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レレレンジャー・レッドの憂鬱

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(怪人と戦う正義のヒーロー、レレレンジャー。彼らの所属するレレレンジャー株式会社のK町支部・会議室にて。

イエロー、ピンク、ブラック、グリーンの4人が椅子に座っていると、ドアが開きレッドが入って来る)



イエロー・ピンク・ブラック・グリーン
「「「「リーダー、お疲れ様です!」」」」

レッド「お疲れ。みんなして話って何だ?」

イエロー「まぁ座って下さい……それじゃ僕から。実は退職しようと思いまして」

レッド「随分と急だな。もしかして、ついに角界デビュー⁈」

イエロー「違います。本格スパイス・カレーの店をオープンする事にしたんです」

レッド「とうとうスパイス・カレーの沼に首まで浸かっちまったか……。でもやるからには応援しなきゃな。頑張れよ!」

イエロー「ありがとうございます!」

レッド「イエローの暴力的なまでの残り香に悩まされるのも残りわずか……。そう思うとなんだか名残惜しいな」

イエロー「是非お店に来て下さいね。1パーセント引きのクーポン、プレゼントしますから」

レッド「お得感が皆無だな! 定価で食うわ! で、ピンクは何だ?」

ピンク「第四子の妊娠がわかったの」

レッド「マジ⁈ 旦那の愚痴言ってたから、てっきり上手くいってないものだと……安心したよ、おめでとう!」

ピンク「私も旦那も子どもが好きだから、カバディのチームが組めるくらい産みたいのよね」

レッド「カバディって、1チーム何人なの?」

ピンク「10から12人よ」

レッド「サッカーで例えて欲しかった!」

ピンク「現場は当分無理だから、後方支援に回るわ」

レッド「わかった、体を大事にな。ブラックはどうした?」

ブラック「オレも退職です。Uターンして農業やる事になったんスよ。親父がギックリ腰やっちゃったんで、後を継ぐっス」

グリーン「あたしもついて行きま~す!」

レッド「て事は……」

グリーン「あたしたち、ついにゴールインで~す! 三ちゃん農業やりま~す!」

レッド「三ちゃん農業の意味わかってなくね⁈ でもおめでとう! 結婚式には呼んでくれよ!」

グリーン「もちろんです! コンテナで入場するので楽しみにしといてくださいね!」

レッド「『それでは新郎新婦の搬入です』ってか⁈ それを言うならゴンドラだろ!」

ブラック「蠟燭ろうそく儀式の時、蠟燭の芯を湿らすのは無しっスよ!」

レッド「やらねーよ! つーかキャンドルサービスって言え! ……じゃあこのチームは解散って事か。お祝いを兼ねた送別会でも開くか!」

グリーン「いいですね! あたしとダァでランバダ踊って盛り上げますよ~!」

レッド「かえって変な空気になるわ!」

ブラック「今週の花木はなもく花金はなきんなら空いてますよ!」

レッド「お前ら何で発想がいちいち昭和なんだよ!」

イエロー「カレパやりましょう、カレパ! カレパ!」

レッド「カレー・パーティーをオシャレに言うな!」

ピンク「タッパーを山ほど持って参加するわね」

レッド「それならいっそ旦那さんとお子さんも連れて来いよ! よっしゃ、無礼講でいこうぜ! もちろん俺のおごりだ!」

イエロー・ピンク・ブラック・グリーン
「「「「さっすがリーダー! 太っ腹‼︎」」」」

レッド「リーダー、張り切っちゃうゾ~~‼︎」

イエロー・ピンク・ブラック・グリーン
「「「「わっしょ~~~い‼︎」」」」



✳︎



(怪人と戦う正義のヒーロー、レレレンジャー。彼らの所属するレレレンジャー株式会社のK町支部・会議室にて。

リーダー・レッドが椅子に座っていると、ドアが開き新イエロー、新ピンク、新ブラック、新グリーンの4人が入って来る)



新イエロー・新ピンク・新ブラック・新グリーン
「「「「リーダー、話って何ですか?」」」」

レッド「まぁ座ってくれ。まずは皆んな、お疲れ様。驚いたよ。チームを組んで初の出動なのに、怖いくらいスムーズに怪人を倒せた。皆んなの歓迎会を開きたいから都合のいい日を教えてくれない?」

新イエロー「それって残業代出るんですか? 出ないんならやらないで下さい」

新ピンク「まさか今時ノミニケーションとか言わないですよね?」

新ブラック「そんなもんやるくらいなら家で鼻ほじってた方が有意義です」

新グリーン「仕事とプライベートはきっちり分ける主義なんで」

新イエロー・新ピンク・新ブラック・新グリーン
「「「「では失礼します(部屋を出て行く)」」」」



レッド「…………つまんね」
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