ヘタレαにつかまりまして

三日月

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9 特別棟

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遠巻きに見ていた生徒も。
「相変わらず」と笑ってみていた松野も、竹居も。
笹部に抗議していた三枝も。
目の前で笑っていた笹部も。

すべてを飲み込み、言葉どころか、瞬きさえ赦されない場の縛りが爆風となって広がっていく。
清人さんのフェロモンのような明確な殺気や冷たさはないけれど、相手を捩じ伏せる圧倒的な強さにビリビリ身体が痺れる。

その場で動けたのは、フェロモンを出した本人と、俺だけだったようだ。
笹部の首目掛け、伸びてきたヤマの腕に慌ててしがみつく。
登校初日から、暴力事件を起こすなっ

目の前のヤマと、これを聞いている萩野のにもわかるように状況を伝える。


「俺は、大丈夫だ。
相手は、同級生、問題ないっ」
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