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町医者安藤の非日常的な日々 新人ナース初仕事編②
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「体温は38.5…うん、少し高いですね。咳はなさそうですね。発熱だけなんですね。念のため喉見ますね」
ペンライトで喉の奥を確認するが、特段腫れている様子は確認できなかった。
聴診器を耳元にセットし、子供のシャツを上げるよう母親に伝えると、想定外の回答が返ってきた。
「胸も喉もいいので、解熱剤だけいただけないですか?この子、医者が苦手なもので…」
医者を嫌う子は珍しくない。
医院という独特な雰囲気だけで泣きだす子供もいる。
入り口でオドオドしていたのは熱による影響ではなく、病院に対する恐怖心だったのだろう。
安藤はそう思い、母親と子へ諭すように話始めた。
「そっか、恐いよねー。お熱も出て疲れちゃったもんね。でも少しだけ音聞かせてくれないかな?薬で直すためにも、僕の中に嫌なやつがいないかだけ確認したいんだけど、どうかなー?」
優しい口調と笑顔で、子供も聞き取れるようにゆっくりと話をした。
子供は母親の顔をうかがうように振り返る。
すると、また母親は同じような事を言った。しかし今度は口調が荒くなった。
「だから、医者が苦手なんだって言ってますよね?診察はもういいので薬だけください」
さすがに安藤は苦笑した。
困ったなーと言いながら、どうにか母親を説得しようと試みる。
すると、しばらく黙ってみていた金田は、突然とんでもないことを口にしだした。
「お母様、失礼ですがお子さんへの虐待はいつから始まったのでしょう?」
その言葉が放たれた瞬間、診察室の空気は急激に重くなり、時間が止まったかのように静まり返った。
安藤は突然のことに一瞬固まったものの、すぐさま我に返ると、失礼な発言をした金田を怒鳴った。
「ちょっと!金田さん何言い出すかと思えば!失礼でしょうが!」
母親も血相を変えて声を荒げた。
「なんなんですかアナタ!?言いがかりもいいところです!何を言うかと思えば、此処はこんな適当なことを言う病院なんですか!?」
「申し訳ありません!ほら!金田さんも謝ってください!」
二人の言葉がまるで聞こえていないかのように無視すると、金田は子供と目線が合う高さまでしゃがみ、優しい声をかけた。
「僕、お名前は?」
「…ゆうと」
「そっか、ゆうとくんっていうんだね。お姉さんはみさきって言います。よろしくね」
無視された母親の顔は更に赤みを増していき、その怒りは頂点に達していた。
「ゆうと!いちいち答えなくていいの!!」
子供はかわらずオドオドしていた。
ペンライトで喉の奥を確認するが、特段腫れている様子は確認できなかった。
聴診器を耳元にセットし、子供のシャツを上げるよう母親に伝えると、想定外の回答が返ってきた。
「胸も喉もいいので、解熱剤だけいただけないですか?この子、医者が苦手なもので…」
医者を嫌う子は珍しくない。
医院という独特な雰囲気だけで泣きだす子供もいる。
入り口でオドオドしていたのは熱による影響ではなく、病院に対する恐怖心だったのだろう。
安藤はそう思い、母親と子へ諭すように話始めた。
「そっか、恐いよねー。お熱も出て疲れちゃったもんね。でも少しだけ音聞かせてくれないかな?薬で直すためにも、僕の中に嫌なやつがいないかだけ確認したいんだけど、どうかなー?」
優しい口調と笑顔で、子供も聞き取れるようにゆっくりと話をした。
子供は母親の顔をうかがうように振り返る。
すると、また母親は同じような事を言った。しかし今度は口調が荒くなった。
「だから、医者が苦手なんだって言ってますよね?診察はもういいので薬だけください」
さすがに安藤は苦笑した。
困ったなーと言いながら、どうにか母親を説得しようと試みる。
すると、しばらく黙ってみていた金田は、突然とんでもないことを口にしだした。
「お母様、失礼ですがお子さんへの虐待はいつから始まったのでしょう?」
その言葉が放たれた瞬間、診察室の空気は急激に重くなり、時間が止まったかのように静まり返った。
安藤は突然のことに一瞬固まったものの、すぐさま我に返ると、失礼な発言をした金田を怒鳴った。
「ちょっと!金田さん何言い出すかと思えば!失礼でしょうが!」
母親も血相を変えて声を荒げた。
「なんなんですかアナタ!?言いがかりもいいところです!何を言うかと思えば、此処はこんな適当なことを言う病院なんですか!?」
「申し訳ありません!ほら!金田さんも謝ってください!」
二人の言葉がまるで聞こえていないかのように無視すると、金田は子供と目線が合う高さまでしゃがみ、優しい声をかけた。
「僕、お名前は?」
「…ゆうと」
「そっか、ゆうとくんっていうんだね。お姉さんはみさきって言います。よろしくね」
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