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4 予想外
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「あぁ、桜宮、元、戻った?」
懇願は漸く聞き届けられたらしい。
菊川は、動きを止めて俺を気遣うように声を掛けてくれた。
熱に浮かされたような、拙い片言の話し方。
繋ぎ止めていた手を外し、後ろから優しい手付きで肩を抱き締められ堪らず身悶え。
手付きは優しいが、やっていることは容赦が無いっ
こんな身体を宙に浮かせてお前に貫かれてる状態で、俺を浮かしている2つの支点の内の1つをあっさり無くしたらどうなると思うっ
「ンンッ、はぁっ、ば⋯ばかァっ」
残された支点、結合した場所に自分の体重と菊川の力が加わり、ずぶずぶ更に奥へ押し入られ、無意識に出た声の甘さに驚く。
な、なんだ、今の声はっ
怒っているのにまるでねだっているみたいじゃないかっ
菊川相手に、なんて声を出しているんだ、俺はっ
「桜宮、可愛い」
俺が狼狽えていることにも気付かず、菊川はひっそりと耳元で囁いてくる。
耳朶をペロリと舌先で弄ばれ首を捻って逃れようとしたが、そんな些細な動きでも身体がジリジリ沈んでいくので身をすくめた。
「可愛い」「可愛い」と辿々しく繰り返す菊川の声は、俺の声より何倍も、何十倍も甘く響いて心に積もる。
聞いているこちらが恥ずかしくなる程に甘ったるい。
ねっとりとうなじを嘗められ、ビリビリと微電流がそこから爪の先まで走った。
何かを辿って動く舌の動きに翻弄され、思考が溶かされる。
あぁ、もう、頼むから冷静に考える時間をくれっ
「俺のもの」「俺の番」「誰にも渡さない」
押し寄せてくる菊川の所有フェロモンは強迫性を含み、嫌でも俺が菊川の番になっていることを告げている。
舐められているのは、噛み跡、なんだろうな。
俺が菊川に永遠に繋がれたという証。
それを理解した途端、裸で抱き合っていることよりも番になったことが気恥ずかしくなってしまった。
覚悟を決めていたとはいえ、あの菊川と俺が番⋯⋯
「や、そこ、嘗めんなっ
息も、かけるなっ」
執拗な舌触りと漏れてくる息にさえ身体がビクビク痙攣してしまう。
結果、菊川を呑み込んだ場所に力を込めてしまい、自分の中に打ち込まれているその存在を改めて思い知る。
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手付きは優しいが、やっていることは容赦が無いっ
こんな身体を宙に浮かせてお前に貫かれてる状態で、俺を浮かしている2つの支点の内の1つをあっさり無くしたらどうなると思うっ
「ンンッ、はぁっ、ば⋯ばかァっ」
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な、なんだ、今の声はっ
怒っているのにまるでねだっているみたいじゃないかっ
菊川相手に、なんて声を出しているんだ、俺はっ
「桜宮、可愛い」
俺が狼狽えていることにも気付かず、菊川はひっそりと耳元で囁いてくる。
耳朶をペロリと舌先で弄ばれ首を捻って逃れようとしたが、そんな些細な動きでも身体がジリジリ沈んでいくので身をすくめた。
「可愛い」「可愛い」と辿々しく繰り返す菊川の声は、俺の声より何倍も、何十倍も甘く響いて心に積もる。
聞いているこちらが恥ずかしくなる程に甘ったるい。
ねっとりとうなじを嘗められ、ビリビリと微電流がそこから爪の先まで走った。
何かを辿って動く舌の動きに翻弄され、思考が溶かされる。
あぁ、もう、頼むから冷静に考える時間をくれっ
「俺のもの」「俺の番」「誰にも渡さない」
押し寄せてくる菊川の所有フェロモンは強迫性を含み、嫌でも俺が菊川の番になっていることを告げている。
舐められているのは、噛み跡、なんだろうな。
俺が菊川に永遠に繋がれたという証。
それを理解した途端、裸で抱き合っていることよりも番になったことが気恥ずかしくなってしまった。
覚悟を決めていたとはいえ、あの菊川と俺が番⋯⋯
「や、そこ、嘗めんなっ
息も、かけるなっ」
執拗な舌触りと漏れてくる息にさえ身体がビクビク痙攣してしまう。
結果、菊川を呑み込んだ場所に力を込めてしまい、自分の中に打ち込まれているその存在を改めて思い知る。
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