った。
「穢ったない ! 浄化しなければね ! 」
「浄化するも何も、この子、 魔王の子ですよ ? 」
と、天使たちは、悪ノリを始める。
近所に住む神2人は、ケラケラと笑いだし言う。
「あら ~ そ ー だった ! 浄化しても無駄じゃん ! 」
近所に住む神の内、1人が、突然リンネの翼を乱暴に鷲掴みにし、持ち上げた ! 。
「こ ー んな翼じゃあね ~ 」
「アテネ様が可哀想だわ ! 」
かぶせるように、近所に住むもう1人の神がそう言った。
リンネの前で、誰もいないことをいいことに言いたい放題、やりたい放題し、ケラケラと笑い声が大きくなる近所の神々と天使たち。
突然、焦ったように天使の1人が、怒鳴った ! 。
「何触ってるのですか ?! 穢れますよ !! 」
リンネの翼を鷲掴みにし、持ち上げていた近所に住む神が、急いで、翼から手を離し、
「いやー !! 誰か浄化して !! !! 」
と、腰を抜かし、叫んで逃げ、暴れ出す。
するとリンネは、相手にしないでおこうと考えていたが、とうとう口を開いてしまった。
「おまえらだれ ? 」
可愛いらしい見た目をした少年なのに、あまりの口の悪さに神々と天使たちは、驚きの表情を見せ、言葉を吐く ! 。
「この子 ! 口が、悪いですわ !! 」
「あら ! ヤダ、穢らわしい !! 」
リンネ、今度は、可愛い顔でニヤケながら神々と天使たちを見て言った。
「ん ? なにが ? おまえらが、 きたないよ ! 」
そう言われ、近所に住む、神々と天使たちは、怒りを込み上げ、大きな声で言った。
「きたない ?! なんですって !! 」
リンネは、からかうようにヘラヘラと笑いながら、天使や神々の周りをクルクル走り出し、
「ごめんなさい~ 。あっ、まちごた !! おまえらくず ? 」
と、いきなりピタッと止まり言った。
天使たちは、それに腹を立て、苛立ちがヒートアップした。
「クズ !? !! 」
神々や天使は、腹を立てヒートアップすると共に、近所に住んでるからこその日頃の不安や、恐怖があり、それをぶつけ始めた。
「魔王の子 ? 。元魔王 ? 。
そんなのが、この世界にいること自体、私たちは恐怖よ !! それに ! この世界、神聖である天空界が穢れるのよ !! あなたの存在が !! その穢い翼が !! 邪悪な悪なのよ !! ... わかっているの ?! 」
と、激怒した !!
天使たちも、近所に住んでる為、神々に共感、賛同し、無意識に口が開いた。
「そうだ ! 浄化しないと ... 」
それを聞いた、近所に住む神々2人は、良い考えだと、狂ったように真顔で言った。
「そうね ~ ! 浄化してあげましょう ! 」
この時、天空界に住む神のはずなのに、表情がまるで悪魔のように怖く、天使たちもその神々を見て、行動を開始した。
「あなた ! ちょっとこっちへ来なさい !! 」
とリンネを呼ぶ。
リンネは来ない。なので、天使たちは、無理やりリンネの腕を引っ張り、肩を突きとばして、尻もちをつかせた。そして、そのリンネを瞬時に囲み、リンネの翼を 神々と天使たちは、何度も強く踏み始めた !! 。
リンネは、横たわり、痛がり、苦しむ。
「うわ、いたい ! やめて !」
と、叫んだ。
だが、近所に住む神々と、天使たちには、リンネの声は聞こえないし、止めようともしない。止める人もいなかった。
むしろ、これが浄化だと、神として相応しいことをしていると思い込んだ行動なのだった。
「この翼は、悪よ ! 穢い !! 」
「だから、私たちが、 浄化してあげるのよ !! 光栄に思いなさい ! 悪魔 !! 」
と、まで言った。
翼を踏みつけ行為は、どんどん力が増し、憎しみを込めるように踏み方も様々になってくる。
そんな時 !! 。リンネの翼から、 (ボキ ! ボキッ !! ) という骨が折れたの音がした … ...
リンネは、悲鳴を上げた。
「うっ ... うあっ ー ! … 」
その音もリンネの苦しむ声にも、気づかず、踏みつけ行為を続ける近所の神々と、天使たち。
「やめろ !! !! 」
と、何とか、抵抗するリンネだが、それを許さない近所の神々と天使たち。
近所に住む神々の1人が身動きが取れず、もがくリンネに言葉を浴びせる。
「あなたが悪いのよ ! 反省なさい ! 」
リンネは、嫌になり、耳を塞ぐ、そして言った。
「わかった、くずさん ! ごめんなさい ! くずさんたち !! !! 」
天使たちは、もう戻れない。
「えっ ?! なんですって ?? 」
ここで、近所に住む神は、足に力を込め、思いっきり、言葉にも力にも込め、言った。
「まだまだ浄化が必要みたいね ! 」
近所に住んでる神々と天使たちは、リンネの翼、踏みつけ行為を止める気配は、一向にない。
リンネの黒と白が混じった翼は、見る見るうちに羽が複数 抜け落ち、散らばり、ボロボロになっていく。
リンネは、悲鳴をあげ続ける。
「わぁー あっ ! うっ ! あ ー !! やめろ 」
近所の神々 天使たちは、足だけにとどまらず、
(ボカッ) 蹴ったり、(バシッ) 叩いたり、(ズシャー) 爪を立て引っ掻いたり、してきた。
リンネは、とうとう、涙目になり、
「やめて ! 、いたい ! ... ... 助けて ! 」
と言う。
近所の神は、リンネ言葉 助けて ! を聞いた途端、目を輝かせ言った。
「助けて ? いいわよ ! 助けてあげる ! 」
天使たちは、
「浄化しないとですね ! この穢い翼 !! 」
と言い、(ガシッ)と、リンネをおさえた !!
天使、3人に、手足を地面に拘束され、身動きが全くとれないリンネの周りに結界まではられた。
すると、近所の神、2人は、力を合わせ、
「翼を崩壊しなさい ! エデン !
【 カタルシス !! 】 」
と、神力(エデン)をリンネにぶっぱなした。
エデンとは、神が遣う力のこと。
この近所に住む神は、強いエデンはあまり遣えず、神ならば、誰でも出来る能力、浄化(カタルシス)を遣ったのだった。
【 カタルシス 】は、遣う神によって、威力が変わるが、まだ、なんの為にエデンを遣うのか分かっていない、未熟者の神2人が力を合わせたエデンは、それなりに脅威な威力になったのだ。
その為、リンネの翼は、( バリ ! バキバキバキバキ !! )と音をたて消えた。
その消え方は、キラキラと粉々になって空中へ舞い散った。
リンネは、今まで聞いた事のない悲鳴を叫んだ。
「 うわぁっ ー ー ー あ ー ー ー ー あ ー !! !! 」
リンネの翼は、跡形もなく崩壊され、金赤色の血が、背中を流れる。
粉々に舞散ったリンネの羽たちは、太陽の光が当たると、キラキラと綺麗にひかり出し、それはまるで、宝石のような輝きを見せた。
これを見た、近所の神々は、嬉しく思った。
「まぁ~ほら ! 浄化されたわ ! 」
天使たちは、その光景に見とれて言った。
「綺麗 ~ 」
リンネは、意識が遠のき、気絶した。
と、そこへ、
遠くの方から、アレス (アテネの弟)とアテネとサタンの話し声が近づいてくるのを感じた。
リンネ達がいる、真上くらいで止まり、少し立ち話を始めた。
「姉さん、サタンさん、 ありがとう ! 」
アレスは、お礼を丁寧にした。が、
アテネは、言う。
「いいけど ! なんでこんなことで呼ぶの ?! 」
アレスは、アテネの無神経な発言に、驚き、少しキレぎみで言う。
「えっ ? こんなこと ? 大事な事だよ !! 」
その2人を止めようと控えめに入るサタン。
「まぁまぁ ! 」
アレスとアテネは、留まった。
口喧嘩が始まりそうになったついさっきのことを忘れたように、切り替え、アレスが笑顔でアテネに言った。
「ねぇ、姉さん ! リンネ君と会ってから帰ってもいい ?? 」
アテネは、嬉しそうに答える。
「あら、いいわよ ! きっと、リンネ喜ぶわ !! 」
「やった ー ー !! 僕も喜ぶよ ー ! 」
アレス、無邪気に喜んだ。
サタンは、その2人の会話を横で聞き、微笑んでいた。
そして、3人は、リンネのいる所へ降りてこようと、移動し始める。
その近づいてくる声に近所の神々と天使たちは、
気づき、魔王の凄まじい気配にも気づいた ! そして、怯える 。
「まずい ! 魔王が来ます !! 」
近所の神2人は、焦り、慌てる。
「逃げなきゃ ! 殺される !! 」
近所の神2人と、天使2人が急いで逃げようとしている中、1人の天使が、ピクリとも動かないリンネを見て、疑問に思う。
「ねぇ ー ! この子、 死んでないですよね ? 」
近所の神々は、答える。
「私達が、殺すわけないでしょう ! そんなのするのは悪魔よ ! … ほら ! 早く行くよ !! 魔王が来たら、あたしらが殺されちゃう !! 」
近所に住む神々と天使たちは、そう言い残し、慌てて飛んで、その場を去って行った。
そして、アテネとサタン、アレスが、戻ってくる。
アテネは、お利口に待っているであろうリンネにサプライズな気持ちで、降りてくる。まだ、空中にいる段階で話し出した。
「リンネ ~ ただいま ー ! あなたの大好きなアレスが遊びに来てくれたわよ ~ 」
言葉が終わると同時に地面に足をつけた。
すると、すぐ、悲惨な状況を目に突きつけられた。
アテネは、翼で飛ぶ練習をしていたリンネとは変わり果てた姿に驚いた。
背中からは、血が流れ、翼がどこにもなくて、気絶して、倒れているリンネに気づいた。
アテネは、涙を浮かべ、リンネを強く抱きしめ、ショックやたくさんの感情が入り交じり、
「リッ ... リンネ !! !! どうしたの !! 何があったの ?? 」
と、言葉を叫んだ。
【続く】
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