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②
②-2※
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気怠い月曜日の昼休み、薮はご飯を食べると机に頭を突っ伏してグーグーと寝てしまっている。
ベランダに出てみると眩しい夏の日差しと、涼しい秋の風が混ぜってなんだか変な天気だ。
隣のクラスからドアを開け誰かがベランダに出てくる。なんとなく見ると元山が秋風に黒髪を靡(なび)かせて手すりに顎を乗せていた。
『もう飯食ったの?』
『…あー、うん』
声だけで分かったのかこちらも見ず返事が返ってくる。
『黒坂とデートだったんだな、土曜日』
『デートじゃないよ。てか、黒坂と一緒に歩くと大変、いろんな人に声かけられるしなんか勝手に写真撮る人もいるし』
『イケメン彼氏自慢かよ』
『あのさあ、黒坂は友達だってば』
『じゃあなんで無視したの?』
こちらを向くと日差しに反射した眼鏡が光る。
『田島も何か用があるんだろうなあって思って、別に声かけなくてもいいかなって、思っただけじゃん』
『黒坂とデートしてるの見られたくなかった?』
『デートじゃないってば』
『今日さ、部活終わったら部室で待ってて』
『へ?』
『約束だからな、じゃあな』
意図したわけではなかったがそう告げた後チャイムが鳴り響き元山に返事をする隙も与えず教室へ戻って行った。
部活が終わり夕暮れの中、薮に手を振る。先に帰っててと言ったら意外とあっさりじゃね~と手を振ってさっさと帰ってしまった。
キャプテンが部室の鍵を閉めるのを部室の裏側から確認するとドアの前で元山を待った。
5分経っても10分経っても来る気配はない。スマホでSNSを何度も更新してもう読むものがなくなってしまう。
『はあ……』
なにしてんだろ…馬鹿らしくなってもう帰ろうと歩き出した時、階段を登ってくる足音が聞こえた。
息を切らしたその様子はどうやらかなり全力で走ってきた事を物語っている。
『ハアッ、ハアッ、お前がっ、待ってるって、言ったくせにっ、ハアッ、なに帰ろうとしてんだよっ』
『いなかったから…』
『LINE見ろよっ』
クラスLINEとかが面倒で通知が増えていた事なんか分からなかった。
『ごめん…つうか、もう帰ったと思ってたし…』
走ってき来てくれた事に嬉しさが込み上げてくる。
『なに笑ってんだよっ、ハアッ、もう~』
『約束守ってくれたんだなあって、思ったんだよ』
元山は斜め掛けのバッグをボスンッと降ろすとその場にへたり込んでしまう。
『返事させないようにしたのっ、田島だろっ』
『あれはたまたまだもん、いやマジで』
『もお~っ、隆に忘れ物取ってくるって言っても一緒に行こうとか言われるし、ここ来るの大変だったんだぞ』
LINEを開いてみると《行けないかも。》とだけ文字が並んでいる。
『え?じゃあ宇野待ってるの?』
『ハア…ううん、駅で先帰っててって、なんとか言いくるめて来た』
膝をついて座る元山の隣にしゃがみ込んで、こめかみを流れる汗を指で拭う。
『ありがと…』
『約束破ったら、僕が悪いみたいで嫌なんだよ』
『なんだよそれ』
外廊下は西陽が暮れてだんだんと影に飲み込まれていく。
『ん…』
ぶつかるようなムードも何もないキスをして、1度顔を離す。
目や唇を交互に見つめ、していい?と視線で訴える。ジッと目を見つめられた後、元山は長いまつ毛を落とし目を閉じていく。
何度か角度を変えキスをして、舌で唇を舐めると元山の手が腕を辿り絡みついてきた。
なんだよそれ、やっぱり可愛いんだよこいつは。
『んむ、ぅ、ふは、う』
甘い声に腰が疼いてくる。髪を撫で上げ舌を差し込むと遠慮がちに元山の舌が絡みついてくる。
それを吸い上げて口内へ引きずり込むと左右に舐め回し抜けそうなほどきつく吸い上げた。
『んっんんっ、んくっ、んぐぅっ』
『んっ、ふはっ』
涎が滴(したた)っている顎を舐め上げると薄く瞼が開いた。
絡んだ視線が熱くて下半身が反応している。
触っていいかと聞こうとしたけれど、元山の事だ、ダメとか言われる前にそこに手を伸ばした。
『あっ…』
冷えていく空気の中で2人の周りだけ熱が篭っている。肩に頭を埋めると互いの耳元でハアハアと荒い息だけが吐き出されていた。
ジッパーを降ろし隙間からそれを直に触るともう濡れていて、手のひらで先端を撫でると元山の腰がピクンピクンッと揺れていく。
『あっ、あっ…たじま、の、スケベ…』
『そうだよ、颯にスケベな事したくて仕方ないの俺』
『僕だけ、んっ、恥ずかしいだろ…っ、田島も出せよ』
『ハアッ、颯が出して?』
元山の手がズボンを弄(まさぐ)ってジッパーを降ろそうとしたが何故かそこから動かない。
『ん、ちょ、たじま、張りすぎてて、脱がせらんねぇよ…』
見下ろすとそこはパンパンに膨らんでいてとてもじゃないがジッパーが開きそうにない。
『うわ、マジか…こんなんなったの初めてだわ』
両手を使いなんとかジッパーを開けるとついでに下着もズラし、飛び出たそれを握らせた。
すると何も躊躇せず握った手で上下に擦り上げていく、緩急をつけた動きはすぐさま快感に塗り替えられる。
『ハアッ、ハアッ、颯っ、やばいって』
『ぼ、僕もっ、んっ、やばいっぽい…っ』
互いの手が早急にそこを擦り上げる。先端が膨らみ今にも弾けてしまいそうだ。
『ああっんっんっ』
元山の前に頭を降ろしそこを咥えた、コンクリートの床についた膝が痛いが今はそんなことどうでもいい。
手で擦り上げ口内で先端を吸い上げると元山の腰がビクビクッと跳ねて大量の液体が溢れた。
『あはっ…はあ、あ、ん…』
ポケットからティッシュを取り出しそこに液体を吐き出す、それでもまだ口内に残っている液体をなんとか飲み込んでいると、元山もそこに顔を寄せ先端にキスをしてくる。
『んっ、んむ、ん』
腰に手を回し抱きしめながらそこを舐めたり吸い付くようにキスをされてもう液体が先端まで込み上げていく感覚がする。
『出そっ、ヤバっ、あっ、イく…っ』
出す瞬間、元山がそれを咥え込んでしまった。
『ふうっ、ん、んん、ん…』
もう出したのに中に残っているものさえ吸い上げようとしているのか、元山の唇がヂュウヂュウと音を鳴らしている。
『ん、颯、も、いいって』
体を離しそこを引き抜くと元山の口から白い液体が溢れ唇を汚していく、それがいやらしくてエロくて思わずジッと見つめていたら中から出てきた赤い舌が唇を舐め回した。
『ん、やっぱ、苦… ん、ちょ、田島?』
『また勃った…』
『え、も、もう?』
戸惑う表情を見せる元山のズボンを降ろすと片方だけ下着も脱がせた、腰を抱き膝に乗せると目の前に胸が突き出される。
『あっん、たじまぁ、うっんっ』
シャツの上から乳首を吸い上げ、お尻の割れ目に勃ち上がったものを擦り付ける。
腰を揺すり膨らんだカリで奥の窄まった部分を擦り上げると元山が頭をギュウと抱きしめてきた。
『そ、そんなとこぉ、あっ、ぼく、したことないっ、あふ、あん』
『ん、挿れねぇよ、ハアッ』
ズリズリズリッズヂュズヂュッズヂュンッ
『あっあっあっ…』
『颯っ、颯っ、ハアッハアッ、イく、イくっ』
ジワッと滲む液体が元山のお尻を濡らしていく、キュッキュッとそこが収縮している感覚がする。
『ハア、ハア…たじま、しないの…?』
耳元でそんな事を言われまたあそこがビクンと反応した。
『したことないんだろ…?』
『だ、だって、こんなとこ、するから…したいのかと、思った…』
『…明日お前ん家行っていい?』
腕の中から元山を見上げるとトロンとした目と視線が合う。
『いい、けど…』
『部活のあとそのまま行くから』
『あ、う、うん』
嫌だと言われるかと思ったのにすぐ了諾されて体の力が抜けてしまった。
互いに出し終えたあとはなんだかよそよそしくて無言でズボンと下着を履いた。
上手く歩けないという元山の腰を支え階段を降りるともう辺りは真っ暗になっていた。
『家帰ったらなにすんの?』
『お風呂入ってご飯食べて宿題』
『毎日?』
『ほかにすることある?』
黒坂と何かあるんじゃないかと探りを入れるが元山はなんにも分かっていないようで、あとテレビ見てるとか見当違いな事を言っている。
『あ、鈴虫、もう秋かー』
駅から家に帰る途中にある畑を横に並んで歩いているとリーンと虫の声が鳴っていた。
『あ、家ここ、じゃあね……あの、』
『じゃあ…うん?』
『その、送ってくれて、ありがと…』
『散歩したかったし、別に』
『あ、そう…じゃあ』
『…あのさ、』
1度後ろを向いた元山が振り返る。
街頭に照らされた顔は少し赤くて今すぐにでも抱きしめたくなってしまった。
『うん? なに?』
『えーっと、まあ、うん、じゃあまた』
『なんだよ、言えよ』
『なんでもない、マジで忘れた』
下を向いていると影が重なる、唇の端に元山の口が吸い付いてチュッと鳴らした。
『じゃあね』
そういうともう振り返らず元山は玄関を開け家に入っていった。
ベランダに出てみると眩しい夏の日差しと、涼しい秋の風が混ぜってなんだか変な天気だ。
隣のクラスからドアを開け誰かがベランダに出てくる。なんとなく見ると元山が秋風に黒髪を靡(なび)かせて手すりに顎を乗せていた。
『もう飯食ったの?』
『…あー、うん』
声だけで分かったのかこちらも見ず返事が返ってくる。
『黒坂とデートだったんだな、土曜日』
『デートじゃないよ。てか、黒坂と一緒に歩くと大変、いろんな人に声かけられるしなんか勝手に写真撮る人もいるし』
『イケメン彼氏自慢かよ』
『あのさあ、黒坂は友達だってば』
『じゃあなんで無視したの?』
こちらを向くと日差しに反射した眼鏡が光る。
『田島も何か用があるんだろうなあって思って、別に声かけなくてもいいかなって、思っただけじゃん』
『黒坂とデートしてるの見られたくなかった?』
『デートじゃないってば』
『今日さ、部活終わったら部室で待ってて』
『へ?』
『約束だからな、じゃあな』
意図したわけではなかったがそう告げた後チャイムが鳴り響き元山に返事をする隙も与えず教室へ戻って行った。
部活が終わり夕暮れの中、薮に手を振る。先に帰っててと言ったら意外とあっさりじゃね~と手を振ってさっさと帰ってしまった。
キャプテンが部室の鍵を閉めるのを部室の裏側から確認するとドアの前で元山を待った。
5分経っても10分経っても来る気配はない。スマホでSNSを何度も更新してもう読むものがなくなってしまう。
『はあ……』
なにしてんだろ…馬鹿らしくなってもう帰ろうと歩き出した時、階段を登ってくる足音が聞こえた。
息を切らしたその様子はどうやらかなり全力で走ってきた事を物語っている。
『ハアッ、ハアッ、お前がっ、待ってるって、言ったくせにっ、ハアッ、なに帰ろうとしてんだよっ』
『いなかったから…』
『LINE見ろよっ』
クラスLINEとかが面倒で通知が増えていた事なんか分からなかった。
『ごめん…つうか、もう帰ったと思ってたし…』
走ってき来てくれた事に嬉しさが込み上げてくる。
『なに笑ってんだよっ、ハアッ、もう~』
『約束守ってくれたんだなあって、思ったんだよ』
元山は斜め掛けのバッグをボスンッと降ろすとその場にへたり込んでしまう。
『返事させないようにしたのっ、田島だろっ』
『あれはたまたまだもん、いやマジで』
『もお~っ、隆に忘れ物取ってくるって言っても一緒に行こうとか言われるし、ここ来るの大変だったんだぞ』
LINEを開いてみると《行けないかも。》とだけ文字が並んでいる。
『え?じゃあ宇野待ってるの?』
『ハア…ううん、駅で先帰っててって、なんとか言いくるめて来た』
膝をついて座る元山の隣にしゃがみ込んで、こめかみを流れる汗を指で拭う。
『ありがと…』
『約束破ったら、僕が悪いみたいで嫌なんだよ』
『なんだよそれ』
外廊下は西陽が暮れてだんだんと影に飲み込まれていく。
『ん…』
ぶつかるようなムードも何もないキスをして、1度顔を離す。
目や唇を交互に見つめ、していい?と視線で訴える。ジッと目を見つめられた後、元山は長いまつ毛を落とし目を閉じていく。
何度か角度を変えキスをして、舌で唇を舐めると元山の手が腕を辿り絡みついてきた。
なんだよそれ、やっぱり可愛いんだよこいつは。
『んむ、ぅ、ふは、う』
甘い声に腰が疼いてくる。髪を撫で上げ舌を差し込むと遠慮がちに元山の舌が絡みついてくる。
それを吸い上げて口内へ引きずり込むと左右に舐め回し抜けそうなほどきつく吸い上げた。
『んっんんっ、んくっ、んぐぅっ』
『んっ、ふはっ』
涎が滴(したた)っている顎を舐め上げると薄く瞼が開いた。
絡んだ視線が熱くて下半身が反応している。
触っていいかと聞こうとしたけれど、元山の事だ、ダメとか言われる前にそこに手を伸ばした。
『あっ…』
冷えていく空気の中で2人の周りだけ熱が篭っている。肩に頭を埋めると互いの耳元でハアハアと荒い息だけが吐き出されていた。
ジッパーを降ろし隙間からそれを直に触るともう濡れていて、手のひらで先端を撫でると元山の腰がピクンピクンッと揺れていく。
『あっ、あっ…たじま、の、スケベ…』
『そうだよ、颯にスケベな事したくて仕方ないの俺』
『僕だけ、んっ、恥ずかしいだろ…っ、田島も出せよ』
『ハアッ、颯が出して?』
元山の手がズボンを弄(まさぐ)ってジッパーを降ろそうとしたが何故かそこから動かない。
『ん、ちょ、たじま、張りすぎてて、脱がせらんねぇよ…』
見下ろすとそこはパンパンに膨らんでいてとてもじゃないがジッパーが開きそうにない。
『うわ、マジか…こんなんなったの初めてだわ』
両手を使いなんとかジッパーを開けるとついでに下着もズラし、飛び出たそれを握らせた。
すると何も躊躇せず握った手で上下に擦り上げていく、緩急をつけた動きはすぐさま快感に塗り替えられる。
『ハアッ、ハアッ、颯っ、やばいって』
『ぼ、僕もっ、んっ、やばいっぽい…っ』
互いの手が早急にそこを擦り上げる。先端が膨らみ今にも弾けてしまいそうだ。
『ああっんっんっ』
元山の前に頭を降ろしそこを咥えた、コンクリートの床についた膝が痛いが今はそんなことどうでもいい。
手で擦り上げ口内で先端を吸い上げると元山の腰がビクビクッと跳ねて大量の液体が溢れた。
『あはっ…はあ、あ、ん…』
ポケットからティッシュを取り出しそこに液体を吐き出す、それでもまだ口内に残っている液体をなんとか飲み込んでいると、元山もそこに顔を寄せ先端にキスをしてくる。
『んっ、んむ、ん』
腰に手を回し抱きしめながらそこを舐めたり吸い付くようにキスをされてもう液体が先端まで込み上げていく感覚がする。
『出そっ、ヤバっ、あっ、イく…っ』
出す瞬間、元山がそれを咥え込んでしまった。
『ふうっ、ん、んん、ん…』
もう出したのに中に残っているものさえ吸い上げようとしているのか、元山の唇がヂュウヂュウと音を鳴らしている。
『ん、颯、も、いいって』
体を離しそこを引き抜くと元山の口から白い液体が溢れ唇を汚していく、それがいやらしくてエロくて思わずジッと見つめていたら中から出てきた赤い舌が唇を舐め回した。
『ん、やっぱ、苦… ん、ちょ、田島?』
『また勃った…』
『え、も、もう?』
戸惑う表情を見せる元山のズボンを降ろすと片方だけ下着も脱がせた、腰を抱き膝に乗せると目の前に胸が突き出される。
『あっん、たじまぁ、うっんっ』
シャツの上から乳首を吸い上げ、お尻の割れ目に勃ち上がったものを擦り付ける。
腰を揺すり膨らんだカリで奥の窄まった部分を擦り上げると元山が頭をギュウと抱きしめてきた。
『そ、そんなとこぉ、あっ、ぼく、したことないっ、あふ、あん』
『ん、挿れねぇよ、ハアッ』
ズリズリズリッズヂュズヂュッズヂュンッ
『あっあっあっ…』
『颯っ、颯っ、ハアッハアッ、イく、イくっ』
ジワッと滲む液体が元山のお尻を濡らしていく、キュッキュッとそこが収縮している感覚がする。
『ハア、ハア…たじま、しないの…?』
耳元でそんな事を言われまたあそこがビクンと反応した。
『したことないんだろ…?』
『だ、だって、こんなとこ、するから…したいのかと、思った…』
『…明日お前ん家行っていい?』
腕の中から元山を見上げるとトロンとした目と視線が合う。
『いい、けど…』
『部活のあとそのまま行くから』
『あ、う、うん』
嫌だと言われるかと思ったのにすぐ了諾されて体の力が抜けてしまった。
互いに出し終えたあとはなんだかよそよそしくて無言でズボンと下着を履いた。
上手く歩けないという元山の腰を支え階段を降りるともう辺りは真っ暗になっていた。
『家帰ったらなにすんの?』
『お風呂入ってご飯食べて宿題』
『毎日?』
『ほかにすることある?』
黒坂と何かあるんじゃないかと探りを入れるが元山はなんにも分かっていないようで、あとテレビ見てるとか見当違いな事を言っている。
『あ、鈴虫、もう秋かー』
駅から家に帰る途中にある畑を横に並んで歩いているとリーンと虫の声が鳴っていた。
『あ、家ここ、じゃあね……あの、』
『じゃあ…うん?』
『その、送ってくれて、ありがと…』
『散歩したかったし、別に』
『あ、そう…じゃあ』
『…あのさ、』
1度後ろを向いた元山が振り返る。
街頭に照らされた顔は少し赤くて今すぐにでも抱きしめたくなってしまった。
『うん? なに?』
『えーっと、まあ、うん、じゃあまた』
『なんだよ、言えよ』
『なんでもない、マジで忘れた』
下を向いていると影が重なる、唇の端に元山の口が吸い付いてチュッと鳴らした。
『じゃあね』
そういうともう振り返らず元山は玄関を開け家に入っていった。
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