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3 お花畑
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「飛鳥、もうこの部屋は使えない。
奏さんが発情する前に、急いで自室に連れていきなさい。
倭人はこの場に残るように」
「嫌だっていってるでしょう?!
何で倭人の⋯」
「性交中にしてなければ、ただの噛み跡だ。
牙も出ていないのだから、アザぐらいに考えて正式な番になれば良い」
「冗談でしょっ」
淡々と事後処理をする菊川社長と、怒りに頬を染める飛鳥さん。
両者の視線は一旦菊川から外れた。
譲らない言い合いをどこか遠くのことのように聞き流し、当事者の俺はすぐに何が起こったのか理解できないでいた。
えっと、か、噛まれたのか?
痛みは確かにある。
でも、首筋を噛まれたこと自体が理解出来ない。
Ωにとってここを噛まれることは、一生を左右する重要な行為なんだ。
そこを、コイツに⋯?
目の前の背中を呆然と見上げる。
指でうなじをなぞれば、湿った肌にデコボコの歯形が刻まれている事実を突き付けられる。
触れた指を前に持ってきて、恐る恐る開いてみたがどこにも血はついていなかった。
確かに牙は伸びていない。
性交中でも無いし、牙も刻まれていないのだから確かに社長が言われた通りこれは"ただの噛み跡"だ。
番にはならない、ならないが、だ。
家が定めた相手でもないお前に、なぜ噛まれなければならないんだっ
よりによって、俺が一番大嫌いだったαのお前にっ
一体、何を考えてるんだっ
悪ふざけが過ぎるっっ
フツフツ沸き上がる怒りの衝動が抑えられない。
奏さんが発情する前に、急いで自室に連れていきなさい。
倭人はこの場に残るように」
「嫌だっていってるでしょう?!
何で倭人の⋯」
「性交中にしてなければ、ただの噛み跡だ。
牙も出ていないのだから、アザぐらいに考えて正式な番になれば良い」
「冗談でしょっ」
淡々と事後処理をする菊川社長と、怒りに頬を染める飛鳥さん。
両者の視線は一旦菊川から外れた。
譲らない言い合いをどこか遠くのことのように聞き流し、当事者の俺はすぐに何が起こったのか理解できないでいた。
えっと、か、噛まれたのか?
痛みは確かにある。
でも、首筋を噛まれたこと自体が理解出来ない。
Ωにとってここを噛まれることは、一生を左右する重要な行為なんだ。
そこを、コイツに⋯?
目の前の背中を呆然と見上げる。
指でうなじをなぞれば、湿った肌にデコボコの歯形が刻まれている事実を突き付けられる。
触れた指を前に持ってきて、恐る恐る開いてみたがどこにも血はついていなかった。
確かに牙は伸びていない。
性交中でも無いし、牙も刻まれていないのだから確かに社長が言われた通りこれは"ただの噛み跡"だ。
番にはならない、ならないが、だ。
家が定めた相手でもないお前に、なぜ噛まれなければならないんだっ
よりによって、俺が一番大嫌いだったαのお前にっ
一体、何を考えてるんだっ
悪ふざけが過ぎるっっ
フツフツ沸き上がる怒りの衝動が抑えられない。
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