スパイラル・ワープ!

森野ゆら

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7章

5 スパイラルの先へ!

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 河本さんに真剣な目で見つめられて、たじろぐ。
 音は分かるけど……
 そんな複雑な所にあるスパイラルを見つける自信なんてない。

「この先へ行って、未来を滅ぼす危険スパイラルを消してきてほしい。私は君が入るこのスパイラルを消えないように保っておく」

「ちょっと待って。消すって言ったって、私、そんなことできないよ?」

 あわてて言うと、河本さんはズボンのポケットから小さな瓶を出してきた。
 中にはエメラルドグリーンの液体が入ってる。

「これを」

 河本さんが瓶を手渡してきた。

「私が作ったものだ。危険スパイラルの始まりはまだ小さい。この瓶に入ってる液体をふりかけると、消えるはずだ」

 この液体で危険スパイラルを消せるの?
 すごい。

「お願いできるか?」

 河本さんにじっと見つめられて、胸の奥がドキッとした。
 私にそんな重大なこと、できる⁈
 でも……

(期待している)

 理科準備室で言われた河本さんの言葉が、今になって頭に響く。
 そっか。あの時の言葉は……
 ぎゅっとこぶしを握ってうなずいた。

「……分かった。行ってくる」

「おれも行く」

 すかさず瑞希が私と河本さんの間に割り込んできた。

「いや、ぼくが行くよ?」

 リゼもあわてて瑞希に言う。

「作ったばかりの簡易スパイラルは保つのが難しい。できれば時間修復士の技術を借りたい。あちらの世界へ行くまでは保つことができると思うが、戻ってくるまでは……このスパイラルが消えてしまう可能性が高くなる。だから」

 河本さんが言うと、リゼはしぶしぶうなずいた。

「分かった。じゃあ瑞希、頼んだよ。……戻ってくる時のためにこれを貸しておくよ」

 リゼが手首から時間移動機を外して、瑞希に渡した。

「こっちに帰ってくる方法は二つ。このスパイラルに入って戻ってくること、もう一つは時間移動機で帰ってくること。ただし、スパイラルが消える可能性があるから、時間移動機の方が確実ってことだよな?」

 リゼがきくと、河本さんもうなずいた。

「じゃあ、今から使い方、説明するから。まず、この⇔ボタンが……」

 リゼが瑞希に説明している間に、私は渦巻くスパイラルを見つめた。
 今から、この中に飛び込むんだ……
 そう思うと、ドキドキしてくる。
 こわさと緊張、自分に危険スパイラルを見つけられのかなっていう不安。
 それからほんの少しのワクワク。

「行こう、ひなり」

 説明を聞き終わった瑞希が腕に時間移動機をつけたあと、私の手を取った。
 二人で渦巻くスパイラルの前に立って、深呼吸をする。

「じゃ、行ってくるね」 
 リゼと河本さんに手を振って、私と瑞希はスパイラルの中へ飛び込んだ。
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