例えβに生まれても

34 反則の王子様

30

触れあっている場所から、清人様の熱がどんどん俺に移ってくる。
離してくださいと、何度もうわ言のように繰り返しているのに、清人様は弱々しく動く唇にキスを落として簡単に封じてしまう。

全然動きを止めてもらえない。
汗ばんだ肌とか、濡れてる指とか、堅いぺニスとか、清人様の荒い息とか匂いとか。
五感の全部から、俺の内側に向かって清人様が流れ込んでくる。

溶けて、混じって、自分が消えちゃいそう。
清人様でお腹いっぱいだよ。
頭の中も、ジンジン痺れてくる。

おちんちんに直接グリグリ清人様のぺニスを押し付けられても、腰も引けなくてされるがまま。
指にからめられ、しごかれ、気付けば喘いでいた。


「はぁ.....き、きよと様、離してくださぃ」


さっきまで、フェロモンも身体も冷たくて怖かった清人様が、熱くてエッチ過ぎるよぉ。
凍るかと心配していたくらいなのに、今度は急速に温められて沸騰しちゃいそう。
このままじゃ、俺.....


「ハル、離してなんて無理だよ。
ハルは俺が好きで、俺もハルが好きなんだ。
ほら、ハルの可愛いおちんちん、喜んでる.....」


促された視線の先で、合わさったおちんちんとぺニスからは白い精液がトロトロ吐き出されていて。
表面が、滑って、光って.....あ、あ、あぁ.......
俺にとっては、暴力的な絵に頭の中が爆発しちゃうっっ
こんなの、こんなの、俺にはムリですっ
やっぱりダメですってお断りしようとしたのに。


「ハル、ハル......好きだよ。
ハルから俺にキスを頂戴？」


見上げた視界いっぱいに、上気した清人様のお顔。
血で染まった赤い唇と牙から、俺は目が離せなくなってしまった。

どんなお姉さんよりも、俺にだけ伸びた清人様の牙。
清人様の牙は、俺のもの.....

引き寄せられるように、清人様にキスを。　
清人様の、スベスベで、固くて、厭らしい牙に、自分から舌を這わせていた。