異世界時空戦記

Masanosuke

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精神の秘めた力、其の二

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 俺は蔵に置いてある物を見ながら時間を潰
し、成山の元へ向かった。

『成山さん。準備が出来ました』

『其れでは3日間の修行に参ります』

 俺は座禅をし目を閉じた。何故か前回より
気持ちが良かった。一旦、色々な事を考えて
いたが、心が清らかになって行った。

『其れでは目をゆっくりと開けて下さい』

 あれっ?もう3日経ったのか?…なんかつ
いさっき目を閉じた様な気がしたんだけどな
ぁ?俺はゆっくり目を開けた。体も前回より
痛くないなぁ。

『あのー成山さん!前回より時間が短い感じ
がするのですが…気のせいですか?ね!』

『気のせいではありません。事実3日間経っ
ております。きっとスバル殿の精神が目覚め
始めているのかも知れません。万に一つの逸
材!まさに五鷹の血を引いておられる』

 成山さんはこう言って少し涙を浮かべてい
る様に見えた。

『其れでは5日間での修行で最後になります。
準備が出来たら……』

『成山さん!このまま修行を続けて下さい。
準備は万全です』

『畏まりました。其れでは…』

 俺はこの時思った。この瞬間、精神の結合
たる極み、まるで目を閉じた世界が宇宙、銀
河に吸い込まれる気がした。吸い込まれた俺
の精神が喜びを感じていた。この感覚は?前
にもあったかの様に少し懐かしくも思った。
もっとこの空間にいたい……。

『其れでは目を開け私の目を見つめて下さい』

 あれっ?いつものセリフを違うなぁ?

 俺は成山さんに言われた通り目を見つめた
瞬間!衝撃が走った!
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