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3 お花畑
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「そ、れは⋯⋯で、でもっ
これから桜宮のことを好きになる可能性は、ずっと前から好きな人がいる姉貴より俺の方が高い!」
そんな不確定要素を声高に宣言されても、この体勢では煩いだけだ。
信じてと、左頬に菊川の指が触れてくる。
咄嗟にその頭から離した手は、行き場を失って自分の胸元を握り締めたまま動かせなくなってしまった。
固まってしまった俺を気遣い、優しく包み込むような菊川のフェロモンが漂ってくる。
両親のフェロモンに守られ、他人との交流を避けてきた俺には他のフェロモンへの免疫は無い。
丸裸で気を張っていた自分を甘やかすその誘惑に、危うくのまれそうになった。
駄目だ。
惑わされるな。
ぐっと下腹に力を込め、菊川を改めて睨みつける、が。
「お願い、俺を信じてくれ、桜宮。
俺は番を、αにとっても一生に一度、好きな相手を側で守るための繋がりだと思ってる」
熱意の溢れた瞳が俺を見返す。
番に夢見るΩのような、偏り、馬鹿げた妄想を切々と語るその声に耳を傾けてしまう自分が止められない。
菊川の言葉につられ、封印していた想いがポコポコ心の奥底から息を吹き返すのを感じる。
αの弟が生まれ、これからは身請け先として番相手を探すと伝えられたとき。
偽装αから開放され、ただのΩとして番相手に受け入れてもらえることへの期待が芽生えていた。
家族から離れた場所に行くのなら、その先で自分の番に好かれたいし好きになれたら良いなと願ってしまっていた。
幼くて弱くて、現実を前にしたら跡形も無く粉々に砕けるような脆くて儚い、でも捨てきれない理想。
そんなこと、無理だと。
αとΩの現実をよく見ろと。
番相手と結婚相手を別に持つαが多いのだと。
Ωに託されるのは、愛ではなくαの子どもを生むことなのだと。
そう自分に繰り返し、諦めていた夢物語を今更コイツ相手にしろと?
「⋯また、飛鳥さんの番候補が現れたら、どうする気だ?」
この恋愛脳は、どこまで本気なんだ?
「あの母さんなら、同じ方法は取らない。
台無しにされた計画を、繰り返す人じゃない。
今回は急すぎて、俺もこの方法しか思い付かなかったけど、桜宮が心配するなら他の候補が現れることを見越していくつか対策は準備しておく。
桜宮家と俺の家の契約の番だたって桜宮は言うけどさ。
これはきっかけだ。
スタートがたまたまそうなるだけだよ。
これから先、俺は桜宮を好きになって、桜宮にも俺を好きになって貰えるよう頑張るから」
頼むよとぎこち無く微笑む菊川。
言外に、αがΩに、自分を選んで欲しいと募っている非現実的なシチュエーション。
大嫌いだったαから、Ωが一度は思い描く"理想の番"を語られるなんて。
これから桜宮のことを好きになる可能性は、ずっと前から好きな人がいる姉貴より俺の方が高い!」
そんな不確定要素を声高に宣言されても、この体勢では煩いだけだ。
信じてと、左頬に菊川の指が触れてくる。
咄嗟にその頭から離した手は、行き場を失って自分の胸元を握り締めたまま動かせなくなってしまった。
固まってしまった俺を気遣い、優しく包み込むような菊川のフェロモンが漂ってくる。
両親のフェロモンに守られ、他人との交流を避けてきた俺には他のフェロモンへの免疫は無い。
丸裸で気を張っていた自分を甘やかすその誘惑に、危うくのまれそうになった。
駄目だ。
惑わされるな。
ぐっと下腹に力を込め、菊川を改めて睨みつける、が。
「お願い、俺を信じてくれ、桜宮。
俺は番を、αにとっても一生に一度、好きな相手を側で守るための繋がりだと思ってる」
熱意の溢れた瞳が俺を見返す。
番に夢見るΩのような、偏り、馬鹿げた妄想を切々と語るその声に耳を傾けてしまう自分が止められない。
菊川の言葉につられ、封印していた想いがポコポコ心の奥底から息を吹き返すのを感じる。
αの弟が生まれ、これからは身請け先として番相手を探すと伝えられたとき。
偽装αから開放され、ただのΩとして番相手に受け入れてもらえることへの期待が芽生えていた。
家族から離れた場所に行くのなら、その先で自分の番に好かれたいし好きになれたら良いなと願ってしまっていた。
幼くて弱くて、現実を前にしたら跡形も無く粉々に砕けるような脆くて儚い、でも捨てきれない理想。
そんなこと、無理だと。
αとΩの現実をよく見ろと。
番相手と結婚相手を別に持つαが多いのだと。
Ωに託されるのは、愛ではなくαの子どもを生むことなのだと。
そう自分に繰り返し、諦めていた夢物語を今更コイツ相手にしろと?
「⋯また、飛鳥さんの番候補が現れたら、どうする気だ?」
この恋愛脳は、どこまで本気なんだ?
「あの母さんなら、同じ方法は取らない。
台無しにされた計画を、繰り返す人じゃない。
今回は急すぎて、俺もこの方法しか思い付かなかったけど、桜宮が心配するなら他の候補が現れることを見越していくつか対策は準備しておく。
桜宮家と俺の家の契約の番だたって桜宮は言うけどさ。
これはきっかけだ。
スタートがたまたまそうなるだけだよ。
これから先、俺は桜宮を好きになって、桜宮にも俺を好きになって貰えるよう頑張るから」
頼むよとぎこち無く微笑む菊川。
言外に、αがΩに、自分を選んで欲しいと募っている非現実的なシチュエーション。
大嫌いだったαから、Ωが一度は思い描く"理想の番"を語られるなんて。
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