3 / 15
師匠
しおりを挟む
「名前まで知られてるって⋯俺のこと、前々から目ぇつけてたのかよ?」
噂通りの堅物生徒会長なら十分考えられる。
つーか、学年も接点もねぇのにフルネームにクラスまで把握してるとか気持ち悪ぃレベルだ。
いや、コイツなら、全校生徒の名前と顔を丸暗記していて当然なのか。
こっちは睨んでんのに手を貸そうかと屈んできやがったから、慌てて立ち上がった。
なんか格闘技を齧ってそうだよな。
安易に近寄らねぇようにしねぇと。
「察しが良くて助かる」
こっちは警戒して冷や汗まで出てんのに、なぜか安堵した様子の生徒会長。
俺がもっと暴れるとでも思ってたのか?
ここは、ヤリスポットとして一部じゃ有名だ。
生徒会長自ら網を張ってたとこに、目をつけてた俺がノコノコやって来たってところか。
はぁ⋯このまま生徒指導室に引っ張られ、証拠とセットで突き出されんの?
扉とさっきまでヤッてたマットの配置からして、情事そのものは押さえられてねぇ筈だ。
けど、この教師受けの良い生徒会長が「現行犯」と言えば前科もあるし信じねぇ教師を探す方が難しい。
よりによって、なんで初日のまだ一発もキメてないときに⋯
ガリガリ頭を掻いていたら、生徒会長はしたり顔で語ってくる。
「進路が未確定の同級生には頼みにくいとなると、成瀬君以外に師匠候補は3人ほど居たんだ」
「⋯は?
なんの話してんだよ?」
ツラツラ語りだした内容に、疑問しか沸かねぇ。
師匠とか言ってなかったか、コイツ?
「何って⋯」
生徒会長の続く言葉は、本鈴の音に掻き消された。
「あっ!」と驚き、生徒会長は倉庫から出ていこうと背を向ける。
おっ、見逃してくれんのかよ?
「今は時間が無いので、放課後生徒会室に来てください」
一瞬俺の存在を忘れていた顔が振り返り、ピシリと予約をねじ込まれた。
だよなぁ、だーよーなー
名前に顔、あと、恐らく下半身露出してる俺の写真まで持ってんのに見逃すわきゃねぇよな。
そのとき、ヤツの眼鏡がキラッと光って見えたのは、心の補正効果にしちゃ出来すぎた演出だった。
⋯⋯よし、バックレるか。
教室に戻って悶々と考えてもなんにも思いつかねぇ。
あっという間に時間が過ぎて、気が付いたら放課後。
ツレに他校の女子とカラオケに行こうぜと誘われ、問題先送りでそれについて行こうとしたんだが。
『2年1組、成瀬 隼人君。
生徒会室まで来てください』
廊下に響いた放送に、周りの空気がガラリと色を変える。
心配されるなら良い方で、疑いの目まで向けられる。
その場を適当に誤魔化して、ダッシュ。
ノック無しに生徒会室の扉を開けると、「ようこそ」と生徒会長が自席から立ち上がって出迎えに来た。
いや、ようこそじゃねぇよっ
なに放送かましてんだよっ
生徒会に俺が目ぇつけられたのバレバレで、明日から女子に避けられんの決定じゃねぇかっ
自分の置かれた立場も忘れ、校内放送の呼び出しに文句を言ってやろうと息巻いたが。
「では、始めようか」
生徒会長から真剣な顔でプリントを渡され、思わず受け取ってしまった。
噂通りの堅物生徒会長なら十分考えられる。
つーか、学年も接点もねぇのにフルネームにクラスまで把握してるとか気持ち悪ぃレベルだ。
いや、コイツなら、全校生徒の名前と顔を丸暗記していて当然なのか。
こっちは睨んでんのに手を貸そうかと屈んできやがったから、慌てて立ち上がった。
なんか格闘技を齧ってそうだよな。
安易に近寄らねぇようにしねぇと。
「察しが良くて助かる」
こっちは警戒して冷や汗まで出てんのに、なぜか安堵した様子の生徒会長。
俺がもっと暴れるとでも思ってたのか?
ここは、ヤリスポットとして一部じゃ有名だ。
生徒会長自ら網を張ってたとこに、目をつけてた俺がノコノコやって来たってところか。
はぁ⋯このまま生徒指導室に引っ張られ、証拠とセットで突き出されんの?
扉とさっきまでヤッてたマットの配置からして、情事そのものは押さえられてねぇ筈だ。
けど、この教師受けの良い生徒会長が「現行犯」と言えば前科もあるし信じねぇ教師を探す方が難しい。
よりによって、なんで初日のまだ一発もキメてないときに⋯
ガリガリ頭を掻いていたら、生徒会長はしたり顔で語ってくる。
「進路が未確定の同級生には頼みにくいとなると、成瀬君以外に師匠候補は3人ほど居たんだ」
「⋯は?
なんの話してんだよ?」
ツラツラ語りだした内容に、疑問しか沸かねぇ。
師匠とか言ってなかったか、コイツ?
「何って⋯」
生徒会長の続く言葉は、本鈴の音に掻き消された。
「あっ!」と驚き、生徒会長は倉庫から出ていこうと背を向ける。
おっ、見逃してくれんのかよ?
「今は時間が無いので、放課後生徒会室に来てください」
一瞬俺の存在を忘れていた顔が振り返り、ピシリと予約をねじ込まれた。
だよなぁ、だーよーなー
名前に顔、あと、恐らく下半身露出してる俺の写真まで持ってんのに見逃すわきゃねぇよな。
そのとき、ヤツの眼鏡がキラッと光って見えたのは、心の補正効果にしちゃ出来すぎた演出だった。
⋯⋯よし、バックレるか。
教室に戻って悶々と考えてもなんにも思いつかねぇ。
あっという間に時間が過ぎて、気が付いたら放課後。
ツレに他校の女子とカラオケに行こうぜと誘われ、問題先送りでそれについて行こうとしたんだが。
『2年1組、成瀬 隼人君。
生徒会室まで来てください』
廊下に響いた放送に、周りの空気がガラリと色を変える。
心配されるなら良い方で、疑いの目まで向けられる。
その場を適当に誤魔化して、ダッシュ。
ノック無しに生徒会室の扉を開けると、「ようこそ」と生徒会長が自席から立ち上がって出迎えに来た。
いや、ようこそじゃねぇよっ
なに放送かましてんだよっ
生徒会に俺が目ぇつけられたのバレバレで、明日から女子に避けられんの決定じゃねぇかっ
自分の置かれた立場も忘れ、校内放送の呼び出しに文句を言ってやろうと息巻いたが。
「では、始めようか」
生徒会長から真剣な顔でプリントを渡され、思わず受け取ってしまった。
1
あなたにおすすめの小説
シスルの花束を
碧月 晶
BL
年下俺様モデル×年上訳あり青年
~人物紹介~
○氷室 三門(ひむろ みかど)
・攻め(主人公)
・23歳、身長178cm
・モデル
・俺様な性格、短気
・訳あって、雨月の所に転がり込んだ
○寒河江 雨月(さがえ うげつ)
・受け
・26歳、身長170cm
・常に無表情で、人形のように顔が整っている
・童顔
※作中に英会話が出てきますが、翻訳アプリで訳したため正しいとは限りません。
※濡れ場があるシーンはタイトルに*マークが付きます。
※基本、三門視点で進みます。
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
忘れられない君の香
秋月真鳥
BL
バルテル侯爵家の後継者アレクシスは、オメガなのに成人男性の平均身長より頭一つ大きくて筋骨隆々としてごつくて厳つくてでかい。
両親は政略結婚で、アレクシスは愛というものを信じていない。
母が亡くなり、父が借金を作って出奔した後、アレクシスは借金を返すために大金持ちのハインケス子爵家の三男、ヴォルフラムと契約結婚をする。
アレクシスには十一年前に一度だけ出会った初恋の少女がいたのだが、ヴォルフラムは初恋の少女と同じ香りを漂わせていて、契約、政略結婚なのにアレクシスに誠実に優しくしてくる。
最初は頑なだったアレクシスもヴォルフラムの優しさに心溶かされて……。
政略結婚から始まるオメガバース。
受けがでかくてごついです!
※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも掲載しています。
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる