ヘタレαにつかまりまして

三日月

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21 カナ side 倭人

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・・・ズバンッ

勢いよく最奥まで穿ち、咄嗟に逃れようする桜宮の身体を自分のものだと確かめたくて抱き寄せた。
急に持ち上げられ、串刺しになった桜宮が悲鳴をあげる。
けれど、すぐ側に見えた桜宮のうなじには。
既に、上気した皮膚で赤く彩られた"ヤマ"の牙の跡が。

四肢が完全に宙に浮いた桜宮の身体を上下に揺らしながら、怒りに任せて腰を動かし続ける。


「あ・・・あっ、にゃっ・・・ひぃうっ」


ガクガク身体をされるがままに蹂躙され、泣きじゃくる桜宮のうなじに舌を這わせ、忌々しい"ヤマ"が刻んだ窪みに牙を引っ掻けた。
くそっ、桜宮を他の誰かと共有するなんてごめんだっ
それが、俺自身だとしても、実感なんてない。
覚えの無い牙の跡は、他人が刻んだものと変わらない。

番持ちΩは、番のα以外に抱かれても嫌悪と吐き気で感じることなんてない。
今、桜宮は感じている。 
こんなに乱れて俺のペニスを受け入れている事実が、この牙の跡を刻んだαが俺だと示してる。
でも、イヤだ、許せない。


こんな傷痕、上書きしてやるっ、上書きしてやるっ

桜宮は、この俺の、俺だけの番だっ

俺の番は、桜宮だけだっ


"ヤマ"の歯形に合わせて口を開き、しっとりと汗と俺の唾液に濡れたうなじに、鋭く尖った俺の牙を突き刺す。
ぷつりと、柔らかな皮膚を突き抜け、二本の牙を桜宮の肉に埋めこむ感触・・・

番にしたいと思うΩに会ったのは桜宮が初めてで。
誰かを噛んだことなんて、今まで一度も無かったのに。

この感触には、覚えがあった。

頭が覚えていなくても、牙が覚えている。
牙に宿る俺の魂が、覚えている。

肉を抉るくらいの強さで噛み締め、自分が求めた獲物を獲らえた充足感を、覚えている。
桜宮を喰らいながら、その中へ、奥へ、溢れる熱を解き放ったことを覚えている。

今、みたいに。


「きゃああぁーーーーー・・・」


嬌声をあげ、跳ねる桜宮身体を力一杯抱き締める。

俺、覚えてる、覚えてるよ、カナ。
理性を互いに吹き飛ばし、カナのうなじに牙を突き立てたあの日からの全部。

俺が無くしていた記憶の全部。
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