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いけない恋 後編
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「お願い…ですか」
「慎吾さんに私が最低な女だったって言ってください。
雄太くんを一方的に誘ったって。
雄太くんに迷惑かけてしまうけど…でも私にとって大切なのは慎吾さんの幸せなの。
私が死んだ事で苦しい思いはして欲しくない。
だから、私は嫌われてもいいから、幸せになってほしいんです。
勝手なのは分かってます。
でもお願いします。
私の最後の頼みです。
お願いします」
「……条件があります」
「なんですか……?」
「兄貴の前から、俺たちの前から今すぐ消えてください。それだけです」
「………」
「それが嫌なら、そんな事を考える前に、どうやったら兄貴との残された時間大切に出来るのか。
どうやったら幸せだったって思えるのか!
それを考えろよ!
兄貴はな、あんたのこと本当に好きなんです。
大好きなんですよ。
あんたの今言ったことは愛じゃない。
逃げだよ。
兄貴の事、本当に愛してるなら、逃げないで、明日本当の事言ってください。
お願いします」
亜美さんは静かに涙を流し続けた。
はい、という一言だけ返して静かに泣いた。
俺も涙が止まらなかった。
次の日、亜美さんは兄貴に告白した。
病気の事、余命の事。兄貴は泣いてた。
でも、
「あなたに出会えた俺は世界一の幸せ者です」
ってカッコいい事言っててさ。
やっぱり俺の兄貴ずるいわ。そして、兄貴を思う亜美さんにも惚れた。
二人が泣きながら抱きしめ合う姿見て、俺もまた泣いた。
そのあと、母親と父親に打ち明けた。
勿論大反対。
結局、俺も一緒になって頭下げてどうにか説得したけど、先のない相手と結婚ってなったら、そりゃ反対するよね。
自分の可愛い息子が不幸になるわけだから。
でも、兄貴は幸せそうだった。
今も変わらず幸せそうだ。
5年経った今も、兄貴の左手の薬指に結婚指輪がキラキラと変わらず光っている。
再婚しないの?って聞いたことあった。けど兄貴は、
「俺の愛した人は亜美だけだよ。今までもこれからもただ一人だけだから、再婚なんてありえない」
やっぱスゲーわ。
俺には真似できない生き方だ。
尊敬できる家族がいるって、改めてすごい事だと思う。
俺は、今も亜美さんが大好きだ。
でも誰にも言えない。
言ったら変に誤解されるだろうし、兄貴にも亜美さんにも失礼にあたる。
もうこの世にはいないけど、この気持ちが消える事はない。
人を好きになる事。
大切に思う事。
この素晴らしさを教えてくれた兄貴と、今は亡き亜美さんを俺は人生の誇りして生きていこうと誓った。
「慎吾さんに私が最低な女だったって言ってください。
雄太くんを一方的に誘ったって。
雄太くんに迷惑かけてしまうけど…でも私にとって大切なのは慎吾さんの幸せなの。
私が死んだ事で苦しい思いはして欲しくない。
だから、私は嫌われてもいいから、幸せになってほしいんです。
勝手なのは分かってます。
でもお願いします。
私の最後の頼みです。
お願いします」
「……条件があります」
「なんですか……?」
「兄貴の前から、俺たちの前から今すぐ消えてください。それだけです」
「………」
「それが嫌なら、そんな事を考える前に、どうやったら兄貴との残された時間大切に出来るのか。
どうやったら幸せだったって思えるのか!
それを考えろよ!
兄貴はな、あんたのこと本当に好きなんです。
大好きなんですよ。
あんたの今言ったことは愛じゃない。
逃げだよ。
兄貴の事、本当に愛してるなら、逃げないで、明日本当の事言ってください。
お願いします」
亜美さんは静かに涙を流し続けた。
はい、という一言だけ返して静かに泣いた。
俺も涙が止まらなかった。
次の日、亜美さんは兄貴に告白した。
病気の事、余命の事。兄貴は泣いてた。
でも、
「あなたに出会えた俺は世界一の幸せ者です」
ってカッコいい事言っててさ。
やっぱり俺の兄貴ずるいわ。そして、兄貴を思う亜美さんにも惚れた。
二人が泣きながら抱きしめ合う姿見て、俺もまた泣いた。
そのあと、母親と父親に打ち明けた。
勿論大反対。
結局、俺も一緒になって頭下げてどうにか説得したけど、先のない相手と結婚ってなったら、そりゃ反対するよね。
自分の可愛い息子が不幸になるわけだから。
でも、兄貴は幸せそうだった。
今も変わらず幸せそうだ。
5年経った今も、兄貴の左手の薬指に結婚指輪がキラキラと変わらず光っている。
再婚しないの?って聞いたことあった。けど兄貴は、
「俺の愛した人は亜美だけだよ。今までもこれからもただ一人だけだから、再婚なんてありえない」
やっぱスゲーわ。
俺には真似できない生き方だ。
尊敬できる家族がいるって、改めてすごい事だと思う。
俺は、今も亜美さんが大好きだ。
でも誰にも言えない。
言ったら変に誤解されるだろうし、兄貴にも亜美さんにも失礼にあたる。
もうこの世にはいないけど、この気持ちが消える事はない。
人を好きになる事。
大切に思う事。
この素晴らしさを教えてくれた兄貴と、今は亡き亜美さんを俺は人生の誇りして生きていこうと誓った。
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