例えβに生まれても

三日月

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9 脅迫の王子様

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「ハルは、俺に会いたいって言ってくれたよね?
それを聞いて、嬉しくて飛んできたのに」

「えっと、それは、凄く会いたかったですよ....?」


文字通り、海を飛び越えて帰国された清人様。 
清人様と久し振りに話せて、電話だけでも嬉しかったんですよ。
実際会えたら、もっともっと嬉しかったですっ

こんなに話が怪しい雲行きになってきても、突然のご帰国の理由が、俺なんだってわかったら......やっぱり嬉しいままなんですよ。


「だったら、何で、Ωになることを拒むの?
俺はハルを番にしたい。
もう、自覚してしまったから....拒まれたら、二度とハルに近寄れない」


えぇっ?!

全然清人様の話についていけない俺が、今度は固まる番だった。
目を伏せた清人様は、捨てられた子犬...みたいに悲しみに窒息しちゃいそうな悲愴感があって。
それなのに、ちらっと俺を一瞥された瞳は、獲物を狙ってタイミングを図るような冷静さを失ってなくて。

兄ちゃん、みどりちゃん、助けてーーーーーっ
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